作者は「神さまのつくりかた」で有名な高田慎一郎先生。
Bbmfコミックという携帯コミックの単行本から出版されています。
まだ新しいレーベルなので知らない人も多いかと思います。
内容は先生お得意の神話をモチーフとした伝記アクションです。
先生の作品ではシリアスと牧歌的でお馬鹿なギャグが同居している作品が多かったのですが、今回はスペインのピサロによるインカ帝国侵略をモチーフとした完全シリアス作品で読み応えがあります。
もちろん先生の作品でかならず登場する空飛ぶ女の子ももちろん登場しており、火器や重武装をもつ侵略者に対して主人公の飛行能力をもつ部隊「ワランカ・アルパ」のハードな戦闘シーンが楽しめます。
変わった中世戦記ものとして分類できるという点では先生が「ククルカン 史上最大の作戦」などに似ています。
また、先生の持ち味である繊細な筆で描かれるインカ文明をアレンジした衣装や世界観も注目したいところ。
特に凝ってデザインされた主人公たちの戦衣装「アワクントゥル」も作品の雰囲気に一役買っています。
インカなどの南アメリカ系神話は魅力的な題材ながら、なかなかメインにしずらいテーマですので、この作品を機にメキシコ神話にどっぷり漬かってみるのも面白いかもしれません。
名言はされてませんが、この作品は少し前までWEB公開されていた漫画企画「ヒーロークロスライン(HXL)」とのクロスオーバーがなされています。
講談社から発刊されている広石匡司先生の「シンソウガクシャ」に登場したキャラクターのナユタも登場しており作品でも重要なポジションについています。
こういったクロスオーバーは作品の重要な位置を占めるキャラや要素に関わったりすることは少ないのですが、この作品ではきちんと意味のある登場をしており、クロスオーバーへの強い意志を感じられます。
「HXL」は漫画家自身が自分たちの世界を共有させるというアメリカンコミックの作品観を採用した実験的な企画であり、今でも「死が二人を分かつまで」と「JESUS」の出版社、作者を超えたコラボレーションなど、意欲的で様々な企画がなされています。
日本では、漫画の企画を漫画家の方たちが自分で発足し運営する、ということは多くなくそういった意味でも非常に意欲的で面白い企画であると思います。
高田先生は「HXL」の方でも「青の橘花」という作品を描いており、「HXL」の重要な位置を占めているので要チェックです。
もちろん、「HXL」の世界観を知らなくても作品を十分に楽しめますし、知っていれば、またこの作品を機に知ればより楽しめることは言うまでもありません。
7月16日に2巻も発売ということで、先生のファンの方だけでなく深い世界観を楽しみたい方、純粋にかわいい女の子のアクションを見たい人にもおすすめの作品です。
(担当 黒田)
ご注意点
掲載の情報が販売情報の場合
- 掲載商品についてのお問い合わせは(指定がある場合は上記コメント内に記しておりますのでご確認ください)開店30分後からの受付となっております。各店の開店時間は、店舗情報にてご確認ください。
- 掲載の商品は店頭でも販売するため売り切れる場合がございます。
- 商品の探求は、専用の探求フォームをご利用ください。
掲載の情報が買取情報の場合
- 掲載の買取価格は商品状態、在庫によって予告なく変動します。