「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2019年7月25日、26日 第四十九回活動報告 【裏銀座縦走】前編

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今年の登山部1泊(車中泊含めると2泊)アタックは、
昨年登山部とは別で登った過去最強にハードなあの計画。
全長36km、累積標高4,000mを超す裏銀座縦走に登山部として行くことに。
自分たち体力の限界ギリギリの挑戦をしたいというのはたしかにあるにしても、
単純に野口五郎岳、水晶岳、双六岳などから見る圧巻の風景の連続は
他で味わうことができない鳥肌ものの興奮の連続でもあり、
そこに登山部みんなで行きたいというのがはなしのはじまりでした。

今回参加メンバーは、
西田、めぐ、小山、なべしー、内村、ラム、そして自分竹下の7名。
特に1日目の水晶小屋までが厳しい。
2日目は下りが中心なのに対して、
1日目は日本三大急登の一つブナ立尾根を筆頭に登りが厳しい。
この勝負の1日目...全員水晶小屋まで辿り着けるか。

今回の裏銀座縦走のルートは、
1日目 高瀬ダム~烏帽子小屋~野口五郎岳~水晶小屋

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2日目 水晶小屋~水晶岳~三俣蓮華岳~双六岳~鏡平山荘~わさび平小屋~新穂高温泉

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スタートは水曜日バスタ新宿から深夜高速バス(車中泊)でのスタートです。

7/24(水) 23:05 バスタ新宿
 ↓
7/25(木) 5:10 信濃大町駅

まずはこのバスの中で寝れるか、
これが一つ勝負になります。
みんな寝やすいように2ヶ月前の予約時に全員窓側で予約しました。
のび太に勝てる男小山さんは問題ないですが、
みんななかなかに寝るの苦戦してました。
特に西田さんは、
今回の登山で一番きつかったのはバスだった。
深夜の高速バスはもう乗らないと言っていました。

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ただ...

深夜バスでの前日スタートを使うと使わないでは行ける選択肢が全然違う。
どっかで使いたいときには「特攻野郎Aチーム」のコングよろしく、
西田さんをスリープさせて運ぶしかないかと心の中で思いつつ...
アクセス方法はまた模索していきます。

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5:10 信濃大町駅
 ↓
5:50 高瀬ダム

高速バスからジャンボタクシーに乗り換え。
車中で朝ごはんを食べつつ高瀬ダムに向かいます。
高瀬ダムは堤防の高さが176mと日本で2番目に高く、
岩や土砂を積み上げてつくるロックフィルダム形式のダムとしては日本で一番高いダム。
不規則な大きさの岩たちが組み合わさっている堤防はその高さと相まって迫力あります。
エメラルドグリーンな水面も美しいです。

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そんな高瀬ダムで集合写真をパシャリ。
トンネル横の展望台から槍ヶ岳の穂先が見えるの解説を今回のタクシー運転手もしてくれました。
安定のアルピコタクシーです...と思っていたら、
去年のドライバーと同じ方だったそう。ビックリです。
その展望台からほんとにわずかながら見えるのをみんなで楽しみました。
ちなみにこの展望台「槍見台」というそうです。
レポート書いているときに、高瀬ダムのことを調べていて知りました。

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トンネルを抜けたらそこは吊り橋。
渡った先の河原をしばらく歩いていくと登山道入口があります。
ここが裏銀座のスタート地点で、
日本三大急登の一つブナ立尾根のスタート地点でもあります。
1,280mから烏帽子小屋(2,530m)まで一気に登ります。

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いつもはある程度までは自分が先頭引っ張っていくのですが、
足が重く、なかなか進まない。
最初のポイントである「権太落し」に着く前に早々に先頭をめぐさんに託しました。
めぐさん、西田さん、内村さん、なべしー、自分、ラム、小山さんの順番。
めぐさん、西田さんが爆登して突き抜けていくのはいつものことなのですが、
内村さんがそれについていく。
内村さんは仕事ではWEB。デスクワーク中心でなぜにこんなに強いのか。
特に学生時代これといった運動やってなくて、この登りのスピードと体力は驚きです。
2018年11月の巻機山から登山部に参加してまだそれほど山も登っていないのに。

なべしーも調子良さそう。
しばらくは後ろ姿見えていましたが、
追いつけず引き離されていきました。

うしろにラムちゃんと小山さん。
ラムちゃん登山部参加してそれほど山登ってるわけではないので、
大丈夫かなと少し心配していましたが、足取りしっかりしてて大丈夫そう。
小山さんもしっかりサポートしてくれてる。

ブナ立尾根の急登は慣れることなく、登れば登るほど足が重たくなる。
いや、ほんとに、めぐさん、西田さん、内村さんはこれスルスル登ってくんだから凄いよ。
必死です。牛歩です。最後は地面だけを見て、上を見ず一歩一歩。
烏帽子小屋になだれこむように到着。
なべしーが迎えてくれました。いつもより男前に見えました。

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2人で昼食。
山で食べるおにぎりは最高です。
烏帽子小屋正面に見える立山連峰を眺めながらとなると尚更です。
小山さんとラムちゃんを少し待ちましたが来なかったので、
歩を進めました。
互いの時間差がわかるようにLINEに書き込みを残して。

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烏帽子小屋からの稜線歩きは最高です。
ずっと先まで稜線が続き、360°北アルプスの山々が連なっています。
烏帽子小屋までの急登とは違い傾斜もゆるやかに。
それゆえ景色やまわりを楽しむ余裕もでてきます。
スタート地点の高瀬ダムも眼下に見えます。
足元にはコマクサが一面に咲いています。
すごくきれいです。この風景は写真には撮りきれません。

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ん...
後方にポツンと見えるピンク
あれ、小山さんじゃないか??
小山さーん、ラムちゃーん!と、
大声で呼んだら手を振りかえしてくれました。
良かった、それほど離れていなかった。
LINE見ると書き込みがあって、烏帽子小屋を離れた時間と15分差でした。
ラムちゃんは引き続きしっかりした足取り。
小山さんがつらそう。ラムちゃんをうしろからサポートして歩いてくれてると
思っていましたが、単純に調子悪そうです。
思い返せば最近登山部に参加しておらず、山いつ以来だろうか...?
しばらく待って合流し、そこからは4人で進んでいきました。

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コマクサが咲き乱れている地帯を過ぎたら三ッ岳(2,844m)はすぐ。
稜線ルートではなく、巻き道のお花畑ルートを通ります。
ここも黄色や白の花があたり一面。
その横の雪が積もっているところから雪解け水がトクトクと流れています。
おいしい。
各々文字通りのアルプスの天然水をペットボトルにくみ取って野口五郎小屋に向かいます。

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野口五郎小屋へ到着。
小屋につけばコーラが飲める。
その一心で辿り着きましたが、いざ飲むと2口くらいしか飲めない。
なべしーともガブガブ飲みたいと思ってたけど、全然飲めないと話してて、
なべしーも相槌打ってくれていたんですが、
なべしーは一人で飲みきっていました。

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野口五郎小屋をでて野口五郎岳(2,922m)へ。
小屋のすぐ前にあり登るのはすぐ。
黒部五郎岳という山も近くにあり、なんでこのあたり「五郎」がつく山が多いんですかと、
登り始めに内村さんが聞いてきました。
どうやら「五郎」は、大きな岩がゴロゴロした場所を指す山の用語「ゴーロ」に字をあてたもの。
たしかに歩いているときも大きな岩を乗り越えいてく箇所多いです。

この初日のルート、問題はここからです。
ここから水晶小屋までの登り、それまでに蓄積している疲労も含めてかなりきつい。
ギザギザした凶悪なルックスもそれに輪をかけます。
この時、竹下、なべしー、小山さん、ラムちゃん一行が野口五郎岳上にいたのは14時頃。

一方その頃西田さん、めぐさんたちはもう水晶小屋へ着いていたそう。
化け物です。
たぶん風景とかまったく見てないだろうなと思い、
あとで小屋に着いたとき聞いたらやっぱほとんど見てなかったようです。
もったいない。アスリートスイッチが入ってタイムトライアルしてしまったんですね~。
いずれにしても、トレーニングをしてもそのタイムで水晶小屋に行ける気がしません。
内村さんもそこから1時間後くらいに着いたそうです。
この時間でも十分すごいです。

再び野口五郎岳山頂にて竹下、なべしー、小山、ラム一行。
ここからは各々のペースで登ろうと、
水晶小屋を目指しました。
ここにきての登りはほんと足があがらない。
うしろを振り返ると小山さんがきつそうです。
なんだかラムちゃんはご機嫌に見えました。

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ラスボスの住む城へ向かう途中のダンジョンのような険しさ。
ギザギザがラスボスの城(水晶小屋)に近づくにつれ大きくなる。
途中なべしーが颯爽と追い抜いていきました。
追い付くのは無理だと自分のペースを守りつつ小屋を目指す。

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小屋が近づいてくると
「がんばれー」と声援が聞こえる。
見ると小さい女の子が登山道少し入って迎えにきてくれました。
サンクス、
そのパワーも借りつつなんとかゴール。
長かった・・・
そこから遅れること30分くらいして、
ラムちゃん、小山さんの順番に到着。
その都度女の子は迎えに行ってくれた、いい子だ。

みんなで水晶小屋に到達できました。
ほんとすごいです。
1日で行ける行程としては誰しもが行けるルートではないんです。
良かった良かったと余韻に浸ってた矢先、

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ブロッケン現象です。
見る人の影のまわりに虹のような光の輪が現れる現象。
登山部で体験するのは2度目。
前回は2016年7月の白馬岳
でした。なべしーを囲む神々しい光の輪。
もちろん今回もなべしーの影は光の輪に囲まれておりました。
水晶小屋の人たちもその騒ぎに飛び出てきて、
すごい!ブロッケン現象だと無邪気に喜んでました。
さっきの女の子がものすごく喜んでるのが見ててうれしかったですね。
ブロッケン現象が収まったころに、ごはんですよ~の声。

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カレーです。
水晶小屋のカレーはうまいんです。
味噌汁とお茶も体に沁みる...
みんなモリモリ食べてました。ちなみにお替りは自由です。

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ごはんのあとは消灯の時間を待たずして一人また一人と寝てました。
僕は小屋の人とすこし話してました。
水晶小屋はいい人ばかりで話してるとほんわかします。
こんないい人ばかりのチームはそう会ったことがありません。
自分たちも楽しそうにしてるのが特にいいですね。

定番の山小屋漫画チェックは手塚「ひだまりの樹」と藤子を少し。
あとは山の本とまぁ~普通でした。
でもいいんです、水晶小屋はいい山小屋です。
大好きです。

そのあとふとんを整えて、翌日の準備をして、
すこし横になってたら気づいたら寝てました。
今回も寝るまで秒速の男小山さんが文字通り秒でスリープしたのは言うまでもありません。

山小屋泊の楽しみの一つ深夜の星空。
小山さんやラムちゃんは深夜見に行ったようですが、
雲がかかってほとんど見えなかったようです。
残念...

2日目は20kmのロングコース。
登りはそれほどきつくないものの、
まだタフな登山が続きます。
まずは水晶岳山頂での日の出拝むのを目指して4時30分に出発します。

コンプレックス 竹下

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