岩井の本棚 「本店レポート」 第13回 |
細かいのいろいろ
いま僕はここのほかに雑誌「SPA!」と「本の雑誌」でもマンガに関するコラムを書かせてもらっています。ですがネタ管理上、これはちょっと載せたらダメだよね・・・というかまあ雑誌には適さないもの、というのはありまして、今回はそんなネタ的なものをいくつか紹介します。
(図4)
(図5)
バリバリ君です。
何故この本を雑誌で紹介できないかは、非常にセンシティブな問題なのでうまく語れません。
某宗教系新聞紙に連載されていた4コマ、ということで勘弁してください。
いまとなっては手に入れるのは大変ですが、それに見合うだけの衝撃を与えてくれます。
「元気やでっ」210円
また入ってきました。詳しくは本店レポート第1回をご覧下さい。腹にヤケありです。
いじめられている主人公を見て見ぬ振りする担任・上沼先生のムカつき度は比類なき高さ。 ザ・シークを超えるヒールっぷりです。腹ヤケのためお買い得。
(図1)
(図2)
(図3)
児童書系ですが、見所は本編に収録されているマンガ。
矢口高雄先生が無理矢理セガの体感ゲーム機、360Rに押し込められ、 フラフラ状態の時に心無いファンに「先生のファンです。釣りキチ三平を描いて下さい」と頼まれ、 意識朦朧とした中でマッキーの細いほうで描いたもの、というようなヘタッピー具合です(図1・2・3)。
作者の米田幸雄とは誰なのか。あれはトレースだこれもパクリだ、とネット掲示板ではかしましいですが、これを見るとそんなことを言う気力もなえるというものです。
三平モドキが青年海外協力隊に行く、というストーリーなのですが「シカの赤ちゃん」「休みの日には自然の中で遊んだ」の次のコマが、 ハンターが自慢げに猟銃でシカをぶっ殺して足蹴にしてる写真(図4)、という暗黒センス。
値段分は確実に楽しめる本です。
「劇画・日蓮」420円
日蓮の苦難に満ちた生涯を描いた劇画ですが、とにかく絵がすごい。怨念に満ちた筆痕です。夢に出る絵です。
読後は「なんだかよくわからないが、とにかくすごいことは確かだ」感でいっぱい(図5・6)。
(図6)
(図7)
(図8)
1987年に発行された矢追町成増のデビュー単行本。
絵はこんな80年代風のキュートでロリポップですが、やってることは生臭くて乳首をカッターで縦割りにするとかトゲだらけのバイブを性器にブッ刺すとか(図7・8)、 ド変態マンガ以外の何者でもありません。
ラスト美少女はほとんど全員死に至るとか、一人として男性が登場しないとか、すごい人は最初からすごい、のよい見本です。 矢追町先生の本は現在どの作品も急激に見かけなくなってますので、早い目に!
「モアイの涙」420円
日曜の夜TBSラジオで放送していた「ラジオはアメリカン!」通称「ラジアメ」。
スポンサーがナムコだったので、この放送でないと効くことが出来なかった様々なゲームアレンジ曲やナムコゲームのCM、BGM音源が流れていました。
これ聞きたさに毎週ラジカセで録音してた方も多いと思われます。 本書は当時のハガキ職人たちの投稿をベースに作られたネタ本。
ナムコ色はありませんが、当時を懐かしむには絶好の著。
「かわうそトランプ」630円
不条理マンガ全盛期に「伝染るんです。」のキャラクターグッズを販売する店、かわうそ屋で販売されていたトランプ。
伝染るんですキャラクターがトランプに描いてあるだけのものですが、作品からの再収録ではなく、 グッズのために書き下ろされた絵でのみ構成されている(図9・10)ので吉田戦車フリークにおすすめ。
絵がモノクロなのが惜しいです。
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(図9・10) |
「フェア」525円
「赤灯えれじい」のきらたかしは90年代に少年サンデーで入選したあと、 連載や読みきりもうまく描けずに、アシスタントをしながらずいぶん長いこと雌伏していました(現在は既に30を超え、けっこうな年齢のはずです)。
その雌伏してるとき、ヤンキー系車雑誌やレディス雑誌でイラストやマンガを連載してました。
この作品は「ティーンズロード」に連載されたモノ。こういう経歴ことを考えると、 なぜ「赤灯えれじい」中で、妙にスクーターへ思い入れが強い部分とか、チーコの気の強さとか、 ダラダラ生活の描きっぷりが堂に入ってる部分なんかが理解できるかと思います。
「なにがオモロイの?」840円
また入ってきました。詳しくは「本店レポート第11回」をどうぞ。相原先生、最近は自虐ネタも少なくなり、復調気味に見えますね。
「理想主義者の屍に乾杯」2625円
また入ってきました。詳しくは「本店レポート第10回」をどうぞ。
「ロケットでつきぬけろ!」262円
キユです。
(図11)
「美味しんぼ59巻 マルチメディアと食文化」210円
食文化を理解しない同僚に山岡がバカにされ、反撃とばかりに彼が使ってるウィンドウズ機のことをけちょんけちょんにケナし放題にケナす。
「おマヌケなのも当たり前だね、PC互換機でウシンドウズ走らせて喜んでるんだから」「ウインドウズは5年前のマックにすら追いついてないよ」(図11)
と罵倒。この回に対し当時広告を出向していたマイクロソフトが猛抗議したというのは有名な話です。
(図12)
(図13)
(図14)
マックにインテルプロセッサが搭載され、次世代マックはウィンドウズも走らせることが出来るとい うこの時期にこの話を読むと感慨深いです。
ちなみに僕は特に思い入れもないWIN機ユーザーですが、マック派には雁屋先生がいる、 というだけでなんとなくこちら陣営の方が優勢な気がするのですが、どうなんでしょうかね。
ちなみに雑誌掲載時はいまの3倍くらいウィンドウズをバカにしててマック万歳だったそうですが、 大幅に単行本時に内容が改められているそうです。
その号が掲載されているスピリッツ(96年25号?)をお持ちの方は買取処の岩井までよろしく。1000円で買取しますよ。
「包丁人味平 18・19巻」210円
カレー将軍の唯一のカラー絵が拝めます。コーディネートの参考にどうぞ。
あと僕が買ったワイド版と、オリジナルでのセリフの入れ替えにも気がつきました。
第43回の図24と比べてください(図12)。またラストの「奴は気が変になったんじゃねえ!」も「奴は気が狂ったんじゃねえ!」がオリジナルでした。
「きららの仕事」「みどり」
新旧浦沢直樹エピゴーネン作家たちです(図13・14)。橋本孤蔵は最近になって浦沢+寺沢大介、というなんだか分からない絵柄になってきましたが。
上記作品は5月13日土曜日、本店2に出します。
また何か面白い本を見つけた方、ぜひ買取処にどうぞ!
映画部・サブカル部・BL部そして料理部それぞれお待ちしております!
※この記事は2006年5月11日に掲載したものです。
(担当岩井)