今回のテーマはレコード、とりわけ映画の劇伴でした。誰しもどこかで耳にした事のある有名曲から詳細不明の珍品レコードまで、中津さん所蔵のレコードを聴きながら歓談をしました。
十数枚のレコードから1曲ずつ流して、中津さんの解説を伺いながら感想を言い合いました。たとえば「男と女」(1966年 仏)の主題歌から非英語話者のためのジャズとしてのスキャットについてお話を伺い、それとは異なるスタイルのスキャットも聴いてみて理解をふかめたり、「バットマン」(1989年 米)や「009シリーズ」の主題歌など有名な部分以外は聞いたことが無いような曲を改めてフルサイズで聴きました。
中には、どういう映画なのかよくわからない(!)サウンドトラック、文化の背景が日本人には分かりにくい中東欧の国々の音楽などの珍品レコードもあり、時に情景を思い浮かべながら、時に驚きをもって聴き入る一幕もありました。折しも映画作成に造詣の深い参加者が複数いたので、音楽・文化の様々な面からお話を伺えて非常に興味深かったです。
参加者はレコードを普段聴かない・聴いたことが無いという過半数で、レコードというメディアそのものの良さも思い知らされました。長時間聞いていても疲れる事が無い、デジタル音源とは異なる音の「丸さ」「優しさ」に親しむ良い機会になりました。
私はこれまで映画の劇伴は映像の添え物のように思っていた節があったのですが、これを好機に映画音楽にも目を向けてみたいと思った次第です。
栗波