町外れのあばら家に住む4人のジジババ。寒風吹きすさむ家を改築するため、陰気な安信に棒で殴られることを自ら選ぶババたち・・・事情を抱えた子供と老人達の狂った日々を描く「うばすてやま」の第3回です。
ババを殴ってスッキリした安信は今までにない開放感を得、陰鬱な気分が支配していたのがウソのように明るくなった・・・目を見張る学友たち。
口笛を吹きつつ駆け足で活発に・・・ババ殴り効果はすごいですね。チョコンとベレー帽をかぶってるのが美江子の友人です。友人は見違えたわ、安信くんどうしたの?と美江子に問う。
ハイ、ここででました例のグラフ! こんな感じで明るくなってるのよ・・・と、「心の明るさ」みたいに数値化できないモノをグラフにするのが力技ですね。案外「子犬をなでたらプラス1点」「鏡を眺め続けたらマイナス2点」とか評点制で計算してんのかも。初日の8倍くらい明るくなってる、というのはテンション高まりすぎではと危惧するくらいです。
おばあさんの言うとおり、ババ殴りさせたらネ、明るくなったんだから・・・と親友に打ち明ける美江子。しかし友人は
「邪道よ!」。
善悪とか常識とかじゃなく「邪道」。そりゃ邪まな道であることは間違いないけどさ、「いやいやダメでしょそれ」「何いってんの、頭おかしいんじゃないの!」ですむところが「ババ殴りは正道か、邪道か」みたいな柱、大元の問題になってるのが解せません。
とはいえ一度周り始めたら状況は加速していくだけ。最初は安信に罪悪心を抱かせないように、

「まちくたびれたぞ!」「時間にルーズだ」と挑発したり悪ぶったりしてたババたちでしたが、
当の本人、安信が「はい!」とヤル気マンマンになり始めたのは誤算でした。顔にタテ線、しかし腕まくりしながら力強く「はい!」これは恐れてない、武者震いです。棒を握る手にも力が入るというものです。ボカボカと殴りまくってどんどん爽快になっていく安信。今年の夏は泳ぎに行こうよ。初夏を楽しもう!などと、流血の惨事の後に夏のイベントの話を楽しげにする二人。狂ってますね。日本のアブグレイブ捕虜収容所はここにあります。
一方、ジジババも自問しだす。なぜわしたちを殴るとあの子は明るくなるんじゃろ? もっともな疑問です。このページはエクトプラズムみたいなシュロシュロぼんやりとしたものがやがてババになる・・・という効果もイイですね。

つまり人を殴ると、普段は隠されていたその人間の暴力性が活発になり、明るくなる・・・という、まあやっぱり「失恋したときに「エイ」「チクショー!」といいながら女子がバッティングセンターでヒッティング」理論ですね、いっていることは。ただその矛先がババだ、というのは大きな大きな違いですが・・・。
ですが、あえて自分達を矛先にしたのはやっぱりカネが欲しいから。そうでもしないと収入源がまったくないジジババたちは今年の冬さえ越せないんです。だからあえて我慢する。なかなかしたたかです。新薬実験バイトみたいです。
「邪道よ」といわれた美江子は、誰かが幸せになるためには犠牲は必要ネ、と理屈をこね自己弁護し始めるが・・・。いやいや違うだろ社会の犠牲じゃないだろ。
パパだって「じゃあ安信君が明るくなる為に、ババたちを棒で殴るのもアリでしょ?」ときかれたら「いやあ、安信が陰気なままの方がいいよ」「ていうか、お小遣いをババ殴り報奨手当てに使ってるとは思ってなかったよ」と答えると思います。
自己弁護はしてもやっぱり心にモヤモヤしたものが残る「美江子。

「悪いことかも・・・」。・・・そう、いけないことだよ!
安信も同じ事を考えていたんだが、やっぱりピントがズレてる。もう陰気病は治ってるわ、殴らなくても・・・棒も必要ないわ! そうだ、もともと僕は明るい人間だったんだ・・・そうだ、そうだね・・・。と思いきや、
しかし・・・しかし・・・。出ました貸本の写植ワーク!! こういうの大好きです!
やっぱり世の中はそう簡単にはいかないんです!。
まずババたちは「これからずっと殴られればカネがたまってなんとか冬が越せる」とアテにしてただけに、殴られないことにガッカリ。落胆。で、今度はいつ・・・と目をウルウルさせて棒待ち状態だったのに、おあずけをくらってしまいました。ようやく道徳的な発想と場面が出てきましたね。今までの全ページは反道徳的でしたから。
「・・・・・・・」と無言で「こっちもアテにしてるんじゃから」といえないもどかしさ。結局おあずけで説得されるババたち。しかし
そうはいっても私達をなぐることに結局なるんじゃて・・・また叩かせてくれ、といってくるじゃろ・・・と一抹の希望を抱く。どんな希望だ? そうはいっても対処療法でもあるし、ババたちも殴られること自体は好きでもなんでもないワケで、状況はなかなかに複雑ですね。
そう、安信がね、ババなんか殴らなくても心の平衡を失わなければいいんです。ババを殴らなくても、僕は元々明るいんだから大丈夫さ・・・そうとも、そうだわさ・・・。美江子が「麻薬中毒みたいになっちゃうもの」と危惧してたように、そしてババたちが「ちょっときけんでは・・・」と危惧してたようにならなきゃいいんです。安信のココロ棒グラフがどんどん上に伸びてけばいいんです。それだけのことです。
です、が・・・
なのに・・・なのに! さあ狂った一ヶ月がやってきてしまいました! 狂った一ヶ月は安信がどうなるのか。ババたちの身は!? さあ次回はラストです! お楽しみに!
・・・エ? ババたちがカワイソウでぜんぜん楽しくない? さあどうなんでしょう? ムフフフ!
ババを殴ってスッキリした安信は今までにない開放感を得、陰鬱な気分が支配していたのがウソのように明るくなった・・・目を見張る学友たち。

口笛を吹きつつ駆け足で活発に・・・ババ殴り効果はすごいですね。チョコンとベレー帽をかぶってるのが美江子の友人です。友人は見違えたわ、安信くんどうしたの?と美江子に問う。

ハイ、ここででました例のグラフ! こんな感じで明るくなってるのよ・・・と、「心の明るさ」みたいに数値化できないモノをグラフにするのが力技ですね。案外「子犬をなでたらプラス1点」「鏡を眺め続けたらマイナス2点」とか評点制で計算してんのかも。初日の8倍くらい明るくなってる、というのはテンション高まりすぎではと危惧するくらいです。
おばあさんの言うとおり、ババ殴りさせたらネ、明るくなったんだから・・・と親友に打ち明ける美江子。しかし友人は

「邪道よ!」。
善悪とか常識とかじゃなく「邪道」。そりゃ邪まな道であることは間違いないけどさ、「いやいやダメでしょそれ」「何いってんの、頭おかしいんじゃないの!」ですむところが「ババ殴りは正道か、邪道か」みたいな柱、大元の問題になってるのが解せません。
とはいえ一度周り始めたら状況は加速していくだけ。最初は安信に罪悪心を抱かせないように、

「まちくたびれたぞ!」「時間にルーズだ」と挑発したり悪ぶったりしてたババたちでしたが、

当の本人、安信が「はい!」とヤル気マンマンになり始めたのは誤算でした。顔にタテ線、しかし腕まくりしながら力強く「はい!」これは恐れてない、武者震いです。棒を握る手にも力が入るというものです。ボカボカと殴りまくってどんどん爽快になっていく安信。今年の夏は泳ぎに行こうよ。初夏を楽しもう!などと、流血の惨事の後に夏のイベントの話を楽しげにする二人。狂ってますね。日本のアブグレイブ捕虜収容所はここにあります。

一方、ジジババも自問しだす。なぜわしたちを殴るとあの子は明るくなるんじゃろ? もっともな疑問です。このページはエクトプラズムみたいなシュロシュロぼんやりとしたものがやがてババになる・・・という効果もイイですね。


つまり人を殴ると、普段は隠されていたその人間の暴力性が活発になり、明るくなる・・・という、まあやっぱり「失恋したときに「エイ」「チクショー!」といいながら女子がバッティングセンターでヒッティング」理論ですね、いっていることは。ただその矛先がババだ、というのは大きな大きな違いですが・・・。
ですが、あえて自分達を矛先にしたのはやっぱりカネが欲しいから。そうでもしないと収入源がまったくないジジババたちは今年の冬さえ越せないんです。だからあえて我慢する。なかなかしたたかです。新薬実験バイトみたいです。

「邪道よ」といわれた美江子は、誰かが幸せになるためには犠牲は必要ネ、と理屈をこね自己弁護し始めるが・・・。いやいや違うだろ社会の犠牲じゃないだろ。
パパだって「じゃあ安信君が明るくなる為に、ババたちを棒で殴るのもアリでしょ?」ときかれたら「いやあ、安信が陰気なままの方がいいよ」「ていうか、お小遣いをババ殴り報奨手当てに使ってるとは思ってなかったよ」と答えると思います。
自己弁護はしてもやっぱり心にモヤモヤしたものが残る「美江子。

「悪いことかも・・・」。・・・そう、いけないことだよ!

安信も同じ事を考えていたんだが、やっぱりピントがズレてる。もう陰気病は治ってるわ、殴らなくても・・・棒も必要ないわ! そうだ、もともと僕は明るい人間だったんだ・・・そうだ、そうだね・・・。と思いきや、

しかし・・・しかし・・・。出ました貸本の写植ワーク!! こういうの大好きです!
やっぱり世の中はそう簡単にはいかないんです!。

まずババたちは「これからずっと殴られればカネがたまってなんとか冬が越せる」とアテにしてただけに、殴られないことにガッカリ。落胆。で、今度はいつ・・・と目をウルウルさせて棒待ち状態だったのに、おあずけをくらってしまいました。ようやく道徳的な発想と場面が出てきましたね。今までの全ページは反道徳的でしたから。

「・・・・・・・」と無言で「こっちもアテにしてるんじゃから」といえないもどかしさ。結局おあずけで説得されるババたち。しかし

そうはいっても私達をなぐることに結局なるんじゃて・・・また叩かせてくれ、といってくるじゃろ・・・と一抹の希望を抱く。どんな希望だ? そうはいっても対処療法でもあるし、ババたちも殴られること自体は好きでもなんでもないワケで、状況はなかなかに複雑ですね。
そう、安信がね、ババなんか殴らなくても心の平衡を失わなければいいんです。ババを殴らなくても、僕は元々明るいんだから大丈夫さ・・・そうとも、そうだわさ・・・。美江子が「麻薬中毒みたいになっちゃうもの」と危惧してたように、そしてババたちが「ちょっときけんでは・・・」と危惧してたようにならなきゃいいんです。安信のココロ棒グラフがどんどん上に伸びてけばいいんです。それだけのことです。
です、が・・・

なのに・・・なのに! さあ狂った一ヶ月がやってきてしまいました! 狂った一ヶ月は安信がどうなるのか。ババたちの身は!? さあ次回はラストです! お楽しみに!
・・・エ? ババたちがカワイソウでぜんぜん楽しくない? さあどうなんでしょう? ムフフフ!
中野店 岩井