このブログが始まってすぐにラーメン二郎がマンガに初登場したのは島耕作ではないか(確証には至らず)というお話をしましたが、その際に触れた「新さん」が入荷しましたので紹介したいと思います。
作者泉昌之は久住昌之さんと泉晴紀さんのコンビ名。久住さんは「孤独のグルメ」で、泉さんは「ダンドリくん」でそれぞれ有名ですが、そもそもコンビでの初発表作が「駅弁のオカズを食う順序」でひたすら悩む「夜行」。それぞれの得意分野が見事に合わさったのがデビュー作だったわけですね。
こまかなウンチクやコダワリを披露、悩んで最良の選択をしたつもりが最後に予想が外れてずっこける、というパターンは泉昌之作品に多く登場しますが、ことこれが食べ物に関することだとハズレなしといってもよいですね。特に久住氏は東海林さだおに次ぐ食べ物エッセイの描き手だと思います。
「新さん」は江戸っ子気質曲がったこと大きらいだがちょっとまわりのことが見えないという一本気な変わり者、として描かれてますが、そんな新さんが「なんかいっつも混雑してるこのラーメン屋、入ってみるか」と店に飛び込んでいく・・・のが第一話。この一話にラーメン二郎ぽい店が登場します。
ラーメン三郎、という名前が、イタズラされて「五郎」になってる。・・・これはラーメン二郎の初めての支店といわれた、吉祥寺の「ラーメン生郎」へのオマージュでしょうね。
カンバンの二郎、に線を足すイタズラされて「ラーメン生郎」さらには「ラブメン生郎」になったと聞きますが、それをそのまま取り入れていまや店が「生郎」を名乗るようになったのですから店主も懐が広いものです。ちなみに久住さんはお住まいがこのあたりのようで、荻窪から吉祥寺の話題が作中に頻繁に出てきますね。
人気店で導入されている、数人分を一気に作る(その人数分の注文がくるまで作り始めない)ロットの概念に新さんは感心したりしてます。が、注文の段階になって・・・
でた呪文! なにコレ!と驚く新さん。メニューには「ラーメン」「ブタ肉ラーメン」しかなかったのに、なんで常連客みんな得体の知れない名称連呼してるの!? 焦る新さん。おれだけトーシロに思われてたまっか、とばかりに虚勢を張った新さんのしたオーダーとは・・・

ちがうよ、惜しいけどちがう! 案の定ポカンとされ大盛ラーメンが出てくる。そしてわからないのに無理して気取ったことへの恥ずかしさが新さんを襲う・・・。分かります、この気持ち!! 僕いまでも恥ずかしくて「マシマシ」っていえませんから!!
トガ、とはとんがらしのことでしょうが、唐辛子を目いっぱい入れる常連客が多い生郎ぽいですね。生郎では今はあまり使われない呪文が生きているらしくて、「全地獄」とか「野菜チョモランマ」なんてのもあるらしいですが、今の二郎インスパイア系のお店ではふつうのコール以外はお断りしてる店も多いので、知ったかは要注意です。僕も以前ある二郎系のお店で若い子が「全部超マシで」といってましたが、店の人は「マシマシですね」と言い直してたのをみて、誰か一人のを受けちゃうと追従者が出るからこうせざるを得ないのかなあ、と思ったりもしました。
ちなみにいまのノーマルなトッピングコールはこんな感じです。
「ラーメン王子」(監修・大崎裕史・絵・阿部潤)より。
この「ラーメン王子」、ページ数の問題があるとはいえ、やっぱり二郎に対する愛が足りないのか描写がぜんぜん足りてないなあ、物足りないなあという薄味。好きな人が描いてくれないと食べ物マンガは面白くなりません。たぶん監修の大崎さんの熱が作画の阿部さんに伝わってないのか、通り一編の描写なのです。
ああ、すごいジロリアンが激しい熱量で描いた、全マシなハイカロリー二郎マンガは登場しないものでしょうか? 二郎好きを集めてアンソロジーにするってのが出たら僕買いますし、及ばずながら宣伝だって協力しますよ!
作者泉昌之は久住昌之さんと泉晴紀さんのコンビ名。久住さんは「孤独のグルメ」で、泉さんは「ダンドリくん」でそれぞれ有名ですが、そもそもコンビでの初発表作が「駅弁のオカズを食う順序」でひたすら悩む「夜行」。それぞれの得意分野が見事に合わさったのがデビュー作だったわけですね。
こまかなウンチクやコダワリを披露、悩んで最良の選択をしたつもりが最後に予想が外れてずっこける、というパターンは泉昌之作品に多く登場しますが、ことこれが食べ物に関することだとハズレなしといってもよいですね。特に久住氏は東海林さだおに次ぐ食べ物エッセイの描き手だと思います。
「新さん」は江戸っ子気質曲がったこと大きらいだがちょっとまわりのことが見えないという一本気な変わり者、として描かれてますが、そんな新さんが「なんかいっつも混雑してるこのラーメン屋、入ってみるか」と店に飛び込んでいく・・・のが第一話。この一話にラーメン二郎ぽい店が登場します。

ラーメン三郎、という名前が、イタズラされて「五郎」になってる。・・・これはラーメン二郎の初めての支店といわれた、吉祥寺の「ラーメン生郎」へのオマージュでしょうね。
カンバンの二郎、に線を足すイタズラされて「ラーメン生郎」さらには「ラブメン生郎」になったと聞きますが、それをそのまま取り入れていまや店が「生郎」を名乗るようになったのですから店主も懐が広いものです。ちなみに久住さんはお住まいがこのあたりのようで、荻窪から吉祥寺の話題が作中に頻繁に出てきますね。

人気店で導入されている、数人分を一気に作る(その人数分の注文がくるまで作り始めない)ロットの概念に新さんは感心したりしてます。が、注文の段階になって・・・


でた呪文! なにコレ!と驚く新さん。メニューには「ラーメン」「ブタ肉ラーメン」しかなかったのに、なんで常連客みんな得体の知れない名称連呼してるの!? 焦る新さん。おれだけトーシロに思われてたまっか、とばかりに虚勢を張った新さんのしたオーダーとは・・・

ちがうよ、惜しいけどちがう! 案の定ポカンとされ大盛ラーメンが出てくる。そしてわからないのに無理して気取ったことへの恥ずかしさが新さんを襲う・・・。分かります、この気持ち!! 僕いまでも恥ずかしくて「マシマシ」っていえませんから!!
トガ、とはとんがらしのことでしょうが、唐辛子を目いっぱい入れる常連客が多い生郎ぽいですね。生郎では今はあまり使われない呪文が生きているらしくて、「全地獄」とか「野菜チョモランマ」なんてのもあるらしいですが、今の二郎インスパイア系のお店ではふつうのコール以外はお断りしてる店も多いので、知ったかは要注意です。僕も以前ある二郎系のお店で若い子が「全部超マシで」といってましたが、店の人は「マシマシですね」と言い直してたのをみて、誰か一人のを受けちゃうと追従者が出るからこうせざるを得ないのかなあ、と思ったりもしました。
ちなみにいまのノーマルなトッピングコールはこんな感じです。

「ラーメン王子」(監修・大崎裕史・絵・阿部潤)より。
この「ラーメン王子」、ページ数の問題があるとはいえ、やっぱり二郎に対する愛が足りないのか描写がぜんぜん足りてないなあ、物足りないなあという薄味。好きな人が描いてくれないと食べ物マンガは面白くなりません。たぶん監修の大崎さんの熱が作画の阿部さんに伝わってないのか、通り一編の描写なのです。
ああ、すごいジロリアンが激しい熱量で描いた、全マシなハイカロリー二郎マンガは登場しないものでしょうか? 二郎好きを集めてアンソロジーにするってのが出たら僕買いますし、及ばずながら宣伝だって協力しますよ!
中野店 岩井