「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2016年6月24日 第十八回活動報告【常念岳(じょうねんだけ)】

【タイムスケジュール】

6:03 中野駅

9:50 一ノ沢登山口駐車場

10:08 一ノ沢登山口(1323m)

10:50 辻中さん蜂に刺される

12:30 最終水場(2198m)

13:10 常念小屋(2450m)

13:45 偽ピーク

14:10 常念岳(2857m)

15:00 常念小屋(2450m)

16:30 サンショウウオ登場

17:20 一ノ沢登山口(1323m)

18:05 一ノ沢登山口駐車場(1220m)



AM 6:03 晴れ
集合場所から一番近くに住む小山が3分遅刻で到着。
本来置き去りだが、皆様コンビニに買出しなどもあり、まだ車のバックドアも開いている。
よかったー(スミマセン)
集合した朝一はみんなテンションが低く口数が少ないまま、何やらゴソゴソしている。
そんな中、一人ウキウキの秋山さん。
足元を見るとすでにゲイターをはいている!
小山「ちょっ、秋山さんゲイターは早くない!?」
秋山「えーっだって、着いてから履くのめんどくさいんだもん」
面倒くさいとは言っていたものの、前回の登山は秋山さん調子悪かったこともあり、ただ単に今回気合が入っているだけなのだなと、短パンゲイターの彼を見て思った。
後から聞いた話だけど、今日までその格好で夜な夜な家の近くの公園を走ってトレーニングしていたとかいないとか。

車に乗り込み出発すると、程なくして後ろから寝息が聞こえる。
いつも通り、運転手の秋山さんは80年代の歌謡曲と一緒に、助手席の辻中さんとワイワイやっている。
秋山さんの恋愛話がはじまったころには私も眠ってしまい、気がついたらパーキングについていた。
そこでみんなサクッと食事をとって、すぐに出発。
予定時間よりも10分ほど早く、AM9:50一ノ沢登山口駐車場(1220m)に到着。
念入りに準備体操をして出発。
登山道までのアスファルトの道を歩いていると、茶色の蝶が何千匹と飛びまわっていた。
ちょっとムズ痒い。

AM10:08 晴れ
登山口に到着。
すでに予定よりも30分近く巻いている。
ここで出発前の記念撮影パチリ。
ここから4時間半くらいかけて頂上を目指します。

今回のメンバーは8人で、先頭を引っぱる2人は竹下さんと藤川姉。
この二人が今回も絶好調で、グングンを先を進み数分後には見えなくなっていた。
残りの6人は辻中さん秋山さん、大庭さん藤川妹、鍋島さん小山と続く。

しばらくは20cm程度の石がゴロゴロ積み重なる林道と沢が続く。
前日の雨のせいか、緑が生き生きしているようにみえる。
途中細い道や、丸木橋もあって、滑らないように慎重歩く。
楽しい!
そして気がつくと私は最後尾を歩いていた。
先頭の2人は勿論のこと、その後に続く辻中さんとも距離ができてしまったかと思っていたのですが、高木の無い少し開けた沢に出たところで辻中さんを発見、 立ち止まっていた。

どうやら蜂が飛んできたそうで、メガネのレンズと眼球の間に入り込んできたらしい。
良くも悪くも、刺した場所はまぶたのチョイ下、あやうく大惨事になるとこだった。

気を取り直してどんどん進む。
登りはじめて1・2時間、強烈にキツイ場所はまだ無い。
眺望も楽しむ余裕もある。
沢の先を見上げると、遠くに雪渓を確認。
もう7月になるのに、雪の残る涼しいポイントには花が綺麗に咲いていた。

PM12:30 曇り
そうこうしているうちに、最終水場(2198m)にたどり着いた。
ここで一度6人が合流。
(先頭の二人はどこまで行っているのだろう?)
置いてあった銀のマグカップで順番に一気飲み。
超冷たい!
このあたりから常念小屋までは多少斜度がきつくなる。
さらに霧が出てきて眺望もおあずけ。
最終水場から常念小屋までに、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチと木でこしらえたベンチが約200m置きの間隔であるものの、早く登りたいという気持ちが強く、 ベンチを使うことはなかった。

PM13:10 雨
天気予報では15時過ぎから雨でしたが、パラパラと降りはじめた。
小屋に着き、一休みしたら全員雨装備に変身。
外で着替えていると、小屋の奥の奥にある景色の中にピョコっと黒く尖がったものがある。

槍ヶ岳!
準備も整い、いざ常念岳山頂へ。ここから先は緑が消え、ゴツゴツ岩だらけのつづら折り急勾配。
曇っているものの、まだ頂上までの見晴らしは良い。
よくみると頂上付近に竹下さんと藤川姉が!
私たちも山頂を目指す。

一歩一歩選びながら岩山を進む。
たまにグラつく岩があって一瞬も気が抜けないし、すぐに息があがってしまう。
立ち止まっては上を見上げるを繰り返すうちに気がつくと竹下さんと藤川姉の姿がみえない。
あれ?もしかしてだけどあのピークの先も登るってことぉー!?

PM13:45 雨
風も出てきた。
ようやく偽ピークを通り過ぎたところで、頂上から折り返してきた竹下チームに出会う。

竹下「ここからあと30分くらいですよ」
えーっあと30分かよーと思ったのは僕だけのようで、近くにいた辻中さんと藤川妹は「おなかすいた」といって、おにぎりやらからあげやらを食べはじめた( 私も一口いただきました・・・)
下のほうを見ると、大庭さん、鍋島さん、秋山さんが見える。
秋山さんは帰りの運転もあるので、このまま下山途中の竹下チームと合流。

PM14:10 豪雨
平標山を思い出す。
あのときよりも今回のほうが風は強い。
まず辻中さん、藤川妹、小山が登頂(2857m)。
頂上は狭く、下を見るとすごい高度感。
岩に隠れて寒さをしのいでいると、大庭さんが到着。

鍋島さんが来るや否や、すぐに写真撮影。
寒すぎるのですぐに下山をはじめる。

PM15:00 雨
小屋まで戻ったころには風が弱くなっていた。
各々小屋で食事を取る。
おでんやカップ麺があった。
あったかいものを食べたものの、やはり動いているほうがよっぽど温かかった。

いつもならハイスピードな下りも、雨で滑りやすいのでペースが落ちる。
その中でも下りを得意とする辻中さんは楽しんでいるようで、隊列の一番後ろにつく。
しばらくすると、のぼりでは楽チンだった「崖にロープ1本」の道が下りでは難所となった。
案の定、私は滑ってしまいロープに頼ってしまったものの何とかのりこえる。
振り返らずに前に進むと後ろから辻中さんの叫び声が!
雨の音と重なって、一同一瞬天を仰いで顔を見合わせる。

小山「見てきます」
戻ってる途中でも何かを発声しているのが聞こえる。
見えた。
よかった。
滑落したかと思った。
辻中さんが「カメラカメラ」というので慌ててスマホを用意する。
サンショウウオだった。

はじめて見た。
目ん玉がとび出てて可愛かった。
辻中さんの手のひらでおとなしいサンショウウオを撫でたら、びっくりして逃げてしまった。
ドジョウみたいにヌルヌルだった。
平標山もよかったけど、雨の常念岳も最高でした。

PM17:20 雨
5人が一ノ沢登山口に到着してすぐのタイミングで、先に下山した竹下チームが車できてくれた。
どうやら先頭とは30分以上のタイムラグがあったようです。
竹下さんたちが常念小屋についたころはまだ晴れていたようで、景色も素晴らしかったとのこと。
できればもう一度晴れた日にチャレンジしたい山でした。

[レポート:小山]

小山雄

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