同人誌自体は買ったこともなく、漫画もアニメもあまり読まない・見ないので「知識ゼロでも」というところに惹かれて受講しました。
まずは同人誌とはどういうものを指すか、いつ頃からあるものなのか、一次創作・二次創作とは、といった基本的な部分からスタート。
続いて、まんだらけの女性同人における販売価格の決め方についての説明。
ベースとなる価格設定がありますが、あくまでもこれはベースでありそれに必ずしも従う必要はなく、むしろそこから外れた価格(ベース価格よりも高い価格)を見つけるべし!という先生に言葉に皆が頷いていました。
確かに同人誌は1つの作品につき作家も本の数も無数にあり、大体同じくらいの価格帯になることも多いようなのでベース価格を決めることも必要ですが、その中でも特に良い作品・作家も必ず存在します。
それを探す努力もせずベース価格でのみ販売するのはまんだらけっぽくない、それを見つけて評価する・評価できるのがまんだらけっぽいという生徒の声も。
しかし、その無数にある同人誌の中から「特に良いもの」を見つけるにはどうしたらいいのか。
漫画は絵柄の好みで評価が分かれ個人差が出やすいため、今回の授業では小説に焦点をあてます。
しかし、小説のほうこそちゃんと中身を読んでみないと分からないのでは?
そんな疑問が出たところで、いよいよ本題です。
先生いわく、良い同人誌(小説)には装丁などに共通点や法則性があります。
- 装丁がおしゃれで凝っている(写真を使っていたり、箔押しだったり、サイズにこだわっていたりetc)
- 濡れ場で擬音語や三点リーダ(...)の使用頻度が少ない
- フォントや構成が読みやすい
実際にベース価格よりも高い価格の小説本が用意されていたので生徒各人で見ていたところ、いずれも上記の特徴に当てはまるものばかりでした。
ここで重要なのが、判断材料に「その作品の知識が必要ない」というところです。
先生も昔は自分が好きなジャンル以外の値付がかなり苦手だったけれど、上記のような法則性を見つけてからは自分があまり詳しくない作品の同人誌でも値付ができるようになり、今では得意ジャンルもかなり増えたそうです。
しかし、中には上記の法則に当てはまらないものもあり、そういうときに頼りになるのがそのジャンルに詳しいスタッフの知識とのことでした。
無数にある同人誌の中から良いものを見つけて評価していくには、今回の授業のような技術的なものも必要ですが、それだけでは太刀打ちできないこともあるため知識も必要ということが分かります。
まんだらけの場合、技術力があるスタッフ、知識力(オタク力とでも言うべきか)があるスタッフ、両方が揃っているところ、そしてそれぞれが自分の持っている力を磨く努力を続けているところがまんだらけの強みなのだと改めて感じた授業でした。