【まんだらけトピックス】本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店

私の姑息な嘘が連れてきてくれた君は想像と違ってました。
思ってたより暗くて卑屈で意固地でしつこくて思ってたより声が低くて思ってたより男らしい思ってた通り優しい人でした。
音楽室を覗く真ん丸の月はお饅頭みたいで美味しそうだった耀く星の下で二人で歌った“キラキラ星” 楽しかったね雪って桜の花弁に似てるよね演奏家なのに舞台の外の事で心が一杯なのはなんか可笑しいね忘れられない風景がこんな些細な事なんて可笑しいよね君はどうですか？
私は誰かの心に住めたかな、私は君の心に住めたかな。
やっぱり君で良かった。届くかな、届くといいな……
カヌレ全部食べれなくてゴメンね。
ありがとう(「四月は君の嘘最終話春風」より)

今回は、1エピソードをピックアップ！
「四月は君の嘘」より、最終話(#22)“春風”(第9巻収録)
9巻には、20話、21話も収録されていますが其方の話はまた機会がありましたら。
22話は Aパートが丸々“公生”の演奏、そして Bパートが“エピローグ”という構成になっています。
Aパートの演奏シーンは正に圧巻！
「のだめカンタービレ」「坂道のアポロン」と音楽アニメにおける演奏シーンはノイタミナの十八番とするところですが、それらを基準としてもホントにスゴイ！
手元をアップで映し指が鍵盤を弾く様を描写するのは今までと同様ですが 22話のシーンは現実のシーンというよりも公生のイメージが強く現れているので、アニメーションならではの幻想的なシーンです。
演奏曲はショパンの“バラード第1番”
曲名を聞いてもピンとこないかもしれませんが、実際に聴いてみればわかる方も多いと思います。
特に、去年の後半から年末にかけてテレビでよく流れてましたから。
そう、フィギュアスケーターの羽生結弦選手のSP曲としてよく知られています。
羽生選手といえば FSの“陰陽師”のイメージの方が強いかもしれませんが、やっぱり羽生選手の異次元の強さの象徴はSPだと思います。
(ちなみに開催中の世界選手権2016の羽生選手のSPはなんと110.56でした！)
フィギュアスケートは演技構成上、FSでの逆転が十分可能になっています。
というよりも優勝にはFSをしっかり揃える事が必須といってもいいくらいです。
ですのでSPで首位に立てなくても次のFSに向けてしっかりと気持ちを作る事が出来る。
しかし、羽生選手のSPはそれを踏まえて尚他者を挫くほどの異次元の滑りをもって、そして結果“神の領域”へと足を踏み入れたー。
『有馬公生』『羽生結弦』二人の若き天才が愛した“ピアノの詩人”ショパンの調を是非この機会にご堪能ください。

Aパートの演奏シーンの話ばかりで、Bパートの話は全然していませんが、Bパートはエピローグなので公生の演奏の余韻を残しながらあるがまま受け止めてほしい。
敢えて何かを言うことがあるとすれば“かをり”と“椿”の公生に向けた想いを感じ取ってほしいです。
私は特に、椿が最後に公生にかけた… というよりもぶつけたセリフが大好きで、あのシーンを見た時「あぁ、公生は大丈夫だ……」
自然と瞳から涙がこぼれましたー。

『もうすぐ “春”が来る。君と出会った“春”が来る。君が……』

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(担当成田)