投開票後も選挙の話題で盛り上がってる今日この頃ですがいかがお過ごしですか?
そんな御時世だからこそ、今このタイミングで見ておいたほうがいいアニメっていうものが実はあるのです。
それが、こちら・・・
※画像はガッチャマンクラウズ キナコデザインワークスのものです。
タツノコプロ ガッチャマンクラウズ(GATCHAMAN Crowds)
ご存知、タツノコプロの代表作。
「しーろーいーつーばさーのー」でおなじみガッチャマンシリーズの派生作品です。
もともとは実写映画の話題に乗っかるようなかたちで製作開始されたらしく
アニメ関連の広告も少なめで、実際に第1期の放送局も日テレ本局と有料webのみというささやかなものでした。
しかし、じわじわとその独創性あふれる世界観やシリアスな命題に魅了されたファンから噂が広がり、
第1期の舞台である記念すべき夏・2015年7月に放送局を大幅に増やして第2期シリーズが放送されました。
実は、OPが格好良すぎることで知る人は知っていたアニメでもあります。
ガッチャマンクラウズに登場する正義の味方・ガッチャマンたちは
従来のヒーローもののように絶対的な悪と常に対峙しているわけではありません。
もちろん地球を守るために日夜、学業の合間や仕事の合間に異星人犯罪者の対処に追われているのですが、
それは物語のごくごく日常部分に値するもので命題となる本流は別にあります。
1期ではネットや情報に関する害悪・そして炎上。2期では同調圧力・流される空気。
日本人なら誰しも一度は心当たりがあり、生活に密接にリンクしているそれらのキーワードに着目します。
主人公である新米ガッチャマン・一ノ瀬はじめを中心とした立川所属のガッチャマンたちは
それらが生むままならない事件を前に青く悩み。立ち止まり。深く考え。時に仲間同士でぶつかり合いながらも
時代が生んだ“見えない敵”に各々が考える正義をもって立ち向かっていく些かシリアスな物語になっています。
かつてのガッチャマンも公害や科学などのシリアスな問題がフューチャーされ子供のためだけのアニメに収まらない
ドラマ性が話題になっていたことを考えると、異質とも思えるこの作品がガッチャマンの名を冠していることが
伊達ではないことがわかります。
もちろん、ヒーロー作品らしい爽快なバトルアクションも見所のひとつです。
スタイリッシュで重厚なGスーツ(ガッチャマン専用のバトルスーツ)のデザインには
あのTIGER&BUNNYでメカニックデザインを担当していた安藤賢司さんが参加されています。
ガッチャマンといえばぴったぴたのボディスーツにマントという定義を大きく覆しつつも、
それぞれ鳥のモチーフを活かしたとても格好良いヒーロースーツになっているので注目。そしてよく動く。
そんな説明しきれないぐらいの魅力にあふれたガッチャマンクラウズ。
何故あえて今、この時期に観ることをおすすめしたかったのかというと理由は2つあります。
まず1つ目は、今がまさにガッチャマンクラウズの2期の舞台である2016年夏であること。
そして2つ目は、その2期の物語に有権者を18歳以上とした選挙の描写が描かれていることです。
まあ!タイムリーですね!? ・・・なんと1年前に作られたアニメの話ですけれども!
ニュースで有権者が18歳に引き下げになるって聞いたときあまりにもタイミングがガッチャマンクラウズ過ぎて
タツノコプロは予言者の集団か何かなのかと思いました。アニメ脳で大変申し訳ありませんが。
アニメの中では、紆余曲折あって日本の首相を決める選挙の際に18歳以上を対象とした
しかもスマホによる全国一斉国民投票が用いられました。
政治の世界も描くアニメ・・・子供のためというには収まりきらないですねえ。
そして物語の舞台は2016年夏。ほうら妙なリアリティが沸いてきたことでしょう。
何事もきっかけっていうものは大事だと思うのです。アニメ見るのも投票するのも。
ちなみに、担当がガッチャマンクラウズに出会うきっかけになったのは
舞台が東京都・立川(地元)と新潟県・長岡市(実家)だからというなかなかにドッキリな理由でした。
せ、聖地・・・我が家・・・そんな日が来るのか・・・と、思わず震えましたね。
ここまで長文で推しておきながらなんですが、ガッチャマンクラウズの世界観を一口で説明するのは本当に難しいです。
誰かにおすすめするとき必ず「あれも、これも、あっ、このことも伝えないと!」っていつもなってしまいます。
そこで、そんなときにあると説明がほんとに楽でおすすめないわゆる布教向け!な書籍をいくつか紹介します。
ガッチャマンクラウズアニメーションノート
1期のアニメの内容を網羅しているいわば入門書です。
複雑な物語もほぼフルカラーで内容を拾いやすくまとめてあります。
製作スタッフのインタビューのボリュームがビビるぐらい充実してるので裏話を聞きたいならこの1冊。
※画像はガッチャマンクラウズ インサイト キナコデザインワークスのものです。
ガッチャマン クラウズ キナコデザインワークス
ガッチャマン クラウズ インサイト キナコデザインワークス
お洒落でスタイリッシュなキャラクターデザイン・キナコ先生による
初期段階のラフ画からアニメ製作時のカラー指定まで集めた設定資料集です。
一枚絵の構図にセンスがあふれ過ぎていて担当はいつもキナコ先生を人に紹介するとき
「センスの化け物」(※褒め言葉)と言っています。
某刀剣関連で弁慶の薙刀を担当されていて有名な方ですね!
ガッチャマン クラウズ ノベライゼーション SUGANE NOTE 2015-2016
個人的に一番今回おすすめしたい本です。
1期の数ヶ月前、前日譚とも言うべき場所から、アニメ2期の後日談までの2年分の物語を
登場人物の一人・橘清音の視点から日記形式で時系列順に追想するノベライズ。
ガッチャマンクラウズの本筋を物語として読める唯一の本です。
すべて日時が細かく書いてあるので、担当は昨年のアニメ放送中はその日時に合わせて
実際の聖地に足を運んだりしていました。気持ち悪くてすみません。めっちゃ楽しかったです。
尺の関係でアニメではカットされてしまった名シーンや、アニメでは語られなかった
キャラクター同士の関係性・名場面での心の動きなどを原作者・大野敏哉さん自ら書きおろしています。
震災復興についても作中ではためらうことなく触れ、それもなかなかにどすん、とくる話。
挿絵はもちろんキャラクターデザインのキナコ先生がすべて描きおろししています。豪華!
漫画にもアニメにも通ずるものですが、その作品の旬というのは人それぞれだと思います。
自分がアツいと思ったものを、今がアツいと思う時に。
今回は、担当の中でガッチャマンクラウズに触れるべき旬は今だ!と思ったので
この場を借りて作品を紹介させていただきました。ガッチャ!
(中野店/佐藤ま)




中野店 まりな