まんだらけ中野店 4F 大予言アリャマタコリャマタ先生によるオカルト事典

『世界神秘学事典』荒俣宏編 1982年平河出版社刊 \3675（カバーイタミ・小口ヤケにつき特価）

神秘学とはオカルティズムのことですから本書はさしづめ「世界オカルト思想大事典」ともいふべきものでせう。
洋の東西を問はず名のあるオカルティズムをほとんど網羅した堂々の5百頁超＋著者別参考文献一覧・索引付き。
時代別地域別になってゐる項目の表題を幾つか拾ってみませう。
「アドニス秘儀」「密儀集団としてのピュタゴラス学派」「エレア学派」「ミトラ密儀」「新プラトン主義とグノーシス主義」「預言者ヨアキムの意味」「聖堂騎士団」「子供十字軍」「カタリ派」「アルビ派」「ボゴミル派」「イスラムの秘儀」「イスマーイール派」「ネストリオス派キリスト教」「カバラ」「ゾハール」「ゲマトリアと数理神秘学」「宗教改革左派」「異端急進派列伝」「暗号学左派」「フランス百科全書派」「金枝篇」「フリーメーソン」「イルミナティ」「バルザック」「マラルメ」「スラブ神秘主義」「神智学」「暁の星」「クローリー」「イスラエル・リガルディー」「黄金の夜明け団」「東方聖堂騎士団」「人智学」「グルジェフ」「ナチス神秘主義」…・・・知らんのばっかり、西洋オカルトはどうも苦手ですな。

そんでこれだけだったらともかく、本書の凄いところは更に印度、中国、日本に於けるオカルティズムについてもかなりの文量を割いてゐるといふことであります（中国が少々手薄のやうですが）。

「ヴェーダとウパニシャッド」「華厳と数論」「六師外道」「インド的スコラ学の展開」「中観―仏教の神秘主義はここから生まれた」「唯識」「如来蔵思想」「理趣経」「中国錬金術―仙人の世界」「タオ」「日本神秘主義」「神代文字」「中今（ナカイマ）」「立川流」「空海の言語哲学」「元本宗源」「古道」「仙境異聞」「偽史」「鈴木重胤」「出口王仁三郎」「鞍馬山魔王尊」「近代言霊学」「本田霊学」「桜沢如一」等々。

オカルティズム探求者はもちろん、哲学、芸術、宗教問はず求道者には非常に有益でせう。
すぐに売れてしまふ本ですのでお探しの方はお早めに。

(担当山口ケン)