ピンキーちゃん/古谷三敏
曙出版 あけぼのコミックス
昭和46年１月30日発行 6,825円
ダメおやじのイメージが強い古谷三敏先生ですが、こんなかわいい作品もありました。
施設が舞台、親をなくしたピンキーちゃん（表紙左）が主人公。…と聞くと暗いお話を想像しますよね。その想像、残念ながら外れます。
ピンキーちゃん、底抜けに明るいです。自分の身の上を全く悩んでいる様子がない。
いろんな個性的な里親に貰われては貰われ先でひと悶着起こし、そしてまた施設に帰ってくる。帰ってきたピンキーちゃんを施設の先生は暖かく迎えます。
施設にはもうひとりヒナコという同じく親の無い子がおり（表紙右側）、このヒナコがたまらなくかわいいです。
乱暴なんですが意外と女の子っぽいやさしい一面があったり、親の形見のスコップを大切に持っていたり。ピンキーちゃんともケンカばかりですが、ほんとはすごく仲良しです。
ヒナコとネコの話は思わずジーンと来ました…他にも、いい話だねえホロリ…な話がちょくちょく入ってて油断できません。
とか思ったら思いっきり人種差別的表現があったり。これは現代では絶対に出版できないですねえ。そちらの意味でも油断できません。
一言で表現すると、「もーなんなのこいつらかわいい！！！！」って感じです。ピンキーちゃんもヒナコもほんとにかわいいです。
表紙のギャグテイストに騙されるなかれ。油断してるとポロッと来ますよ！いやもちろんギャグもしっかり面白いんですけどね。
境遇に負けずに明るく生きればいいことがあるよ、というメッセージを貰ったような感じで、読んだあといい感じにあったかい気持ちになれます。
状態：ワレ補修、少しみ
担当 いわき
札幌店 いわき
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