こんにちは。コンプレックス店の百合マエストロ(自称) 内村です。
今回は、というか今回も百合マンガではないものを紹介します。
あ、SFなんだ。
うむ。タイトルにSFとあるので読まなくてもSFだと判る。
これ、この小説の良いところです。
SF作品にかぎらずファンタジーでもフィクション作品でも架空の 都市や人物などで架空の設定・ 名称が出てくるのはあたりまえですが、タイトルのとおり「 横浜駅」で「SF」なのです。
つまり舞台は日本で関東の神奈川県の横浜駅。横浜駅にはJR東日 本は当然、京浜急行電鉄・東京急行電鉄・相模鉄道・ 横浜市交通局・横浜高速鉄道の6社局が乗り入れている。
また、大きな要素として乗り入れ局の多さゆえに「 開業以来これまで拡大・改築工事が終わっていない」 ということがこの作品のポイントです。
上記のように関東にお住まいで、 かつ横浜駅に関する日常的な知識があればこの作品はより楽しめる というのが良いんです。
ファンタジーやSF作品の造語や設定、 またそれの持つ意味などを理解していないと作品が理解できない、 楽しめないということがまず舞台設定から解決されているので導入 部から読みやすい!
さて、横浜駅SFとタイトルに書いた「BLAME!系」 ということについて説明しますと、この作品は日本(本州) がメインの舞台なのですが本州は100%「横浜駅化」 しているのです。
原因やそれの設定は読んでのお楽しみですが、 まず線路沿いに伝染した横浜駅構造体がだんだんと土地を埋め尽く し、浅間山や富士山までもが横浜駅の構造になっているのです。
この「増殖する駅構造」はつまりBLAME!の「都市構造体」 や「メガストラクチャー」にあたります。 さらに駅ですから改札がありますがこれは「自動改札」 という2足歩行の機械が本州中の横浜駅内に無数に存在しキセルな どの取り締まりもおこなっており、1番大切なのは「 スイカネット」 を体内に持っていない子供ではない人間を駅から強制的に排除する ということ。
これはBLAME!読者ならすぐにわかると思いますが「 セーフガード」にあたり、スイカネットは「ネット端末遺伝子」 ですね。
と、やけに弐瓶勉先生の「BLAME!」 に設定が似てるなと思ったら著者ご本人がパロディ色の強さにも触 れています。
しかし、 前述したように造語やオリジナルの設定をあえて減らしている分 、これだけしっかりSFしているのに読みやすい、 入りやすいのは凄いと思います。
もちろんBLAME!読者でなくても、関東近郊の地理がわからなくてもJR九州・ JR北海道など日本全国を舞台にするので親しみやすい作品です。
天文学的な数字の距離や時間を彷徨うでもなく、 機械に管理された人類がバーチャルと現実の境を見失いながら生か されるでもなく。ただひたすら横浜駅を進み続ける、 なぜ増殖したのか?他の地域に人は住んでいるのか?
横浜駅を知るために探索を続ける「横浜駅SF」 読書の秋にいかがでしょう?
それではここまでのご清聴ありがとうございました。
担当:内村
コンプレックス 内村
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