伊藤重夫の漫画は音楽のようだ。
シチュエーションを切り取ったような詩的な言い回しと、青春の生き生きとした1番良かった人生の瞬間が描かれています。
街はごみごみしく、田舎は少し寂しく、ここに出てくる女たちは大体は男と出会って寝ていて、まるでこちらに見られているなんて知らない肢体は野性的で美しいです。
あられも無い姿で男に抱かれる女、男といえばどうしようもないやつらばかりです。熱っぽく粗野なそのどうしようもなさが無性に愛しく見えたりもします。
音楽もライブでは同じ曲を演奏しても同じパフォーマンスは2度と無く、伊藤重夫の漫画も、何回読んでも同じように感じることは2度と無いでしょう。
その日の読んだ時間、空気、湿度で全く様相を変える、ライブ感のある漫画です。
状態は当時のものなのでやや傷みなどありますが、思わず円盤のジャケットのようにガラスケースや額に飾りたくなります。帯までシティポップなデザイン性の高い装丁、復刻版と並べてコレクションしてはいかがでしょうか。
3月8日(金)店頭販売予定となっております
北國
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