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2/23(日) 第2回ポケモン剣盾交換&交流会 図鑑コンプ・色違い・6Vを求めて

ソドムの扉がノックされる。
ある者はコンコン、と静かに丁寧に。
またある者はコココココンッ!と元気に連打する。
矢内(やない)さんが講師を務める「ポケットモンスター ソードシールド交流会」は、普段あまり接点が無い同士の生徒達も集め幕を開けた。

ゲームを趣味としない人でもそのタイトルを耳にし、日本という国はよく知らないがPokemonは知っているという人もいるほどのビッグタイトルであるポケモン。
分類としては「ロールプレイングゲーム」になるのだが、私はこのRPGというジャンルが苦手である。有名な他タイトルをプレイしてみてもすぐに飽きてしまうのだ。
しかしながらそんな私でもポケモンシリーズだけは、1996年に1作目が発売されてからこんにちまで飽きずにプレイし続けている。
その理由が、今回の授業のコンセプトに繋がると言えよう。

矢内さんが自身のNintendoSwitchの画面をモニターに映し、持っているポケモンを披露していく。そして黒い体に赤い翼を持つリザードンを誇らしげに見せる。
リザードンは通常はオレンジの体に青緑色の翼である。だがポケモンは極々稀に色違いの個体が出現する事がある。そしてその色違いのポケモンを意図的に手に入れようとすると、膨大な労力と時間がかかる。
彼がかっこいいリザードンを手に入れるまでの道のりは険しかった。
まず色違いが生まれやすくなるアイテムを得るべく、それ自体が至難の業であるポケモン図鑑コンプリートを済ませる。
ゲームをネットに接続して海外の人とポケモン交換をし、外国籍のヒトカゲ(進化するとリザードンになるポケモン)を手に入れる。これもまた色違いが生まれる確率を上げる為の手順だ。
「ほのおのからだ」という特性を持ったポケモンを手持ちの先頭に配置する。これは次から始まる途方もない作業の効率アップの為である。
そしていよいよ、メタモンというポケモンと前述のヒトカゲとのタマゴを大量に生ませては孵化させる作業に入る。
これで色違いのヒトカゲが生まれるまで、預かり屋からタマゴを受け取り孵化するまでウロウロするという作業を延々と繰り返したのだ。
タマゴを割った数はじつに600個以上。気が遠くなるような話を聞いて開いた口が塞がらない生徒達。
コツコツと努力を積み重ねて欲しいものを勝ち得る。
これが彼のプレイスタイルである。

ポケモンというゲームは、全てのポケモンに出会わなくとも、即ちポケモン図鑑を完成させなくともストーリークリアは出来る。図鑑はあくまで収集欲をそそるやり込み要素である。今作ではポケモンの進化条件が多様性に溢れ過ぎていてコンプリートの難易度はなかなか高い。
そんな図鑑コンプをかなり早期に達成していた生徒が、新城(あらしろ)さんである。
そして驚くことに、ポケモンごとに異なる出現環境や進化条件、有利な特性など、何を聞いても明確に答えが返って来るのである。
ポケモンのあらゆる情報を記憶している生きた百科事典のようだと目を丸くしている私をよそに、永沼さんとポケモンバトルにおいての立ち回りについて難解な会話に花を咲かせていた。
知識を蓄え戦闘の強さを追求する。
それが彼のプレイスタイルである。

徹底的に追求し極める男性陣に対し、女性陣はというと少し毛色が異なる。

愛らしい福岡訛りでふわふわと喋りながら、木の実を集めたり「ポケじゃらし」でポケモンと戯れたりしている藤川さん。
きちんとした標準語でてきぱきと仕事をこなす彼女しか見たことがなかった私には、その無邪気にゲームを楽しむ姿はとても新鮮であり親しみがわいた。
彼女がキャラメイクした主人公は実際の彼女のようなカジュアルな装いにショートカットで、現実ではちょっと思い切りが必要な明るい髪色の女の子である。
プレイ時間を見るとクリアにかかりそうな時間は既に経過していたが、まだ終盤で止まっていると言う。
ゲームクリアにこだわらず、のんびりとポケモンの世界を堪能する。
これが彼女のプレイスタイルである。

ポケモンシリーズは、1作品につき基本2種類のバージョンが発売される。
主な違いは出現するポケモンの種類。
つまりすべてのポケモンに出会う事は、仲間と通信をすることにより初めて叶う。1人でゲーム機本体2台と両バージョンのソフトを購入でもしない限り。
更にはポケモン交換の際にだけ進化するポケモンが存在したり、今作では「マックスレイドバトル」という仲間と通信して挑むと有利になるシステムがあったりする。
他タイトルにもある「友達と遊べば更に楽しい」という要素は勿論のこと、仲間の力を借りることで不可能が可能になったり物事が有利に進んだりする。
1人でプレイするロールプレイングゲームなのに、である。ここが本シリーズのミソなのだ。

「私はストリンダーブリーダーだから!」
そう話すこうださんには、今日なんとしても成し遂げたい事があった。
彼女がこよなく愛するポケモン、ストリンダー。
最近のアップデートで、そのストリンダーの「キョダイマックス」という特殊な姿でバトルモード変化をする個体が、期間限定で出現するようになった。
ただひとつ問題がある。
ストリンダーは、その個体の持つ性格によって「ハイなすがた」か「ローなすがた」のどちらかの外見に進化するというポケモンである。
そして今回出現する特別なストリンダーは、「ソード」「シールド」と2種類あるゲームソフトのバージョンごとにその姿が異なるというのだ。
彼女がプレイしているのはソード。
このバージョンは、1人でやっていては「ハイなすがた」のキョダイマックスストリンダーにしか出会えない。だがストリンダーを愛する彼女はどうしても「ローなすがた」も欲しいのだ。
彼女の願いを叶える為には、シールドをプレイしている仲間から通信を使ってマックスレイドバトルに誘ってもらわねばならない。
そこで全ての条件を整えてくれた新城さんが彼女をレイドバトルに誘い、屈強なポケモンであっという間に相手を打ち負かす。
こうして晴れて彼女は念願のキョダイマックスストリンダー(ローなすがた)を手に入れる事が出来たのだ。
私もシールドをプレイしているので、ソードに出て来ないポニータというポケモンを彼女にあげた。お返しに送られてきたのはエレズン(進化するとストリンダーになるポケモン)だった。
一途に推しポケまっしぐら。
それが彼女のプレイスタイルである。

「かわいいのじゃなきゃ、やだよ!」
こうださんとのポケモン交換の際に、私はそう言い放った。
紫のバケッチャやピンクのニューラを自慢げに見せびらかすが、全て友人がやってくれた色違い孵化作業の賜物だ。
32個あるポケモンを預ける箱は1個しか埋まっていない。
強化も戦略も一切考えず、ただ自分がかわいいと思うポケモンだけを捕まえてゴリ押しでクリアした。
主人公はただただ見ていてかわいい女の子。
矢内さんと私は現実では見た目が全く違うが、ポケモンの世界では両者共にツインテールの可憐な美少女である。
かわいいものだけ見ていたい。
できれば苦労はしたくない。
これが私のプレイスタイルである。

唯一、ポケモンをプレイした事が無い生徒が居た。
池田さんはまずゲームに触れるのも覚束無い様子で、永沼さんに教えられつつポケモンの世界に足を踏み入れた。
あちらこちらから様々なポケモンが飛び出して来る広大なエリアを探索し、
セキタンザンと戦って見事勝利し、
Aボタンは決定でBボタンはキャンセルである事を覚えた。
ポケモンやってみて、どう?と聞かれ、一言。
「なんか、面白い。」
シンプルにそう答えた彼女のプレイスタイルは一体どのようになるのか、是非見てみたいものだ。

私は幼い頃、「ゲーム」が好きだった。
けれども友達が居なかった私の「ゲーム」は、
友達と通信しないと手に入らないゲンガーは幻のポケモンミュウよりも幻だし、 誰とも対戦しないストリートファイターのリュウが"俺より強い奴に会いに行く"事は無かった。
大人になった私は、「ゲーム」が好きだ。
でも現在のそれは私があの頃好きだった「ゲーム」とは違う。
ゲーム機の進化の話ではない。
社会に出て交流の幅が広がる事で、「みんなとやるゲーム」が無理ゲーではなくなったのだ。
そしてそこで初めて知った。
ゲンガーが幻のポケモンだった人は結構居ること。
初代ポケモンの「サンダース」に当時私は名前をつけていなかったけど、友人は「カーネル」という名前をつけていたこと。
--「ポケモン」というゲームは、同じ1つのゲームなのに人の数だけ違う「ポケモン」があること。

「ゲーム」が「1人でやり続けるもの」から「皆で共有するもの」になった時、それは最強のコミュニケーションツールとなり得るのではないか。
ネット上に別世界を築きそこで終始交流するゲームもあるが、今回の授業のコンセプトは「リアル世界の人間関係を円滑かつ豊かにするべくゲームという言語を使用しそれを試みる」点にあったのであろう。
結果、個の表明や連帯感の感受がスムーズに叶い、各々のパーソナリティに対する理解が深まった。
そしてなにより、とても楽しかった。

良好な人間関係によって仕事のパフォーマンスは向上するだろう。
とりわけまんだらけという会社は、「物」及び「時」を巡る、「人」に重点を置いた場であるように感じる。
業務上においても個々の人間性に注目し、コミュニケーションを重要視する。
そんな矢内さんらしいソドムスクールとなった。


山村


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