![]() ![]() エナメル・ヴァーグレン著 新井崇嗣訳 2006年 シンコーミュージックエンタテイメント刊 ¥2100 (定価2600円+税) 世に云ふ「ユースカルチャー」といふものは全てイギリスから発生して全世界に伝播してをります。 古くは1950年代のテッズ、60年代のモッズ、ロッカーズ、スキンズ、70年代のパンクスに至るまですべてロンドンのストリートから発生し、流行とは無関係に世界中にさういふ「人種」が現役で棲息してゐます。 「ユースカルチャー」とは一般に「トライブ」などと呼ばれるのと同じもので、単なるファンションを云ふのではなく、それぞれの哲学や価値観までも包含したライフスタイルのことであります。 ゆゑに格好だけ真似れば良いといふものではないやうです。 我が国にもそれほどのタイムラグを経ずしてそれぞれの「トライブ」が伝はり、相応の厚みのあるシーンを形成してをります。 「モッズ」シーンも既に20年以上の歴史を有し、モッズメーデーなども開催されかなり盛んなやうです。 モッズと云へば襟の詰まったオーダーのスーツにM−51と呼ばれる軍用パーカーを羽織ってべスパやランブレッタにまたがって街頭を走り抜けるといふ映画「さらば青春の光」の印象が強いでせう。 さうすると、やっぱり仇役の「ロッカーズ」にも登場して頂かないと盛り上がらないといふことなのか、日本に於けるモッズメーデーでもときにトライアンフやBSAに乗ってルイスレザーのジャケットで武装した「ロッカーズ」が殴り込みに来て「モッズ」の愛して止まぬスクーターを破砕したなんてハナシをかつて聞きましたが、映画のなかでやられっぱなしだった恨みを現実で晴らしたのでせうな。 これぞ「江戸の仇を長崎で討つ」否、「映画の恨みを現実で晴らす」ってヤツでせう……なんてハナシは良いとして今回ご案内する『ネオ・モッズ・シーン』です。 モッズの写真集は有名なリチャード・バーンズの『MODS!』を始め複数出版されてをりますが、本書は所謂「ネオ・モッズ」といふことで、オリヂナルのモッズとは違ふリワ゛イワ゛ルのモッズについての書籍です。 ファッション的に云ふならオリヂナルよりもカヂュアルに、スキンズやルーディーズと云った他のトライブとも似通った感じになり単なる60年代ファッションだけでなくどこか80年代のテイストも感じられる雰囲気に溢れてをります。 コアなモッドに云はせれば「ネオ」は浅いのかも知れませんが、門外漢からすると単純に格好宜しいやうに感じられます。 イギリスのストリートファッション好きであれば必見でござませう。
(担当 川越)
|
ご注意点
掲載の情報が販売情報の場合
- 掲載商品についてのお問い合わせは(指定がある場合は上記コメント内に記しておりますのでご確認ください)開店30分後からの受付となっております。各店の開店時間は、店舗情報にてご確認ください。
- 掲載の商品は店頭でも販売するため売り切れる場合がございます。
- 商品の探求は、専用の探求フォームをご利用ください。
掲載の情報が買取情報の場合
- 掲載の買取価格は商品状態、在庫によって予告なく変動します。