どうも、中野店の関口です。こんにちは。
突然ですが、みなさんは小学生時代の思い出って何かありますか?
私は内向的で行動力がなく、屋内か近所でしか遊ばない子どもだったため、思い出そうとしてもこれと言った思い出がありません。
もっと特別なことをしておけば良かったなあ、と少し悔やんだりします。
特別なことってどんなことか?と言うと、まさしくこんな感じ。
小学生を主人公に据えた、すぎむらしんいちさんの短編漫画「小林君」です。
物語は3人の男子が、一度も喋ったことのない同級生・小林君に話しかけられる場面から始まります。
悲しいお知らせでしたが、これまで会話したことがない関係性なので当然、反応は
「?」という間を置いての「ふーん…」。
まったく無関心な3人。
しかし、小林君の
「それでさ、君たちだけに僕のひみつの宝物をあげようと思うんだ」
という一言によって表情は一転、
「なに?宝物!?」「カネか、カネ!」と、一気にテンションが上昇。
そんな彼らに小林君は「もっとすばらしいものだよ」と告げ、宝の地図と「君たちに見つけられるかなぁ‥ぜひ見つけることをいのっているよ」と挑発的な台詞を残し、去って行きます。
次の日曜日、宝探しに出かける3人。
その目的地は格別遠いわけではありませんが、知っている町の知らない道を通ることや、少しの知恵を要することにより、少年たちにとっては十分な冒険になります。
いくつもの発見や、
ちょっとの不安、
多少の危険がありながらも、やがてゴールへと到達。
地図に記された謎を解き明かし、少年たちはついに宝を前にします。
大人になれば些細な、でも子どもには大きな喜びや驚き。
そんな出来事がたくさんあった冒険もついにラスト、達成感に包まれ歓喜の3人は、とうとうその手で宝を掘り起こし始めます。
すると…
「バフッ」
なんと地中から小林君が登場!
呆然の3人…。
「ともだちに なってぇええ」(土まみれで)
こうして、小林君はめでたく3人組と友達になれたのでした。
と、まあこの漫画は3人組の視点で読むとギャグなのですが、主観を小林君に変えると見え方が違ってきます。
表紙で楽しそうに遊んでいる3人を見つめるだけだった彼が、物語の最後にその友達の輪に加われた、という変化。
友達になりたいと思うだけだった目立たない少年が格別の勇気を持ち、遠回りで不器用ながらも計画・行動したのだ、と考えるとキテレツなラストシーンも泣けてきます。
他者からすれば「そんなことで…」ということも、本人からすれば難解なこと。
それに立ち向かい見事、願いを現実にしてみせた小林君の特別な一日。かっこよくないですか?
ヘンなやつ、と思われた小林君…でもその背中から「夢は見るものじゃない、夢は叶えるものなんだ…」というアツいメッセージが受け取れます。小学生の目に映る輝きが詰め込まれた作品、ぜひ。
ちなみに、この「小林君」はタイトルを「わたしの宝もの」というタイトルに、男子3人が女子3人に変わって短編映画化とのこと。
衝撃のラストが映画でも再現されているのか気になるところです。
「小林君」は「ALL NUDE」、及びそれに新作2編を加えた「スノウブラインド」に収録されています。
(中野店:関口)
中野店 せき口
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