最近「原節子の真実」という本を読んだのですが、原節子さんは戦意高揚映画に熱意を入れて出演していた確かな事実に驚きました。当時を生きた人には当たり前の姿勢だったのでしょう。
社会派映画の名匠山本薩夫監督も作品を残していますし。
夏なのでDVD担当としては戦争映画をおすすめ!なのですがちょっと斜めに、
戦時下に作られた戦意高揚映画をたくさん揃えているので、改めて紹介します。
戦争映画に特撮は切っても切り離せません。漫画になりますが、水木しげるさんの圧倒的な画力のスペクタクルも氏の作品の魅力の1つと私は感じます(もちろん水木しげるさんが最も言いたいのは反戦)。
当時のヒット作のベストは「ハワイ・マレー沖海戦」円谷英二の特撮!怪獣映画やウルトラマンへと通じる習作としても観れます。
「ハワイ・マレー沖海戦」の監督は黒澤明の師匠の山本嘉次郎監督です。この方は蔵原惟繕監督の業界入りに深く関わっています。蔵原さんは神代辰巳監督と同期で仲良しだったり、「八月の濡れた砂」の藤田敏八監督は直系の弟子筋で世話したりなどなど、こじ付けですが歴史のルーツとエポックをたどると名前の挙がる山嘉次監督です。
戦意高揚映画を気になったきっかけは、ただただもう「あの人がこの作品に」というスキャンダラス精神と
ウンチクをぶっこみたい心のみであることを懺悔します。
懺悔ついでに最後に関連作を整理しました。
原節子出演作・・「決戦の大空へ」「上海陸戦隊」
山本薩夫監督作・・「翼の凱歌」
八住利雄脚本作・・「決戦の大空へ」
八木保太郎脚本作・・「燃ゆる大空」
名人たちの意外な作品として、資料として、ぜひ!
コンプレックス南