岩井の本棚 「マンガにでてくる食べ物」 第32回

のび太とペロピタとガリガリ君


(図2)


(図3)


(図4)


(図5)


(図6)


(図7)


(図8)


(図9)


(図10)

やれやれ今年も暑いですね。
もう毎日のようにソフトクリームを食べて暑さをしのいでおります。

ソフトクリームっていま250円くらいですが、むかしはもっと安く、だいたい120円くらいだった気がしますね。 いつのまにか倍になりましたが、そのぶんクオリティも高くなってるので不満は感じません。
たとえ子供っぽいといわれても、バニラとチョコのまだらのミックスソフトクリームが大好きです。
だって美味しいんですもの。

アイスもむかしは安かったなあ。
いまでこそアイスは100円からスタートですが、駄菓子屋に行くと30円のアイスって売ってましたよね。
合成着色料ギンギンの安っぽいやつ。いまはもう売ってないんでしょうか。
当時棒アイスっていうと子供だましな、いかにもチャチいかんじでした。

ソーダ味で、一つのアイスに二本の棒がついてて、割ってはんぶんこして食べるWソーダとか、 何故かモアイみたいな顔した形のエスキモー・コーラセマンとか、焼きいもの味がする焼き芋モナカとか、 当ると1本どころか5本当ることがあるやたら射幸心の強いアイスとか。
今でも売ってるんなら食いたいですよ。

当然、子供の夏の娯楽であるアイスが、マンガに登場しないわけがありません。 そんな中、もっとも僕の中でアイスペロペロ感が高いのは以下のシーンです(図1)


(図1)


いやあ、どうです。
アイスってぺろぺろピタピタなめるものだったなあ、と思い出したでしょう。
木のスプーン(親父入ってる人はサジとかシャジともいう)でこすりとって、ペロペロなめると美味しいのです!
もちろん本体に取りかかる前にアイスのフタの裏もペロピタなめるべきです!


(図11)


(図12)


(図13)


(図14)


(図15)


(図16)


(図17)


(図18)


(図19)


(図20)


(図21)


(図22)


(図23)

おとこも30ともなるとムダに分別がついて「アイスのフタの裏なんかなめんよね」ってカッコつけたりしがちですが、そんな奴は信頼できません。
僕などむしろフタの裏をなめるためにカップのアイスを買うほどですよ。まあ嘘ですが。

この9巻「ギシンアンキ」の回は150円もったのび太が、 ジャイアンにうまく言いくるめられて50円のアイスをタダで奪われてしまうエピソードがあるのですが、 これが何度読んでも傑作です(図2〜10)。

それで「なんでのび太くんこんなナチュラルなんだろ」って心配したドラちゃんが、 のび太を以上に疑い深くするクスリ・ギシンアンキを飲ませて逆襲、なのですが、 飲むと如実に目つきからして変わってくるし、何があっても信じなくなる、なんだか危なげなクスリ(図11)。

これ飲んだのび太はいつもの素直さはウソのようになにもかも疑ってかかり、 ジャイアンに逆襲するのですが、差額の50円を返せというどころか、100円よこせ、とウソ理屈で金を盗ろうとするアグレッシブさにビックリです(図12〜18)。
殴られても隠れてもけしてあきらめない異常にアッパーでシャープなのび太。

こんなのび太だったら、未来の世界からドラえもんが心配してやってくることもなかったわけで、のび太進化系の尖端種なのかも知れません。

ただまあ、これだったらちょっと電波入った被害妄想のつよいお兄ちゃん、 なだけであって、そんなの中央線沿線で昼間からブラブラしてる男衆を無作為によっていったらいくらでもいるわけで、とても主人公にはなれそうにない夢のなさ。
もーそりゃあゴリゴリの暗黒主人公です。

やっぱりのびちゃんは素直がいいよね、ってことで薬の効き目を解除させたら、ジャイアンにこんなふうに言いくるめられたりして(図19〜23)。

以前も長編マンガには旬がある、という話をしましたが、11巻までのドラえもんって神がかったくらい面白いですよねえ。
こんな面白いマンガを子供のころに読めたなんて僕らは幸せだったんですね。

ところで棒アイス、といえばロングセラーの「ガリガリ君」を忘れてはいけません。
もう発売から20年のロングセラー、独特の狂ったようなスピード感&ハイテンションのCMに魅了された若人もおおいと思います。
ガリガリくんは子供に人気、なんたってコロコロでマンガ化されたくらいです(未読)。
あんなにイモっぽい天然パアみたいなゴリポンくん的キャラクターが愛されつづける、というのはどうなんでしょう。子供の心は不思議といわざるを得ません。


(図24)


(図25)

そんなガリガリくん、割とマンガにも登場してるのですが、印象的だったといえばハードボイルドガンアクション「Payoff」に出てきたこのシーン。

ヤクザに「ガリガリ君買って来い」とパシリに出される珍シーンです(図24・25)。
ヤクザであろうとも、アイスっつったらガリガリくんだろ? というワイルダネスを感じますね。

ちなみにガリガリ君の弟の名前を知っていますか? ガリガリ君の弟は「ソフトくん」といって、ゴツ顔ゴリラのイメージの兄と違い、もち肌つるつるの小太り坊主アタマだったと覚えています。
12・3年前にたしか一年間だけ売られてたんじゃないかな?

味はというと、外郭がガリガリ君のソーダ味で、中には普通のバニラアイスが入っている、 まあそんな意外な商品じゃなかったんですが、今となってはソフト君は消えた弟扱いなので、 あの押し出しの弱いキャラクタを覚えている人が少ないのが寂しいです。

余談ですが、先日宇都宮に遊びに行ったところ、まんだらけ宇都宮店の近くのお菓子屋さんに以下のようなチラシが貼ってありました。

「ガリガリくん入荷!」

ふだん我々が慣れ親しんでいて、何時でもどこのコンビニでも買える・・・とおもっていたガリガリ君が、わざわざ入荷しました!と告知される都市・宇都宮。
県庁所在地でこれだとしたら、その先の小都市だとしたらガリガリ君がとんだレアものになっている可能性も高いですね。
そんなに宇都宮市民には特別な物なのか。
それともみんなが食べ過ぎて在庫薄なのか。
それともテスト版とかロケ版のガリガリくんなのか。
それともキキメの強いヤバげなガリガリ君なのか・・・などと疑問はつきません。
もし特別なガリガリ君だとしたら、名称は
「ガリガリ君アッパーズ」
「ガリガリ君エキザクタ」
「ガリガリ君スペリオール」
なんかがダサくてよいとおもいますね。

ガリガリ君は本店で取り扱いしております・・・じゃなかった間違えた!
「ギシンアンキ」収録のドラえもん9巻とPayoffはそれぞれ本店で取り扱いしております。
アイスペロペロが見たくなった人は本店へ!

※この記事は2005年7月15日に掲載したものです。
(担当 岩井)

お問い合わせ (営業時間:12:00〜20:00)

まんだらけ中野店(詳しい店舗地図はこちら)
〒164-0001 東京都中野区中野5-52-15
TEL:03-3228-0007 / e-mail:nakano@mandarake.co.jp