格闘ゲームが大好き(特にSNK時代が最高!)な藤井です。
世に格闘ゲームのコミカライズが数多く出版されていますがその中で個人的におススメのタイトルをこれから順次紹介していきます。
まず第1回目はこちら
今は無き新声社から発売された『ザキングオブファイターズ94外伝』(鷹岬諒)です。
今年KOF14がPS4で発売されることが発表され個人的にかなり盛り上がっているキングオブファイターズ(通称KOF)の1作目のコミカライズです。
主役はゲームの主人公でもある草薙京…ではなく女性格闘家チーム(特にユリサカザキ)です。
KOF94が発売された頃、SNKの格闘ゲームの“顔”といえば餓狼伝説のテリーボガード、龍虎の拳のリョウサカザキでありゲームのキャラクター選択画面でも最初にカーソルが合っているのはこの2人がいるチームです。このような背景が表紙からも感じられます。
ユリの格闘家になる理由や女性格闘家チーム結成の話が公式ストーリーに基づいて丁寧に描かれています。
作中ではキングオブファイターズという格闘大会は全世界規模の格闘大会です。
ただゲームでは如何せん黙々とCPU戦をこなすことになるのでそういった実感は薄いです。
その部分をこの本は上手く表現しております。本戦前の前夜祭や決勝トーナメントに向けての抽選会の様子が空前の盛り上がりを感じさせられます。
また、このコミックの素晴らしい点はゲーム内の登場人物を1人も欠けず登場させている所です。もちろん単なるやられ役やかませでは無いです。
KOF94は1チーム3人制で計8チーム24名+ラスボス1名の25名に公式のバックストーリーを掘り下げ、そのチームがメインの話では彼らが主役と感じるような設定の厚さで見せ場がそれぞれに用意されているところです。
突如囚人2名とチームを結成したキム
KOF94内で唯一全員オリジナルキャラクターで編成されたアメリカンスポーツチームなど
事実上の決勝戦ともいえるイタリアチームVSメキシコチーム。
試合は熾烈を極め、いよいよ大将戦を迎えます。
この緊張感…
作中でもこの2人は別格の存在感を放っており、当時誰もが夢見た対戦が実現したのです。
この本の中で一番のベストシーンを上げるならまずココを選びます。
・リョウが読まれていると分かっていても敢えて放つ究極奥義龍虎乱舞
・前の2人の龍虎乱舞を見ていたこともあり完璧なタイミングで放たれる、テリーのパワ ーゲイザー
・パワーゲイザーをブラインド代わりにして至近距離で放つ覇王翔吼拳
この流れが本当にかっこいいんですよ!
もちろんゲームの主人公である草薙京も出ます。
ただ作中ではまだまだ知名度が低く、出逢う人物からも知られていませんが中国チームとの対決、ルガールとの最終決戦などでテリーやリョウにも勝るとも劣らない実力を持つことが描かれます。しかし…
後半になると京サマ大人気です。なぜかというと題材はKOF94ですが5巻が発売される頃には96年で、草薙京はKOFの顔となっており上の場面でも女性ファンが多くいることが描かれていますが当時の人気を反映しています。
ゲーム内で小柄な女子のアテナが大柄な男キャラを軽々と投げ飛ばします。
ゲームだからといえばそれまでですがコミックの中ではきちんと投げ飛ばせる理由を描いているところもポイントが高いですよ。
2016年はKOF14とストリートファイターⅤが発売を控え、格闘ゲーム好きとしてはわくわくした1年になりそうです。特にKOFはこれが受け入れられれば中断している餓狼伝説やサムライスピリッツの本編の再始動もあり得るとの事なので非常に期待してます。
(うめだ店 藤井)
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うめだ店 藤井