「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2016年7月22日 第十九回活動報告【白馬岳(しろうまだけ)】

※写真をクリックすると大きくなるよ!


この日は生憎の雨。
登山の時までには晴れていてくれる事を願いながら家を出た。
集合場所にはすでに竹下さんの姿が。
そして私藤川妹、秋山さん、辻中さん、鍋島さんと続く。
少し遅れてから小山さんが静かに登場。
途中で西田さんと合流し、メンバーは7名となった。


【タイムスケジュール】

猿倉荘(1250m)
↓  2.5km
白馬尻小屋(1560m)
↓  3.9km
白馬岳頂上宿舎(2730m)
↓  0.5km
白馬山荘(2832m)
↓  0.4km
白馬岳(2932m)
↓  0.9km
白馬岳頂上宿舎(2730m)
↓  1.9km
白馬尻小屋(1560m)
↓  2.5km
猿倉荘(1250m)
今回の山は長野県の北アルプス・白馬岳という事もあり、移動時間がとても長い。
皆いつもの定位置に座り、そしていつもの歌謡曲(秋山セレクション)を聞きながら私は眠りについた。
ふと目が覚めると丁度一つ目のパーキングエリアに到着。
残念な事にまだ雨が降り続けている。
パーキングエリアにはアウトドアなファッションをした若者達が多くいた。
秋山さんに聞くとFUJI ROCKの前日という事だった。
雨が降ったらFUJI ROCKはどうなるの?と辻中さんの問いに、秋山さん「雨は最高の恋のスパイスになりますからね〜。」と。
おっ、名言!辻中さんはキャッキャ言いながら秋山さんの〈若さ〉に感心していたようだ。
予定よりも1時間押しで猿倉荘の駐車場に到着。
気になっていた天気の方は、雲は多いものの雨は降っておらず一安心。
ここで西田さんが今回の秘密兵器を出す。
今回の秘密兵器とは、そう、トランシーバーである。
山では携帯の電波が不安定な為、今までは先頭グループと後方グループとの状況確認が難しかったのだ。
トランシーバーは、いつも先頭グループにいる竹下さんと、後方グループの見守り隊長小山さんが持つ事となった。


猿倉荘で記念撮影を行い、いざ出発!
実は今回、姉が足の爪を負傷している為不参加となった。
姉は、登山はある程度メンタルで行ける!と言っていたが、やはり不安だった。
姉がいつも登っている方法は、前半はやや飛ばして先頭グループに着いて行き、後半はゆっくり登ると気持ちが楽だという話しをしていたので、今回はその方法で登ってみようと思っていた…。
しかし、その気持は前半であっさりと打ち砕かれてしまう。
そもそも、先頭グループのスピードには全然着いて行けなかったのだ。
1時間ほどゆるい登山道を登って行くと、白馬尻小屋が見えてきた。


少し開けたところまで出ると、そこには一面が雪に覆われた大雪渓が目に飛び込んできた。
所々にクレパスがある為、雪の上の赤い粉を頼りに進んで行く。
ガレ場よりも雪の上は歩きやすく、距離は長かったものの、壮大な光景に感動。
2時間程大雪渓の歩行を楽しんだ。


ここからは一気に白馬岳頂上宿舎を目指す。
しかし、雪の上の歩きやすさから一転し、今度は岩や砂利の多い登山道を進んでいく。
先頭グループは竹下さん、西田さんで、とうの昔に姿は見えなくなっていた。
途中で開けたところに出たので、後方グループで少し休憩を取った。
最後尾の秋山さんが合流した途端、地面に仰向けになり、しんどい、足を擦りむいた、ヘリを呼んでくれなどと冗談混じりの弱音を吐き出した。
皆いつもの事かと笑って見ていたら、その様子を見ていたお姉さん(美人)が秋山さんに、「足大丈夫ですか?」と声を掛けてきてくれた。
秋山さんは満面の笑みで「全然大丈夫です!」と言いながら、いきなり駆け出した。
そして、「自分には女子のパワーが足りなかったー」と失礼な事を言い出す。
おい!!!ここにも女子おるぞ!!!
しばらく進むと、辻中さんが雷鳥を発見。


子どもの雷鳥も一緒にいる。とっても可愛い!
しばらく雷鳥を観察した後、さらに登っていくと、今度は一面が高山植物に覆われたお花畑が広がっていた。
写真では伝わりにくいが、本当にハイジに出てくるような広大なアルプスの風景がそこには広がっていた。






そんな感動も束の間。
高度が上がるにつれ、私の足取りは重くなり、後方グループからも少しずつ離れていく。
そしていつの間にか最後尾へ。
時々、辻中さんや秋山さんが心配そうに後ろを振り返って声を掛けてくれるが、返事する余裕すらも無くなってきた。
無心で歩き続け、やっとの思いで白馬岳山頂宿舎へ到着。


私はあまり体調が優れなかった為、すでに登頂して宿舎へ向かっている先頭グループを待ち、下山する事を決めた。
程なくして、竹下さん、西田さんが白馬岳より下りてきた。
山頂はとても広大で素晴らしい風景だったようで、竹下さんが興奮していた。




西田さんは宿舎のお蕎麦を楽しみにしていたらしく、竹下さんと満面の笑みで小屋に入っていった。
残念な事に食事は15:00までだった。
竹下さんと西田さんは冷た〜いオレンジジュース、私は温かいお茶を頼んだ。
少し休憩し、いよいよ下山開始。
竹下さんはいつものペースでスイスイ下りていく。
西田さんが気を利かせてくれ、竹下さんにゆっくり下りるように伝える。
竹下さんが下りのポイントを丁寧に説明してくれながら進んでくれるが、頭では理解できても、体が言う事を聞かず、踏ん張りが効かない。そして見事に大転倒。
どこに力を入れて立ち上がればいいか分からなくなり、竹下さん、秋山さんの2人に引き上げられるように立ち上がった。
幸い、怪我は無かった。しばらくすると後方組と合流した。
辻中さんが「ブロッケン現象を見た!!!」と大興奮していた。


鍋島さんに写真で見せてもらうと、逆光の鍋島さんの影から虹のような後光がさしており、観音様状態。
何という自然現象!!!
その出来事は一瞬だったようで、20秒後にその場所に来た小山さんはブロッケン現象を見れなかったようだ。
そんな楽しいお話しを聞きながら下山し、無事スタート地点の猿倉荘へ到着。
今回も歩行時間8時間の弾丸登山となりました。
今回登頂する事は出来ませんでしたが、あの素晴らしい景色と素敵な経験を姉と一緒に体験したいと思いました。
いつかプライベートで再挑戦です!
おまけ
帰りのパーキングで食事をしていた時の出来事。


西田さん「何か竹下おかしくない?箸が短くない?」
よく見ると竹下さんだけが子供用の箸を使っていました。疲れていたのですね。

[レポート:藤川(妹)〕

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