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4/26(水) 1966年ウルトラマンノートについて

今回のテーマはノート類でした。初期からの主なノートとそれぞれの絵柄について、さらに、ノートというものの持つ情報性や特色について解説していただき、ノートの全体像に及ぶ授業でした。まずはその内容を概説します。



ノートには、一般発売の品と企業の販促用との二種がある。サイズもA5版とB5版の二種に分かれており、A5は基本的に10円、B5は20~30円であったため、値段的にもA5ノートの購買数が多く、流通では圧倒的にB5版をしのいでいる。またその他、レア物としてスケッチブックの存在もあげられる。

絵柄は、主にヒーロー物、怪獣物からとられている。古くはナショナルキッド、七色仮面、アラーの使者などに始まり、ウルトラマンやその怪獣などが主なものであった。極東ノートはウルトラQ、昭和/ショウワノートはウルトラマン、セイカはウルトラセブン、赤松紙工はゴジラや東宝系、といった区別があるが、当時の版権意識の薄さから、さまざまな会社がいわゆるパチモノを発売した。

絵は、小松崎茂、梶田達二、前村教綱といった画家が担当。それぞれ迫力ある場面をえがき、当時の子供たちにとってこれらのノートが、手元に置くことのできる映画スクリーンのような役割を果たしていたことがうかがえる。

ちなみに、ノートのオモテ表紙や裏表紙の見返しには線画が描かれた。表紙絵とは別の手によるもので、当初は表紙とまったく別の図柄であったが、徐々に表紙絵の使い回しが多くなる。ノートの重要部分であり、ページ部分よりここに書き込みがないかどうかが、買い取りの値を大きく左右する。



絵の特質として見過ごせないのは、作品自体からはあり得ない展開が登場することだろう。たとえば或るノートにはウルトラマンとハヤタ隊員が同時に描き込まれているが、ハヤタが変身してウルトラマンとなるため、これは設定上あり得ない組み合わせである。また別のノートでは、怪獣マグラーがウルトラマンとがっぷり四つに組んでいる。本編のマグラーはウルトラマンと戦わないため、これもありえない。ただ両者の戦いはスチール写真には収められており、ノート絵はそれを反映しているともとれる。

こうした虚構性は紙物の魅力を構成する要素として、特徴的なものであろう。挿絵画家を投入して描かせた「カッコいい絵」は、そのシーンの前後や無数のバリエーションを想起させる。また、見返し部分に書かれた説明書きの文章も重要である。

絵や文章のみならずノートに貼られた版権証紙もまた、解読の対象となる。たとえば円谷は、「ウルトラQ」を第3クールで終了、直後に「ウルトラマン」をスタートさせたが、このウルトラマンのノートにウルトラQの版権証紙が貼られているという点は、「マン」が「Q」の第4クールとして構想されたことをうかがわせる。



紙物は、状態その他で、非常にシビアな値づけを余儀なくされる分野だと伺いました。しかし海外では、ベーブルースのメンコに何億の値がつくなどその価値は大きく、逆に言えば、おもちゃが何千万円止まりなのに対し、何億に達するのは紙のほうなのだそうです。

購買層の高齢化などで、このジャンルへの関心の持ち方もこの十年を境に変化するだろうとのことです。今、そのお話を思い出しながら、何か遠い物思いにふけるような不思議な感慨を覚えます。時代は移り変わり、懐かしさの質も変わってゆく。十年先を想像しながら、紙物のささやかさとその裏返しの魔力にふと引き込まれる思いがします。今回も貴重な講義を有難うございました。


アルバイト 池田


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