さて、今週もバキの親子喧嘩で溜飲を下げるか・・・とチャンピオンを開いたところ。あの独特な泥臭さを恐れないぶっとい線が目に・・・やった! ブラックジャック創作秘話が今週は掲載されています! ずいぶん久しぶりだなあ。
断言します! 今すぐコンビニに行って、チャンピオンを購入してください! 損はしないはずです!
冒頭、明る~い笑顔でこういう御大。
そう、自身のプロダクション、虫プロがアニメの製作と労組との争いの中疲弊し、倒産させてしまった昭和48年。
あらたにマンガに専念するぞと「手塚プロダクション」を立ち上げた手塚先生。マネージャーとして松谷氏を招聘するにあたり、アニメはもうやらないよと公言・・・。
読者離れが進みダメかと思われた手塚先生もBJなどのヒットで復活、不死鳥のごとくよみがえったの、だ、が・・・
会社が軌道に乗ったら、またしても御大はおんなじような笑顔で、高らかにこう宣言するのだった! あけ悩まされたアニメの製作を、どうしてもやめられない。24時間テレビに、新作手塚アニメを特番で一挙放送したいのだという。その誘惑に耐え切れない先生。
手塚先生にとってアニメは本当に夢だったんですね。
しかし、悪夢はここから始まったのだった・・・。
その原因はやっぱり手塚先生でした! 手塚先生が多忙のあまりコンテ書いてくれないので、原画も作れないし下請けにも発注できないし、すべてが滞る・・・荒くれる坂口尚!

電話線をぶっちぎり電話を投げ捨て暴れ狂う坂口尚。「酒が入ってたといわれるが」とあるけれど、現場でも酒飲まないとやってられないほどのストレスだったんでしょうねえ・・・。
下請けからは原画が来ないとギャーギャーいわれ、しかし一向に手塚先生から原稿が降りてこないので、しまいには制作進行が逃亡してしまう! どうすると鳩首会議を開き、それぞれのパートごとに「だれいきますか?」と振ると、そこでは積極的に手塚先生が「これ手塚!」と挙手しまくるではないか!

バイトとして入って日が浅い、今回の語り部である清水氏は「神様が本気で取り組んでくれる!これで安心だ!」と無邪気に喜ぶのですが、現場のスタッフは非常に微妙な表情でみな無言に・・・。そう、これは解決の始まりなんかではなく迷走の始まり、
アニメ地獄の始まりだったのです!! アニメ地獄!!! 素晴らしいフレーズです!
さてあれやるこれやると言い放ったはいいものの、何本もの連載を抱えすぎてる手塚先生が、アニメのために専念なんかできるはずがない! どこにでも口を出して自分で手を入れないと気がすまなくても、時間は無限にあるわけではないのです! 締め切りギリギリなのに!と清水氏のイライラは募るばかり。
しかしようやく手塚先生から仕事が降りてくるようになり、ああ仕事も回りだした・・・。清水氏に思い出を聞くインタビュアーは じゃあそのあとは順調に進んだんですね?と聞くやいなや、清水氏は地獄のカマを覗いてきた後のように絶望のまなざしでこういうのです!

いい顔ですね~!
そう、やっと完成近くにこぎつけて安泰だ~!と現場は地獄からの開放だぜ!って喜んでも、ひとり芸術家の視線でしかみていない先生は、不満だらけでこういいだしたのです。
「リテイク」
ええ~~っ! この期に及んで? もうみんな地獄見てきたんだよ! 時間だってないんだよと現場は言いたいのだが、御大には逆らえない。こうなった手塚先生はもう一歩も引かないのです!
せっかくの完成が何度ものリテイクでどんどん後退していって、俺はどうせアルバイトだ!神様だろうと知ったことかと直訴(怒鳴り込む)したるぜと意気込む清水氏だが、こんな手塚先生の姿を見て何もいえなくなってしまう・・・。

そう、今回はここできたんです、吉本氏の「なんだかみすぼらしくも神々しく見える中年・手塚治虫」スタイル! この画面じゃカッコよく見えないはずなのに、だれよりもハードワークをこなしリテイクといっただけの仕事をきちんとやり遂げ、泥のように眠る手塚先生を見たら何もいえないですってば!
これ以上説明しますと落ちになってしまうので、あとはチャンピオンを買って読んでほしいのですが、手塚先生のエピソードで善い部分だけを強調しない、人間臭くもわがままで孤独で、天才というよりも努力家、そして妙に肉ダルマな手塚先生はこの宮崎克×吉本浩二コンビでしか描けません! いやー今回も最高でした!
そして7月についに単行本になるとのこと! このブログをよんでくれている皆さんならば、絶対に買って損はしないはずです!
正直、このコンビでのほかの仕事も見てみたい! 題材が手塚先生だから面白いのか? いや、それを引き出すこの二人の力量が優れているのか? 両方だと思うのですが、後者のほうが強いのではと僕は考えています。
断言します! 今すぐコンビニに行って、チャンピオンを購入してください! 損はしないはずです!
冒頭、明る~い笑顔でこういう御大。

そう、自身のプロダクション、虫プロがアニメの製作と労組との争いの中疲弊し、倒産させてしまった昭和48年。
あらたにマンガに専念するぞと「手塚プロダクション」を立ち上げた手塚先生。マネージャーとして松谷氏を招聘するにあたり、アニメはもうやらないよと公言・・・。

読者離れが進みダメかと思われた手塚先生もBJなどのヒットで復活、不死鳥のごとくよみがえったの、だ、が・・・

会社が軌道に乗ったら、またしても御大はおんなじような笑顔で、高らかにこう宣言するのだった! あけ悩まされたアニメの製作を、どうしてもやめられない。24時間テレビに、新作手塚アニメを特番で一挙放送したいのだという。その誘惑に耐え切れない先生。
手塚先生にとってアニメは本当に夢だったんですね。
しかし、悪夢はここから始まったのだった・・・。

その原因はやっぱり手塚先生でした! 手塚先生が多忙のあまりコンテ書いてくれないので、原画も作れないし下請けにも発注できないし、すべてが滞る・・・荒くれる坂口尚!

電話線をぶっちぎり電話を投げ捨て暴れ狂う坂口尚。「酒が入ってたといわれるが」とあるけれど、現場でも酒飲まないとやってられないほどのストレスだったんでしょうねえ・・・。
下請けからは原画が来ないとギャーギャーいわれ、しかし一向に手塚先生から原稿が降りてこないので、しまいには制作進行が逃亡してしまう! どうすると鳩首会議を開き、それぞれのパートごとに「だれいきますか?」と振ると、そこでは積極的に手塚先生が「これ手塚!」と挙手しまくるではないか!

バイトとして入って日が浅い、今回の語り部である清水氏は「神様が本気で取り組んでくれる!これで安心だ!」と無邪気に喜ぶのですが、現場のスタッフは非常に微妙な表情でみな無言に・・・。そう、これは解決の始まりなんかではなく迷走の始まり、

アニメ地獄の始まりだったのです!! アニメ地獄!!! 素晴らしいフレーズです!
さてあれやるこれやると言い放ったはいいものの、何本もの連載を抱えすぎてる手塚先生が、アニメのために専念なんかできるはずがない! どこにでも口を出して自分で手を入れないと気がすまなくても、時間は無限にあるわけではないのです! 締め切りギリギリなのに!と清水氏のイライラは募るばかり。
しかしようやく手塚先生から仕事が降りてくるようになり、ああ仕事も回りだした・・・。清水氏に思い出を聞くインタビュアーは じゃあそのあとは順調に進んだんですね?と聞くやいなや、清水氏は地獄のカマを覗いてきた後のように絶望のまなざしでこういうのです!

いい顔ですね~!
そう、やっと完成近くにこぎつけて安泰だ~!と現場は地獄からの開放だぜ!って喜んでも、ひとり芸術家の視線でしかみていない先生は、不満だらけでこういいだしたのです。

「リテイク」
ええ~~っ! この期に及んで? もうみんな地獄見てきたんだよ! 時間だってないんだよと現場は言いたいのだが、御大には逆らえない。こうなった手塚先生はもう一歩も引かないのです!
せっかくの完成が何度ものリテイクでどんどん後退していって、俺はどうせアルバイトだ!神様だろうと知ったことかと直訴(怒鳴り込む)したるぜと意気込む清水氏だが、こんな手塚先生の姿を見て何もいえなくなってしまう・・・。

そう、今回はここできたんです、吉本氏の「なんだかみすぼらしくも神々しく見える中年・手塚治虫」スタイル! この画面じゃカッコよく見えないはずなのに、だれよりもハードワークをこなしリテイクといっただけの仕事をきちんとやり遂げ、泥のように眠る手塚先生を見たら何もいえないですってば!
これ以上説明しますと落ちになってしまうので、あとはチャンピオンを買って読んでほしいのですが、手塚先生のエピソードで善い部分だけを強調しない、人間臭くもわがままで孤独で、天才というよりも努力家、そして妙に肉ダルマな手塚先生はこの宮崎克×吉本浩二コンビでしか描けません! いやー今回も最高でした!
そして7月についに単行本になるとのこと! このブログをよんでくれている皆さんならば、絶対に買って損はしないはずです!
正直、このコンビでのほかの仕事も見てみたい! 題材が手塚先生だから面白いのか? いや、それを引き出すこの二人の力量が優れているのか? 両方だと思うのですが、後者のほうが強いのではと僕は考えています。
中野店 岩井