疲れた時に読む漫画は人それぞれだと思いますが、つい読んでしまうのがこちら。優しい気持ちになれます。
「猟奇刑事マルサイ」
拉致監禁、SM、屍姦、など猟奇的異常犯罪事件を集めた1冊。
全9編。
その中でも凄く好きな3編を紹介します。
「隣のゴミ屋敷」
自治会の宮田さんはいつもゴミ置き場の清掃をしている。
ゴミの分別をしない若者や、口だけで協力しない近所のオバサンたち。そんな彼らにもめげずに注意し続けるものの、
改善しない彼らの態度にある日突然ブチ切れてしまう。
このマヨネーズチューチュー顔は忘れられない1コマ。
自宅にゴミを収集し、ゴミ屋敷の中で、ゴミを分別できない人間を教育する鬼のゴミ分別教官へ変化。
頭がおかしくなるまでゴミ分別をさせ続ける。
最後のページにて、宮田清次郎氏のゴミに対する宣誓が描かれて終わるというのがまたよい。
「ゴミに関する無知は私たち人間が種として恥ずべきこと。『人を殺してはいけない』と同じくらい根源的に理解しなければならないことだと私はおもう。」
ゴミに対する異常な執着心で正義が暴走する瞬間がまじまじと見れるのだ。
「恍惚の女医」
エリート女医に突如芽生えた欲望。
交通事故に遭い、手足を失った患者の女性。自分では何も出来ず、生活の全てを恋人に依存しながら生きる。恋人の欲情を満たすのに出来る事はこれだけ。
ただ愛されるだけの生き物になった「彼女」のように生きたい、と女医は自らの手足を失くすように相手に懇願し、不自由な身体となる。
「愛されるだけの生き物」という純粋な「彼女」にあこがれていた筈が、次第に底無しの快楽に溺れていくようになる...
わたしもう手もいらない...狂ってる!のシーン。
そしてその成れの果てがこれ。
これでもまだ生きてるというカルマ。快楽というのは底なしという恐ろしい話です。
「孤高の鬼」
女性が自慰行為をしながら自殺する怪事件が続く。
謎の調教師によってM女へと調教され、特別なクラブに派遣される彼女たち。
どんなに辛い仕打ちを受けても、拒否せず痛みも何もかも受け入れていく。
しかし限界が来ると自ら自殺するように調教されており、そこから怪事件が紐とかれてゆく...
もう引退した「伝説の調教師」に自ら調教され、その術を奪い、新たなるM女調教師になった女であった。
事件は幕をとじ、クラブも解散となったがもう「マゾ」として作られた「彼女たち」はどこへも居場所がなくなってしまう...
彼女たちが還る場所とは...?
「そもそもM女の調教は主人のためにするものではなく、主に可愛がられ死ぬまで奴隷として生きられる、幸せなM女にしてやるためのものだ。
だからわたしは女たちにどんな運命もマゾの悦びに昇華できるように暗示を与えて調教してきた。」
マゾとは・・・調教とは・・・伝説の伝道師の愛ある言葉である。
最後の1ページは感動の1枚。
中野店 田路