4F アニメばかり見てちゃわからない 「ルパン三世第1作DVD−BOX」の魅力

そもそも第1話からして「栄光のル・マン」「グランプリ」。
続く第2話はフィルムノワールの旗手大和屋竺による不条理劇。
更に第3話はテレンス・ヤング活劇とゴダール風ヒロインの融合という通好みの掟破り。

こんな物を日曜夜7時半に放送して視聴率が取れる訳が無い!
かくして半年と言う期間すら全うする事無く、僅か23話で打切りとなった「ルパン三世」第1作。
その後の再評価と国民的番組への変貌の過程は今更説明不要でしょう。
やたら「カリオストロ&宮崎物」ばかりが評価されるルパンですが、「アニメらしいアニメ」に変わった中盤以降より当時の世間一般の流行・風俗・映像作品としての流れを色濃く反映している最初期こそが「本来のルパン三世」と考えているファンは多いのではないでしょうか。
ピンポイントで、だからこそ効果的に響くBGM、全体に漂う退廃的な倦怠感。
そこには「学生運動、ベトナム反戦、高度経済成長」等を経て辿り着いた当時の空気が溢れています。
ちなみに今回、「LD−BOX」では無惨に消されていた「放送禁止用語」の数々も無事原盤まま収録されています。
今だ論争が収まらない「第16話オープニング」も音声のみながらオリジナルを収録。
ブックレットの大隅正秋氏のインタビューも読み応え充分！
コアなファンになればなるほど充実振りに驚嘆する、嘘偽りの無い「本物の保存版」です。

・「ルパン三世・第1作・DVD−BOX」￥33,600-

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（担当 佐光）