お人形、魔女っ子おもちゃ、ファンシーグッズ。
「かわいい」がぎっしり詰まった当店「ぷらすちっく」に欠かせない、
「KAWAII」を世界共通言語にしたと言っても過言ではない存在。
サンリオ。
今回は僭越ながらその魅力について少しばかり触れさせて頂きたいと思います。
1960年に絹織物を商う山梨シルクセンターとして誕生したサンリオは、初めは仕入れ販売やお菓子のパッケージ・おまけの企画を手掛けていました。
レジャーブームが巻き起こり海水浴場が賑わい始めた頃、サンリオはビーチサンダルに花をつけるというアイデアに端を発し、それまでの日用品には無かった可愛らしさや遊び心のあるアイテムを生み出すようになります。
お花がついた麦藁帽子、苺柄のカップ。
女の子の心にぱっと明かりを灯すようなアイテム。
今や誰もが目にしたことのあるサンリオグッズの歴史は、今と変わらないときめきから始まりました。
(以前まんだらけに入荷した事がある当時のアイテムです)
サンリオの基本精神は「Small gift,Big Smile.」。
人間の、お互いのコミュニケーションのきっかけとなる、小さな贈り物。
それは笑顔をつくりだし、存在と気持ちを確かめ合える幸せの種。
単なるファンシーグッズ屋さんと思われがちですが、
1971年から現在まで新宿に店を構える直営店第一号の「ギフトゲート」の名が表す通り、
ソーシャルコミュニケーションギフトと呼ばれるプレゼント用品を生み出すのがサンリオです。
1960年代末、サンリオはアメリカのグリーティングカード会社「ホールマーク」の商品を販売する「サンリオ・グリーティング」を設立します。
当時日本には日常的にカードを贈る習慣がまだありませんでした。
1972年に発売された「Love is」シリーズのアイテムからメッセージを借りると、
「Love is」
「writing someone.」
サンリオは海外からいち早くクリスマスやハロウィンを取り入れ、
気持ちをスモールギフトに込める機会を増やす事に尽力しました。
(ホールマークのグリーティングカードから商品化されたパンダちゃん。上野動物園にパンダが来る前のことで、これを見て初めてこの生き物を知る人も多かったとか)
ここからは、度々サンリオのメッセージからの引用を挟ませて頂きます。
毎日を幸せな気持ちで生きていきたい・・・ それは、私たち人間の心からの願いです。
では、本当の幸せとはいったい何でしょう。
どんな人間も、たったひとりで生きることはできないのではないでしょうか。
支えあい、助け合ってはじめて生きていくことができるのです。
ともに生きる仲間たちと信じあい、仲よく生きていくこと。
それが、私たち人間にとっての本当の幸せなのではないでしょうか。
その仲間とは、親子、兄弟、夫婦、友人、恋人といった身近な存在から、学校や会社の同僚、そして世界中のひとびとにまで広がっています。
それらのひとたちと理解しあい、仲よくしていくために大切なのは、まず自分から相手を信じ、尊敬し、愛すること。そして、そうした気持ちを表現すること---これが、サンリオのソーシャル・コミュニケーションの考え方です。
(中略)
悲しいとき、苦しいとき、楽しいとき・・・どんなときも、心から話し合えるひとがいる幸せを、一人でも多くのひとに感じてもらいたい。
そう願って、私たちは事業に取り組んでいます。
--サンリオホームページ内「企業理念」より
「キャラクターは、世界の子どもたちに幸せを運ぶ天使です」
「人は決して、ひとりでは生きられない。 今日も、明日も、いつも私たちはあなたのことを思っています」
--グラフィック社「'70s&'80sサンリオのデザイン」より
ハローキティはどことでもコラボをして仕事を選ばないと揶揄される事がありますが、創業時から2020年現在まで一貫して社長を務めている辻信太郎氏がサンリオの株主総会で、
「大好きなのに売れずになくなってしまいそうなものがあったら、サンリオとコラボするように言ってほしい。そうすればコラボして売れるようにする。世界中みんなが仲良くするためにこの会社を作ったのだから。」
と話したというエピソードがツイッターで話題になった事があります。
サンリオのオンラインショップで注文をすると、キティのリボンをつけた地球とハートを持ったキャラクターたちのイラストに
「世界中がみんな"なかよく"」というメッセージが添えられた段ボールに入って届きます。
震災が起きた時は「いちごの王さまからのメッセージ」として
「ひとりでは生きていけない小さな存在である人間が、生きてくために必要なこと―それはみんなと仲良く助け合って生きていくこと。
(中略)
震災という大きな災害が起こってしまったことは不幸な出来事ですが、私たちは助け合うことで何度も立ち直ってきたことを思い出して、今回もくじけずに前進していかねばなりません。
みんなの力を合わせれば、明るい未来につながることを信じて頑張りましょう。」
と励ましの言葉を発信し、
コロナウイルスで人々の元気がなくなっていれば、「みんなが明るい気持ちになれるように」とキャラクターたちがとびっきりの笑顔で元気のエールを送っているグッズを出したりしています。
いちご新聞26号でのキキララインタビューにはこんな一文があります。
「たとえばだれかをしあわせにしてあげようって思って何かをすることが、そのだれかのしあわせになるかどうかはわからないことなの。
キキとララはもちろんみんなにしあわせになってもらいたいって思ってるんだけれど、まだしあわせってことの意味も、悲しみや苦しみがなぜあるのかってこともよくわからないの、だから今はただみんなと仲良くなりたいって考えているのよ。」
人と人との繋がり、愛を大事にするサンリオらしさが、このキキララというキャラに色濃く出ていると私は思っています。
次回はそのキキララ、「リトルツインスターズ」についてお話出来ればと思います!
お楽しみに☆
中野店 山村