今日の夜9時からフジテレビで放映の「ミヨリの森」。 公開されている映像を見る限りさすがにフジの一番いい時間帯で特番を打つだけの出来です。 期待するなというのが無理かもしれません。 東京育ちの少女ミヨリが、森の精霊を見たり、森の守り主だった祖母と触れていくうちに、 森に惹かれていくようになる・・・平成版トトロともいえる本作。 主人公ミヨリの、現代っ子で殻を持っていても、芯は強いカンジを、蒼井優が再現できるのでしょうか。楽しみです。 今回は放映記念で、小田ひで次の過去の作品を集めてみました。 ![]() 「拡散」全2巻/講談社 目に見えないもの、こころへの傾倒。 第一作目の「拡散」は90年代当時アフタヌーンを読んでいた、 スレたマンガ読みたちにもザラザラとした違和感を残す、ひどく異質なもの。 強烈なものとして現れました。一読ぐらいでは歯が立たない。何度も何度も繰り返し読むことでやっと、小田ひで次の伝えたいことが分かってきます。 意識が拡散してしまい、つなぎとめられなくなってしまい、実体がなくなり意識だけの存在になってしまったカッちゃんと、カッちゃんの心の旅路。 そしてカッちゃんを待つ幼馴染・あざみ。導入部である1巻はまだしも2巻は抽象的で難解。 やはり何度も繰り返し執拗に読むことが前提で作られている物語です。 2巻は1巻の発売からかなり後になってから発行されたため、2巻の出現頻度はやや低め。 ![]() 「クーの世界」全2巻/講談社 今回のテーマは夢。心象風景の世界です。ジャンル分けすればファンタジーということになるのかもしれませんが、 一筋縄ではいかない歯ごたえは変わりません。 クーの世界の「つづき夢」で出てきた変わった生き物たちが、ミヨリの森の精霊の原型でしょうか。 イジメに会っていた少女と、クーの世界をともに歩き気持ちがつながるまでの旅路。2巻の感動はなかなか忘れられません。 なお前作では細かな線を重ねてつむぐ写実調の絵だったのが、すこし柔らかで緻密で親しみやすい絵になっています。1巻日焼けあり。 ![]() 「クーの世界」の続編で、主人公れねいのその後。夢と現実の境目がなくなっていく有様と、 人の心の醜さも描かれて、希望に向かって歩いているクーの世界からはやや内向きに。 日本のマンガにしてはあまりない左開き製本です。飛鳥新社から出たこともあり、これもあまり入ってこないですね。 ![]() ちなみに五十嵐氏は岩手在住、小田氏は岩手生まれ。また「とりぱん」のとりのなん子さんも岩手在住。 いずれも森や山に畏敬の念を払っていることが作風からも伺える皆さんです。 こういうことを知ると、秋口にでも岩手に旅したくなってきますね。
(担当 岩井)
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