神仙道において霊符といふものは非常に重要なものであり、その真伝を捜し求めて千金を費やしたといふ話は昔から沢山あります。 本書はその霊符のなかでも霊験最強、最大といはれる「五嶽真形図」についての複数の論考を一冊にしたものです。 神仙道も他の多くの秘教と同じく「秘伝」といふものを非常に重視します。 ゆゑに霊符のほんたうの描き方は昔から重秘とされ、その後、複数の訛伝や偽伝が伝はるやうになり、相応の霊眼と道縁、幽契がなければその真贋を見極めることは難しくなってしまひました。 本書は数ある道書や研究書からとくに信頼できるものを古神道家の大宮司朗氏が厳選し、古くは震胆の『雲笈七籤』から平田篤胤、参澤宗哲までの非常に貴重な「五嶽真形図」論をまとめて掲載したものであります。 本文はほとんど漢文か変体がな混じり文、新しくても戦前の旧漢字旧仮名遣ひで、訳文もありませぬゆゑ、簡単に読めるものではありません(本書を探してゐるやうな人にはそのくらゐ当然のことでありませうが)。 そのかはりに巻末に大宮司朗氏による解説がついてをり非常に助かります。 本書はさう簡単に入荷するものではございません。 仙縁者各位に於かれましては、ゆめゆめこの機会をお見逃しなきやう、御願ひ申上候。
(担当 山口ケン)
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