星にささげる愛の詩 鈴原研一郎 立風書房

ちんちんだの電動こけしだのなんだの、少しやりすぎた感が否めないので自重します。今日は正統派少女コミックのご紹介ですよ。

星にささげる愛の詩/鈴原研一郎立風書房　レモンコミックス昭和52年１月15日　第１刷発行状態：並/小しみ、ノドワレ 1,575円映画大好きな鈴原先生が、チャップリンの「街の灯」を大胆にリメイクした作品。街の灯も美しい話ですが、鈴原先生の本作も負けず劣らず美しい。泣けます。大きな屋敷の前で自作の歌を披露する、盲目のストリートミュージシャン・エドワード。屋敷にメイドとして遣える身寄りのない少女・シルヴィアは、彼のあまりにも美しい歌にきき惚れ、声をかけます。シルヴィアを屋敷の娘と勘違いするエドワード。違うと言えないシルヴィア。必然のように恋に落ちる二人ですが、色々と現実的な問題が二人の仲を引き裂きます。エドワードを大切にしたいという真心から身を引くシルヴィアは強くならねばと決意をしますが… 共感はしづらいかもしれませんが、真実の愛とは、という問題がちょっぴり大人のテイストで描かれた本作。確かに「街の灯」のリメイクなんですが、まったく違うお話として楽しめました。大人になってからじゃないとわからない、恋の苦さと甘さ、愛だけでは時として現実に負けてしまうということ、しかしやはり愛はとても強いものだということが、きちんとまんがとしての筋を追って描かれており非常におもしろかったです。でも、読んだのが子どものころだったら多分つまんないと感じた気がします。例えば以下のセリフ。「少し見ない間にずいぶん女らしくなったね」という言葉に、シルヴィアはこう答えます。「恋を　失ったからかしら…」これが、この返答が、子どもたちに心から理解できましょうか？できますまい！ …というようなことを書いていて思い出したんですが、実際に子どものころに鈴原先生の「また会う日まで」（ほるぷ平和漫画シリーズ）を読んでよくわかんなかったのを思い出しました。あれもやっぱり大人になった今だと、涙なしには読めません。子どもの頃の心を忘れないのも大切ですが、酸いも甘いも知った大人だからこそわかることもたくさんありますね。というわけで、本当の恋を経験した大人のあなたに読んでいただきたいラブストーリーです。私だって恋に泣くようなセンチな日もありますよ！担当　いわきちなみに他にも鈴原作品取り扱ってますので、是非お問い合わせ下さ～い。

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