そういえば、AKIRA読んだのに童夢読んでないな〜。自称漫画好きを名乗るには恥ずかしいなと思い読破。
体感は5秒の疾走感を5時間かけてじっくり話されたような、実数25分程の作品。
童夢は名詞ではなかった！
まず、読んで驚いたことの一つです。
AKIRAみたいに登場人物には童夢という人がいなかった！童夢みたいなカッコいい必殺技を繰り出すようなヒーローも出てこなかった！一子相伝の拳法使いの弟子が修行をしたことで、童夢という秘伝を会得するわけじゃなかったし、童夢っていう全ての資源を満たした惑星を探しに宇宙に繰り出すわけじゃなかった。
そして、コマ割り全てが漫画教本に手本として載ってるでしょ？というカッコ良さ。これ、人の手から生まれたんですか？？？
冒頭は連続殺人事件に警察の捜査網がある団地に及ぶ、ハードボイルドな始まりで、二人の年配と若造のバディ感も素晴らしい。
推理ミステリのようなフックを与えながら、団地の怪しい人物が複数浮き上がる......まさに起承転結の起！というキャラクターの厚みにワクワクします。
内容がしっかりあるとすれば、全て冒頭に集約されていて、他の会話という会話はあまり芯がないのです。もちろん、ここには探偵はいませんので推理もありません。
明確に与えられるのは暴力のみ、無性にむしゃくしゃして、やってはいけないことをやりたくなる衝動、理性があれば我慢できるのですが箍が外れてしまったらどうする？という問いかけにしっかりアンサーを拳でぶつけてくる、硬派喧嘩漫画です。
童夢のファンアートです。
善悪がはっきりしているところ、破壊！破壊！爆破！と映写機で写したようなキレのある間合い、対比して人の生活バックグラウンドまで丁寧に描かれているのも注目です。
北國
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