最近、いかんとも寝苦しくなってまいりました。いかがお過ごしでしょうか?
日も少し高くなってちょっと夜更かしって方も増えてきたのではないでしょうか。
そんな皆様に深夜から明け方にかけて読むのにおすすめなホラーマンガをご紹介します。
エニックス 真柴真 「夢喰見聞」
「鳥籠学級」の著者であり、黒執事の枢やな先生と単行本の帯でコラボしたことで有名ですよね。
とにかく綺麗で独創性のある絵を描く方です。
今回ご紹介するのは、その画風がもっとも活き、かつ担当が小学生の頃
衝撃的なトラウマを残している(まだ身構えないでください)作品です。
それこそ、夢に出てきました。
まず目を引くのはアナログで細部まで描きこまれた極彩色の世界観です。
舞台が大正末期で喫茶店や水銀灯などのハイカラな様式が帝都に少しずつ流れ込んできている様子を
表しているのかカラー絵のほとんどがこういったビビットな配色が用いられています。
次に内容に触れていきたいと思います。
まず、唐突ですが表紙の彼。主人公・蛭弧(ひるこ)は人間ではありません。
悪夢を喰べて生きる“獏”です。ちなみに鼻の長いあいつではないです。
彼は、帝都にある喫茶店「銀星館」で昼は惰眠を貪り、夜は悪夢に悩まされる依頼主をおなかを空かせて待っています。
依頼人はどこから小耳に挟んだのか、彼に悪夢の原因を解決しもう眠れぬ夜を過ごさなくてもいいようにと
毎夜毎夜、蛭孤のもとをたずねてきます。
蛭孤はまず、依頼主からおおまかな悪夢の概要と依頼主がどのように解決したいのかを聞き出し
依頼主とともに悪夢の中へと入ります。多くの依頼主は、自分だけでは手が足りなかったり、自分の夢の中での働きかけでは解決できないと匙を投げていることが多いです。
そこで、悪夢の中を生身の体で自由に動き回れる蛭孤の力が活きてくるというわけです。
依頼人によっていろんな夢があります。
助けたい人が居るやら、あっちこっちに自分の体のパーツを落っことしてきたやら、
少年誌にも関わらずなかなかエゲつない内容であったりもするわけです。
しかし、蛭孤としては血みどろだったり凄惨なものほど濃くて美味いそうです。
依頼主の要望に応えるまま蛭孤は躊躇いも無く悪夢に手を入れていきます。
助けたい人を助けられるように道を指し示し、あっちこっちに落っことしてきた体のパーツの回収を手伝ってみたり。
そうして悪夢の果てまでたどり着いた依頼人は誰もがホッと胸をなでおろすのです。
「嗚呼、明日からは穏やかな気持ちで眠れる」と。
しかし、このマンガの面白いところはここからなのです。
そもそも夢とは、自分が見て聞いて嗅いだものや記憶を元に生まれるものです。
つまり、
“悪夢を解決したことが、ハッピーエンドに繋がるとは限らない”ということです。
蛭孤に救いを求めた依頼主たちが、どのような結末を迎えていくのか。
是非、みなさんの目でお確かめください。
ちなみに、担当は5巻収録の『鯉ノボリ』が一番おすすめです。
(担当/まりな)
中野店 まりな
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