少年は親に連れられゲームを買いにやってきた。
財布には2000円と少し。彼は今回高価な新作ゲームは諦めて旧作の安いゲームにヤマをはっていた。
果たして、自分に神様はめぐり合わせをさせてくれるのだろうかと考えてもまとまらないことに脳を使いながら、
神妙な面持ちで車から降りてせかせかとゲームコーナーへ向かう。
新作ゲームのコーナーを抜け、時期の過ぎた在庫溜まりの中から少年は新たな出会いのために山を探った。
あれも違う、これも違う。目ぼしいゲームはいくつかあったが予算を超えたり気に入らなかったりなどして決まらず、
長考の末少年は諦めることを選択することにした。代わりに漫画でも買って帰ればいい、そう思って踵を返そうとした瞬間
そのゲームは少年の目線を釘付けにした。RPGゲーム「ドラゴンクエスト」。
パッケージを手に取って背表紙の情報を一見し、読めば読むほど湧き上がるワクワク感から購入を決意。
少年は迷わずレジへ走った。
帰りの車の中では待ちきれず説明書を読み込み、登場人物やこれから旅に出る世界観を
味わった。壮大でファンタジーな世界は少年の心を更に奮わせ、開封の時を急がせている。
待ちに待った家に着き、玄関を開けただいまと言い放つと同時に靴を脱ぎ捨て、一目散にゲーム機の電源を入れソフトを入れる。
もう説明書だけでは我慢できない。一体この画面の向こうではどんな物語が待ち構えているのだろうか、
誰が待っているのか、何と戦うのか、もう少年の頭はゲームの世界に完全にリンクしていた。
そして少年は、勇者への扉を開いたのである...
サーラ 男性同人(DEEP)担当
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