ゲーム刀剣乱舞オンラインの世界に於いて、『初期刀』という公式の用語は存在しない。
では初期刀とは何か?
刀剣乱舞では、プレイヤーごとに別個の本丸が存在し、それぞれに審神者なるものが刀剣男士を人の形として顕現し、歴史修正を目論む時間遡行軍と戦わせる、というのが基本的な世界観となっている。
審神者なるものは物の心を目覚めさせ、戦る力を与えるもの、と定義されている。 審神者は本丸で鍛刀された刀、または戦場でドロップした刀を刀剣男士として顕現させることができるわけだ。
そんな審神者が本丸にて一番最初に行う儀式が「はじまりの刀を一振り選ぶこと」である。 この刀は審神者が鍛刀したわけでも、戦場で手に入れたわけでもなく、時の政府より選択を提示され、審神者自らが選び取ったものであるため、「はじまりの刀」と称される。 この一番最初に選ばれた刀は誰からともなく審神者によって『初期刀』と呼ばれるようになった。
つまり『初期刀』という名称は審神者によって名付けられた言葉なのである。
これは『ものがたり』重要な価値を持つ刀剣乱舞の世界の中においては大きな意味を持つ。『審神者が選び、初期刀と呼ぶようになった』これがすでに彼らにまつわるひとつの『ものがたり』になるからだ。
初期刀として選択できる刀は五振り。 いずれも打刀であり、それぞれに元の持ち主であったり、刀そのものの逸話によって知る人ぞ知る名刀である。 初期刀を選び取った審神者は、その一振りを出陣させ、初陣の場で戦いを知り、刀剣男士が傷つく痛みを知り、審神者としての第一歩を踏み出すのである。
初期刀は審神者にとって従えるべきものであると同時に審神者を一番初めから見守ってくれている親のような存在たり得る。
そんなはじまりの五振りを中心に、様々な「と或る本丸」の物語が生まれ、広がり、刀剣乱舞のファンフィクションの世界は無限の広がりを見せるようになった。
電脳空間ありある内「刀剣乱舞のお店」では開店を記念して一番最初の特集としてこの初期刀にまつわる『ものがたり』を多数集めた。
戦場を駆け巡り戦う刀、本丸で日々の暮らしを営む刀、そしてあるいは恋をする刀。
刀剣男士と刀剣男士、または刀剣男士と審神者、または審神者以外の人の子。
時に甘く、時に切ないものがたりの数々をご堪能いただきたい。
店舗中央、正面では担当がおすすめする一冊を展示させていただいた。
サークルメメント、刀剣男士と人の子の切ない恋を描いた短編集「はなむけ」
繊細で胸を締め付けられる『ものがたり』。 初期刀が見つめた人の子。審神者が見つめた刀。おもいのたけを読み終えた後、スリーブを見返して見てほしい。 漫画だけではなく、表紙、装丁、そっと隠された仕掛けの全てに『ものがたり』がある。
電脳空間ありある常設店舗「刀剣乱舞のお店」は2022年1月1日12時オープン
(担当:小幡)
福岡店 小幡