「僕は!アイス一個しか食べてない!!」
なんだ!?なんだ!?と思うかもしれませんが聞いて下さい。金井です。
みなさん日頃より習慣として行っていることって何かあります?
僕は何かをしようと目標を立てて習慣として身に着けようと思うのですが、まあ続かない。
その日の楽しかったことを忘れないように毎日寝る前に日記を書くとか、この頃太り気味なので仕事帰りに30分マラソンをするとか始めた頃はめちゃめちゃ楽しいのですが一週間もすれば飽きてしまう。
まあ一ヵ月に一度書くこのブログも良く続いているなと自分自身に称賛を送っている次第です。はい。
まあそんな長続きしない人生でこれだけは続けている!て胸を張って言える事って何かあるかなと考えたところ、ありました!こんな僕にもありました!
時は遡り20年前当時9歳だったころのお話
夏休みに入ったばかりの小4の僕は4歳年の離れた妹と大喧嘩をしていました。その頃家の掟で「一日に一個だけアイス食べてもよい」というのがあり僕はそのきまりに忠実に従っていました。
で、外で遊んで帰って来た私は一つ目のスイカバーを食べてたわけなんですよ。
で、それを目ざとく発見した愚妹。何を血迷ったか「お兄が2つ目のアイス食べてる!!」
耳を疑いました。
「いやいや、何を仰るうさぎさん、今日は一つ目だよ」と弁解する私の言葉を聞く耳持たず母親に光の如くチクリに行く妹。激昂する俺。しかし、私の弁解虚しく母親に許可を貰った妹は二つ目のアイスを食べ、私はこの世知辛い世の中に絶望しました。
その時、二つ目のアイスを食べてご機嫌なアホに言ってやったのです。「僕は!アイス一個しか食べてない!!一生言ってやるからな!!」と誓いを立ててやったのです。「勝手に言ってろ」と吐き捨てられたのですが。
それから現在、習慣として妹と会うたびに俺は「アイス一個しか食べてない!」と言い続けており奴も無視できないレベルにまできております。
まあそんな妹こと洗面きぬ子が描いているのがこちら、
艦これのアンンソロジー本「女の子だって艦これが好き!」です!
http://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1032503549&ref=list
作家さんみんな女の子!十人十色の艦これストーリー。そして一番始めにちゃっかり載っている妹の作品(笑)
”しまかぜの諸事情?”
まあ、兄として嬉しくなくもなかったり・・・やれやれ。あまり褒めるとすぐ調子に乗るので。
おっと余談が長くなりすぎましたね!
まあ何が言いたいかと申しますと習慣に近いと思う事で長いあいだ見てきた風景の中、そこにずっとあったものが消えたり急にコンビニやアパートなどができて変わっていってしまうことに自分自身が付いていけなくなることありますよね。
ああいう気持ちなんていうんですかね。不安?悲しい?切ない?まあ、なんにせよどんどん変化していく日常。無理だとわかっていても、できればこのままであって欲しいと思う今日この頃です。
そしてこのもどかしい気持ちを本当によく表現されているなぁと毎度最新刊が出るたびに驚かされる作品。
そう石黒正和先生が描く「それでも町は廻ってる」通称「それ町」です。
時系列は連載時とは一致せず、嵐山歩鳥の高校3年間のエピソードの中の一部をバラバラに描いています。まあ読んでいて混乱するこがよくあります笑
内容としましては商店街の中にあるメイドカフェシーサイドでばあちゃんと働く女子高生の嵐山歩鳥を中心に近所の人たちや友達との日常の出来事を描いた作品です。
しかし日常の中にSFやミステリー要素などがちょいちょい入ってきているのですが、それがただフィクションではなく自分たちが知らないだけで本当の日常にもあるのではないかと思わせられる。
それが石黒正数先生の魅力的な世界観なのです。世にも奇妙な物語にも近い何かを感じますが。
まあなんにせよ、この作品人情っていうんですかね。
この表現の仕方が本当に上手いなって思うんです。
そして中でも1番好きなエピソード。
それは8巻に収録されている第68話「さよなら麺類!」です。
近所のラーメン屋で夕飯を食べる歩鳥と真田。
シーサイドに帰ると、近所の人たちがこの昔馴染みのラーメン店が閉店するという話をしていました。それを聞いた歩鳥。大好きなラーメン屋。なんとか店終いを阻止できないかと考えるのですがやはりどうにもならない。
「・・・・・・・・いい店だなあ」
「私が大人になってもあるといいのに・・・・・・・・・・」
このエピソードについて作者のあとがきにも『歩鳥が通用しない・・・!これまで大概の事はその性格、人柄でどうにか収めてきましたが歩鳥だってどうにもならない事もあります。』と書かれています。このどうにもならないリアルさに共感する。
読んでいる時は楽しいのですが読み終わった時必ず寂しい気持ちになるのは何なのか…やはりそれは変化の表現が一つ一つ丁寧に描かれているからそう感じるのではないかと思うのです。
そしてモブキャラ一人一人に個性があり「ああこういうやついたなぁ」と思ってしまう。感じ方は人それぞれですが私はまるで同窓会で久しぶりに会った旧友と語り合うときの気分に似ていると思います。
この頃、友人から勧められて"大分麦焼酎二階堂"の毎年作られるテレビCM集を拝聴しておりますが、この作品のノスタルジックな見せ方がまたいい…
音楽も素晴らしく言葉が心に響く。
一番いいなあと思うのは、「Brand of the year2003 消費 者が選んだ今年のCM好感度ベスト1000銘柄」入賞した作品「父」です。
ナレーション
「私の記憶に、いつも後姿で現れる人がいる。
あの頃、あなたが口にしなかった言葉に、いつか私はたどり着くのだろうか・・・・・・?
ずっと麦100%、大分むぎ焼酎二階堂。」
その時に映像の中に出てくる言葉
「私の知らない父と 父の知らない私が 坂の途中ですれ違う」←この言葉が好き。
そして、一見関係のないように思えるこの表現の仕方はこの「それ町」に通ずる温かみがあると思うのです。
消えてゆく風景、去りゆく物。その今にいつの間にか慣れてゆく自分。それに伴って記憶も薄らいでいくと思います。
忘れてゆくのは自然なことですが、この作品を読んでみなさんが笑顔で「ああ こんなことあったなぁ」と思ってくれるといいなあと僕は思うのです。
(中野店/金井)












中野店 金井