著者の紫龍仙道人といふ人は謫仙(ゆゑあって人間界に放逐された神仙)または使命仙(神命を帯びて人間界に敢へて下りてきた神仙)であったと云はれてをり、もともとは神道天行居にゐたやうですが、どういふ理由かそこを離れて独自の主張をした神仙道士であります。
宮地神仙道と太古神法とを修得してゐたとのことですが、その言説のなかで特に特徴的な部分は、浮遊霊とか無縁仏のやうな浮かばれない不幸な霊に対する救済を強調してゐたことでせう。
他の神仙道家にはあまりさういふ主張はみられませんが、その点に於いて紫龍仙道人は突出してゐたと云へるでせう。
晩年は救ひを求めた無縁霊がすがってきたせゐでかなり肉体的にはボロボロになったと云ふことです。
どちらかと云へば自分の修行を優先する小乗的な雰囲気の強い神仙道界に於いて、紫龍仙道人はかなり大乗的だったと云ふのは浅薄過ぎませうか(小乗・大乗の優劣をいふのではない)。
本書はその紫龍仙による数少ない著作で昭和44年の頒布品の覆刻です。
山雅房刊。絶版ではありませんが、何処にでもある書ではありません。
もう一冊はその紫龍仙道人の直弟子であり、こちらで何度か紹介させて頂いてる勅使河原大鳳氏の著作です。
日本の神仙道のなかで最も正統とされる神集嶽系の神仙道について、分かりやすく詳細に書かれてゐるといふ意味ではこの『幽真界研究』が一番ではないでせうか。
人間界に最初に神集嶽神界の存在を知らしめた宮地水位師仙の著書で、神仙道の基本書にしてかつ堂奥である秘典『異境備忘録』につき、現代の常識を踏まへて解説してあるので非常に理解しやすいと思ひます。
しかし同時に現代の科学的常識で解釈するといふことは往々にして本質を見失ふ危険性があり、信念がアイマイなうちは要注意です。
つまりは「なんだそんなものか」と軽々に看過する怖れがあるといふことです。
現界でないものを現界の常識のみで論理的に判断しようとすることは、写真に写されたものや、絵に描かれたものを本物と思ってしまふのと同様の錯誤です。
わかりきったことですがよくある落とし穴でせう。
ゆめゆめ画餅に倒錯することなきやう。
前掲書と同じく山雅房刊で、かつ絶版ではありませんが貴重な書籍です。
「幽真界概略図」付き。
『にっぽん宇宙人白書』 \5250
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(担当 山口ケン)
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