講談社の新人まんが賞受賞をきっかけに、17歳にして漫画家デビューを果たしたものの、
わずか1作のみで他界した、伝説の漫画家・谷口ひとみ。
2008年、42年ぶりの復刊が実現して以来、本作を再評価する声が急上昇。
著者没後50周年となる2016年、新たに「定本」として復刻が決定いたしました。
発見された遺稿は計8枚。本編『エリノア』の制作中に描き直され使われなかった6枚と、
親戚に請われ贈ったというカラーイラストが2枚の合計8枚です。
それは50年という節目の今年(2016年)の2月になって、偶然にもひとみさんの御親戚の遺品の中から発見されました。
そられは、どういった経緯でその御親戚(故人)の手元にあったかは全く不明。
しかし、既にひとみさんの生家も取り壊されている現在ではこの原稿が唯一の遺稿となります。
もし、それらが。単なる描き直しであれば。思い出の品として近しい人々の記憶のみに止められるもの。そうするべきものであったのかも知れません。
しかし、その鉛筆書きのネームや鮮明な線もさることながら、特にその中でも本編にはなかった2ページに渡るエリノアの激白のシーンなどはそのまま著者の感情の吐露が生々しく、このまま看過するにはあまりにも惜しく、無かったことには出来ませんでした。
『エリノア』として完成された作品には、敢えて封入されなかった激白。
この、使われなかったページにひとみさんは何を思い、何を思って取捨を行ったのか。
それは最早、確認するに詮無き、そして無粋な事柄ですが。
この取捨をもって『エリノア』が作品としての完成度・輝きを一段と高く鮮明な物とした事は、疑う余地が無い様に思います。
当店で『定本 エリノア』及び『エリノア』をお買い上げの方には、まんだらけZENBU 43号に掲載した発行元「さわらび本工房」の珍田様によるエリノアの真実に迫ったコラム「久方の光のどけき春の日に」を小冊子にしてお付け致します。
そして、来る2016年4月10日(日)、奇しくもひとみさんのご命日にあたるこの日。
まんだらけでは『定本 エリノア』の発行にあわせ、中野店4階「海馬」イベントスペースにて、新たに発見された遺稿8枚を展示。
発行元である「さわらび本工房」の担当者様にご来場頂き、ファンと共に語らうギャラリートークイベントを企画しています。
参加費無料、予約不要、当日は時刻になり次第開始しておりますので、皆様お誘い併せの上、ご参加の程、よろしくお願い致します。
12時より、本編『エリノア』に使われなかった原稿6枚と、親戚に贈ったカラーイラスト2枚を展示
17時より、発行元「さわらび本工房」担当者によるギャラリートークイベントを開催
本編にはなかった2ページに渡るエリノアの激白のシーンなどはそのまま著者の感情の吐露が生々しく、このまま無かったことには出来ませんでした。(さわらび本工房)
この度、単行本『エリノア』の増補版を発行させて頂くことになりました。
本来であれば前回の重版を最後にするつもりで、実際にその後の重版のお誘いはお断りしておりました。
それは『エリノア』をお求めの方々に本が行き渡り、それ以上、徒に宣伝する作品でもないと判断したためです。
ところが、『エリノア』発表と著者の没後、50年という節目の今年(2016年)の2月になって、御親戚の遺品の中から遺稿が発見されました。
原稿は『エリノア』の制作中に描き直され使われなかった6枚と、親戚に請われ贈ったというカラーイラストが2枚の合計8枚です。
どういった経緯で、その御親戚(故人)の手元にあったかは全く不明ですが、既にひとみさんの生家も取り壊されている現在ではこの原稿が唯一の遺稿です。
単なる描き直しであれば、思い出の品というだけで公開する必要性も無いと考えておりましたが、鉛筆書きのネームや鮮明な線もさることながら、本編にはなかった2ページに渡るエリノアの激白のシーンなどはそのまま著者の感情の吐露が生々しく、このまま無かったことには出来ませんでした。
出版するにあたり関係先と話し合いましたが、この8枚だけでは本という体裁が成立しないということと、『エリノア』という作品ありきの原稿を単体でまとめるのかという御指摘を頂きました。
既刊を御購入頂いた方々に損の無い形を模索しましたが増補という形式は避けられませんでした。
大変申し訳ありませんが、その点は価格を原価に近付けることで何卒御容赦下さい。
これ以降はもうございませんので、最後の増補・増刷をお求めくだされば幸いです。
さわらび本工房