まんだらけ小倉店 1F 少年コミック少年マンガ・忍者マンガだからこその栄光と苦悩

週刊少年ジャンプを愛読されている方ならご存知だと思いますが、今年2009年は「ナルト」の年、ということで、連載10周年を控えたナルトを1年間に渡ってプッシュし続けるという、まさに破格の待遇でした（正確にはまだ終わっていませんが）。
ナルトももうすぐ単行本が50巻を突破します。ジャンプに限っていえば「こち亀」「ワンピース」に続く快挙です。おそらくこれに「ブリーチ」が続くものと思われます。

しかし、少年向けマンガである、読んでいるほうがもう少年でないのが悪い、という要素をさっぴいでも、現在のナルトがスムーズに話を「まとめにかかっている」ようには見えません。気のせいかも知れませんが、終わらせ方に苦労しているようにすら見えます。

ストーリーマンガとしてのナルトの一つのピークが、25巻～26巻のナルトVSサスケの戦いだったことは間違い有りません。ライバルでもあり、親友でもあった二人が雌雄を決するシーンは、間違いなく正しい「少年マンガ」「ジャンプマンガ」であり、ここでもし終わったとしてもさほどおかしくないほどの盛り上がりでした。

しかし、この戦いの決着は付かず、後に物語は二部に移行します。
乱暴に言えば、二部以降のナルト（＝岸本先生）はあの戦いを超えるクライマックスを探して話を続けているといっていいかもしれません。

そもそもなぜ26巻で決着を付けることが出来なかったのか。引き伸ばしとか大人の事情とかもちろんあるのでしょうが、まずナルトは少年マンガであると同時に「忍者マンガ」でもあったのです。これがスポーツマンガや格闘マンガ、あるいはバトルマンガであったとしても、決着をつけた後も話を続けることは可能です。
しかしナルトたちは忍者であり、その互いの決着とはすなわち殺し合いです（少なくとも作中世界では）。
つまり、ナルトとサスケの戦いの趨勢とは、どちらかの消滅を意味していました。
しかしながら、このマンガは「忍者マンガ」であると同時に「少年マンガ」でもありました。しかも掲載誌は貸本劇画でも全共闘時代のガロでもない、努力友情勝利の週刊少年ジャンプです。

だからこそ、二人はそれぞれ生き続け、物語も続くことになりました。少年マンガとして、忍者マンガとして終わらせるため、ナルトの長い旅はまだ続くようです。

長くなりましたが、そんな「ナルト」の最新48巻までのセット、今の内に全話見てナルト10周年に間に合うようにどうでしょうか？

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(担当有冨)