日本人なら8割くらいはその名を知っているのではないでしょうか？
現在では一ジャンルとして成立した「医療まんが」の大きな礎となり、また自身の代表作のひとつとも云える、言葉通り「歴史に残る」名作は、巻頭でも、ましてやカラー扉でもなく、こんなにもひっそりとスタートしました。
73年の手塚先生は既に大御所作家としての地位を確立していました。 ...というより、「ブラックジャック」を手掛ける直前までの手塚先生は、ご自身も仰っていた「冬の時代」。 新しい時代の少年まんがの波から外れた・要するに古臭いと揶揄され、同誌チャンピオンにて発表した「やけっぱちのマリア(※性教育を題材とした作品。魂の宿ったダッチワイフがヒロイン、全2巻)も世間からの糾弾を受け打切、少年誌での連載は激減。 そんな崖っぷちとも云える状況下、ほんの数話で終了の予定で「ブラックジャック」は連載を開始します。
あまり一般的でなかった医療という題材、当時の流行に牙をむくようなアンチヒーロー的ニヒルな主人公。 とっつき辛さからか始めの人気は低迷するも、徐々に人気を博し10年もの長期連載になることは、この新連載時は誰も予想していなかったと思います。 医師免許を持っている手塚先生ご自身のリアルな知識と、まんが的表現の手腕が融合した作品が面白くないわけはなく、しかしこれも当時を知らぬからこそ出せる感想です。
...という、誇張抜きで「ここから歴史が始まった」1冊。 毎日オークションはこちらからどうぞ。
【毎日オークション】週刊少年チャンピオン ブラックジャック新連載号/1973年48号
札幌店 いわき
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