今夜の講師はグランドカオスの小山店長。
生徒役として臨席されていた今入さんも含め、普段はアニメ原画の買取などを担当している方です。
我々アニメオタクは日常的にアニメを鑑賞していますが、どういったアニメを好んで観ているのでしょうか。
自分が好ましいと思って視聴を決定したアニメは、本当に自分が望んでいるアニメなのでしょうか。
今回の講義では、各々のアニメ体験の原初に立ち返ることで深層心理を引き出し、求めている作品の傾向を明らかにしようという試みがなされました。
一般的で普遍的な、誰にでも進められる名作探しといったものは、今回の目的ではありません。
あくまでも個人の、千差万別の心理を有する個々人が求めているアニメを探求することが目的となります。
以下にその方法論を略述します。
まず、アニメ体験の原初に戻るために、自分をアニメ視聴に引き込んだ作品を思い出します。
タイトルだけでなく、ジャンルや内容、放送スタイルなど、そのアニメを構成する要素を詳細に思い出すのが好ましいでしょう。
次に、何が自分に響いたのかを分析します。
ここまでに記したやり方ですと、良くある「その人が好きなアニメから別のアニメを勧める」話で終わってしまいそうですが、この方法論では特に分析に重きをおいています。
並みの分析で終わらずに、とことんまで自分自身と向き合ってみてください。それこそ深層心理が見えてくるまで。
ここから先は人それぞれになりますが、幼少期のトラウマや、日々の生活への不満、口外できないような強い願望や性欲などに到達する方もいるでしょう。
もはやアニメを介したカウンセリングめいた話になっていますが、ある対象が好きになり、好きになればこそ経験も知識も深まる、しかし深みにはまることで自らの初期衝動を見失ってしまうのも良くある話です。
アニメと個人の関わりをテーマとした講義を受けに来たつもりが、普遍的な自己の問題にまで繋がったのは意外でしたが、今回の講義のように、好きなアニメを通じて自分自身を客観的に見つめなおしてみるのも有意義なのではないでしょうか。
山谷