先日「みなみけ」6巻を読んだところ、「カップ焼きそばを食べたい気持ちと焼きそばを食べたい気持ちは全く別物」という主張が出てきました。
げにそのとおりで、焼きそばが食べたいんだけどカップ焼きそばで我慢、ということにはなりません。あれは全くの別物です。
この「インスタントが別モノとして成立しているか、ただの代用品なのか」はなかなかに難しいテーマです。たとえば冷食のピラフやピザは本物の代用品なので、本物が横にあったらみなそっちを選ぶと思います。そりゃ中には「俺は冷凍食品のピザじゃなきゃダメなんだよ!」という人もいるかもしれませんが少数でしょうね。
ですがカップヌードルが食べたいときにちゃんとしたラーメンを出されても不完全燃焼ですし、みかんの缶詰が食べたいときに生みかん出されても意気が上がりませんし、キューピーのミートソース缶(マッシュルームが入ってない奴)が食べたいときにちゃんとしたポロネーゼを出されても箸の進みは悪くなる・・・というものです。
このようにそもそもが何らかの代用品的に作られたものがいつのまにか代用品の枠をはみ出て独自の位置を得ることはまれに起こりますが、やはりインスタント業界や缶詰業界においてそれは顕著です。レトルト系や冷凍食品系は「本物に限りなく近づく」ことに主眼を置いているからか「今日はどうあってもSBディナーカレーの中辛じゃないとダメだ」という事態はあまり起こらないみたいですね。
そしてこういう「インスタントはジャンクなりのよさがある」を力強くいってくれたのが泉昌之の新作「天食」。いやあ大納得でした!
浪人姿の男が食べ物に対してウンチクをこねるシリーズ「食い改め候」の第1話は冷やし中華。冷やし中華が食いたい!しかし飛び込んだ店ではこジャレた冷やし中華(クラゲやサクランボが乗ってる)が出てきて、むかし町の中華屋で食べたようなシンプルな冷やし中華じゃなかったことにガッカリ。こうなったらアレだ!とばかりに町中のスーパーを探すがなかなか見つからない「アレ」とは・・・。
これです! そう、冷やし中華のインスタントといったらこれに勝るものはないですよねえ。異常にすっぱくてとても飲めそうにないあのタレ。そしてノンフライ故に食感がある麺。食べ終わった後にしばらく置いておくと部屋からなかなか冷やし中華臭が取れないほどの存在感ですよ。泉昌之さんが鋭いと思うのはあのフリカケにまで言及してることです。
冷やし中華の具代わりにフリカケ、ってのもヘンですが、ノリと紅しょうがの粉末が入ってて、最悪具がなくてもこれだけで食べられます。気分的にはけっこうビンボ臭いですが・・・。
以前は「冷やしラーメン大盛」というのが売ってましたが、最近売ってないですね。1袋だと少なくて2袋だと多すぎる(ていうか飽きる)ので重宝してたんですが・・・。選択肢的には「中華三昧」の涼麺があり、こちらも2年に1回くらい食べますがやっぱり異常にすっぱいですね。コマ中に「しかも乾麺のヤツ」とあるように生麺タイプもありますが、ぼくも乾麺のほうがスキです。
また別の日は「立ち食いそばの天ぷらそばが食べたい!」という欲求にもだえ狂うが果てず、最後の手段として選んだのがコレ。
名前はぼかしてありますが東洋水産の「天ぷらそば」。
インスタントラーメン、インスタント焼きそばに比べると圧倒的にマイナーで、ほぼ一社独占状態ですが、いかんせんマイナーなインスタントそば。そばの場合選択肢が広すぎるのでなかなか選ばれないですがこれもやっぱりオンリーワンですよ。2年に1度くらい食べたくなりますね。
しかし冷凍麺のそば、レンジでチン式のコンビニのそば、カップのそば、さらに乾麺と生麺とゆで麺があってしかも立ち食い蕎麦屋が深夜まで営業中、となると調理が本式でもなく簡単というほどでもない(鍋は汚すので)ため中途半端でなかなか選ばないですね。天ぷら入ってるから緑のきつねでいいや、と思うのが妥当でしょう。ですがこっちの袋をあえて選ぶ理由の一つが、値段。コレ一袋70~80円くらいじゃないかな? わずか数十円でも切実だった学生のころはお世話になったものです。
ちなみに当時「この袋そばの麺を冷やしてざるそばを作ったらどうなるのか」試したところ、あんまウマくない、ということも判明。
そんな食べ物に対する思い入れはやっぱり泉昌之先生でしか出せない味。周囲の話だと泉昌之の作品は独特の絵がとっつけない・・・という人もいるようですが、食べ物ネタ好きな人は満足できるはず。この本の帯は奥田民生ですが、「孤独のグルメ」の帯がスチャダラパー。「新さん」の帯がピエール瀧と、泉作品はミュージシャンにファンが多いですねえ。
ただ表紙が、どうもあの「騒音おばさん」に見えてしまって仕方がない・・・というのもあります。確かに装丁でちょっとソンしてるかなあ・・・。

げにそのとおりで、焼きそばが食べたいんだけどカップ焼きそばで我慢、ということにはなりません。あれは全くの別物です。
この「インスタントが別モノとして成立しているか、ただの代用品なのか」はなかなかに難しいテーマです。たとえば冷食のピラフやピザは本物の代用品なので、本物が横にあったらみなそっちを選ぶと思います。そりゃ中には「俺は冷凍食品のピザじゃなきゃダメなんだよ!」という人もいるかもしれませんが少数でしょうね。
ですがカップヌードルが食べたいときにちゃんとしたラーメンを出されても不完全燃焼ですし、みかんの缶詰が食べたいときに生みかん出されても意気が上がりませんし、キューピーのミートソース缶(マッシュルームが入ってない奴)が食べたいときにちゃんとしたポロネーゼを出されても箸の進みは悪くなる・・・というものです。
このようにそもそもが何らかの代用品的に作られたものがいつのまにか代用品の枠をはみ出て独自の位置を得ることはまれに起こりますが、やはりインスタント業界や缶詰業界においてそれは顕著です。レトルト系や冷凍食品系は「本物に限りなく近づく」ことに主眼を置いているからか「今日はどうあってもSBディナーカレーの中辛じゃないとダメだ」という事態はあまり起こらないみたいですね。
そしてこういう「インスタントはジャンクなりのよさがある」を力強くいってくれたのが泉昌之の新作「天食」。いやあ大納得でした!
浪人姿の男が食べ物に対してウンチクをこねるシリーズ「食い改め候」の第1話は冷やし中華。冷やし中華が食いたい!しかし飛び込んだ店ではこジャレた冷やし中華(クラゲやサクランボが乗ってる)が出てきて、むかし町の中華屋で食べたようなシンプルな冷やし中華じゃなかったことにガッカリ。こうなったらアレだ!とばかりに町中のスーパーを探すがなかなか見つからない「アレ」とは・・・。

これです! そう、冷やし中華のインスタントといったらこれに勝るものはないですよねえ。異常にすっぱくてとても飲めそうにないあのタレ。そしてノンフライ故に食感がある麺。食べ終わった後にしばらく置いておくと部屋からなかなか冷やし中華臭が取れないほどの存在感ですよ。泉昌之さんが鋭いと思うのはあのフリカケにまで言及してることです。

冷やし中華の具代わりにフリカケ、ってのもヘンですが、ノリと紅しょうがの粉末が入ってて、最悪具がなくてもこれだけで食べられます。気分的にはけっこうビンボ臭いですが・・・。
以前は「冷やしラーメン大盛」というのが売ってましたが、最近売ってないですね。1袋だと少なくて2袋だと多すぎる(ていうか飽きる)ので重宝してたんですが・・・。選択肢的には「中華三昧」の涼麺があり、こちらも2年に1回くらい食べますがやっぱり異常にすっぱいですね。コマ中に「しかも乾麺のヤツ」とあるように生麺タイプもありますが、ぼくも乾麺のほうがスキです。
また別の日は「立ち食いそばの天ぷらそばが食べたい!」という欲求にもだえ狂うが果てず、最後の手段として選んだのがコレ。

名前はぼかしてありますが東洋水産の「天ぷらそば」。
インスタントラーメン、インスタント焼きそばに比べると圧倒的にマイナーで、ほぼ一社独占状態ですが、いかんせんマイナーなインスタントそば。そばの場合選択肢が広すぎるのでなかなか選ばれないですがこれもやっぱりオンリーワンですよ。2年に1度くらい食べたくなりますね。
しかし冷凍麺のそば、レンジでチン式のコンビニのそば、カップのそば、さらに乾麺と生麺とゆで麺があってしかも立ち食い蕎麦屋が深夜まで営業中、となると調理が本式でもなく簡単というほどでもない(鍋は汚すので)ため中途半端でなかなか選ばないですね。天ぷら入ってるから緑のきつねでいいや、と思うのが妥当でしょう。ですがこっちの袋をあえて選ぶ理由の一つが、値段。コレ一袋70~80円くらいじゃないかな? わずか数十円でも切実だった学生のころはお世話になったものです。
ちなみに当時「この袋そばの麺を冷やしてざるそばを作ったらどうなるのか」試したところ、あんまウマくない、ということも判明。
そんな食べ物に対する思い入れはやっぱり泉昌之先生でしか出せない味。周囲の話だと泉昌之の作品は独特の絵がとっつけない・・・という人もいるようですが、食べ物ネタ好きな人は満足できるはず。この本の帯は奥田民生ですが、「孤独のグルメ」の帯がスチャダラパー。「新さん」の帯がピエール瀧と、泉作品はミュージシャンにファンが多いですねえ。

ただ表紙が、どうもあの「騒音おばさん」に見えてしまって仕方がない・・・というのもあります。確かに装丁でちょっとソンしてるかなあ・・・。
中野店 岩井