こちらでははじめまして、こんにちは。まんだらけ札幌店にてヴィンテージコミックを担当しているいわきと申します。
(ブログ『ヴィンテージ毎日入荷情報』を日々更新中☆よろしくネ)
VINコミック担当ですがまんが全般が好きなのでVINコミ以外も読みます。今回レビューを書かせてもらえる機会をもらったので、自分的に気が狂うほどハマッた作品を紹介させていただきます。お付き合いください。
気が狂うほどハマッたその作品とは、松本大洋先生の「ピンポン」。
1996年からたった1年間の連載、単行本もオリジナルで全5巻とコンパクトな作品ですが、その後工藤官九郎監督により実写映画化、そして3年前に湯浅政明監督によりアニメ化され、それぞれの出来が大変良かった事から長きに亘り愛されている卓球漫画です。
ただのスポ根枠に収まらず、
「天才的な卓球のセンスを持ちながら生きることに無気力なスマイル」
「親友スマイルのためにヒーローを演じ続けざるを得なかったペコ」
「卓球大国で挫折し不本意さと傷心を抱え日本にやって来たチャイナ」
「ひたすらに努力するも現実の厳しさを叩きつけられるアクマ」
「周りの期待に押しつぶされそうになりながら王者の座を護り続けるドラゴン」
というなにやら複雑な5人の主人公の感情と血と汗がこれまた複雑に交差し、卓球シーンも松本先生にしか絶対に出来ない映画のような繊細かつ大胆なコマ割で息つく間もなく、卓球及びスポーツに興味がない人でも絶対に楽しめる作品という事は断言できます。
実写映画は原作の再現度が高く、アニメは更に再現度が高い上に原作になかったエピソードが補完としていくつか追加され、それぞれがこの星の一等賞という仕上がりです。
原作から20年ちかく経った今、なぜアニメ...?と思いつつ見始めたそれに私の心は完全に奪われ、毎話泣きながら視聴し、最終話の後ブルーレイボックスを予約し、原作を20回程読みかえせどなおも埋まらぬ胸の穴。
ピンポンの舞台は松本先生が若かりし頃を過ごした江ノ島。実在の風景が多く作中に取り入れられている事は知っていました。
「この穴を埋める為にはもう江ノ島に行くしかない...」
発作的に飛行機と宿を予約し、私は生まれてはじめての「聖地巡礼」へと旅立ったのです。
実際の江ノ島の刺激は想像を絶するもので、「ここにペコやスマイルがいた」としか思えず胸がいっぱいになり、一人マジで大号泣しながらひたすら写真を撮りました。はたから見た姿はお察しです。クソ重いソニーのα700で撮った写真は400枚超、その殆どが斜めになってしまっており興奮の程が垣間見えます。
その中からコミックスもしくはアニメに近い写真と原作シーンを並べながら紹介していきます。
※以下、「コミックス○巻」表記はオリジナル版(小学館ビッグスピリッツコミックススペシャル版)のものとします。
写真は厳選したものの超!長いです。スクロールしてお付き合いください。これを書いてる今も泣きそうです。思いが重くてすみません。ピンポンはすばらしい作品です。
コミックス1巻、バタフライジョーの指導に心を閉ざしまくり部活を放棄したスマイルを江ノ島に連れ出すペコ。
江島神社すぐ脇のこのシーン
アングル違いますがココ!です。
原作にはありませんがアニメの同シーン(コンプリートアートワークスより)。ここは見つけたとき本当に鳥肌が立ちました...
二人が食べたであろうたこせんも食べ、(これもアニメにのみ食べるシーンがあります)
2日目は江ノ島以外の聖地をメインで回りました。
江ノ島もそうですが、江ノ電周辺のあのあたりは坂が多くてけっこう体力がいります。私は10キロ程度なら難なく歩くくらいに体力と筋力はある方ですが、それでも途中から腿が上がらなくなりました。
あと行ったのは11月末だったんですが快晴でものすごくあったかかったので、道民の私は汗だくでコートを脱ぎ腕まくりをして巡礼。まわりにそんな人は一人もおらずはたから見た姿はこれまたお察しです。
作中アイコン的に何度も登場する江ノ電。これは鎌倉高校前駅そばの踏み切りで撮りました。
ここ写真を撮ってる人がすごく多くて、みんなピンポン好きなのね...と菩薩のような顔になりましたが、スラムダンクの聖地でした。
それもまたよし。江ノ島近辺はスラムダンクのほかにも湘南爆走族やつり球など多くのまんが・アニメの舞台になっています。
幼少時代のペコとスマイルの重要なエピソード、スマイルにとってペコがヒーローになる瞬間の舞台となった諏訪神社。
作中繰り返し登場します。(原作画像はコミックス4巻より)
アニメはこんなかんじ
...ここが一番枚数を撮っていて、諏訪神社だけで100枚超えるくらい撮ってるのですが、使える写真が殆どありません。全部ぶれてるか斜めになってます。平常心を保てませんでした。一人ヒーロー見参のポーズをとりました。
コミックス3巻にて、全てに挫折した状態のもう一人のペコ「ポコさん」が飛び降りる橋。
実写映画は窪塚洋介の「アイキャンフライ」が有名ですね。
細胞が壊れていくのが分かる。インパルスがもたつく...永久記憶がとぎれる。
このシーンは湘南海岸公園駅前です。
さすがに飛び込みはしませんでしたが、小道具でポコさんのアイコンであるたばこを用意していきました。
そして飛び込んだポコさんが再度ヒーローとして覚醒、鈍り切った体を鍛えなおす為の修行の場、上諏訪神社。
(コミックス3巻より)
オババ視点。ペコの卓球の師匠である卓球道場タムラのオババはこの階段を1分でダッシュというノルマをペコに課します。
実際ダッシュしましたが運動靴じゃないのを差し置いても相当キツかったです。
ちなみにこの上諏訪神社、前途の諏訪神社にめちゃくちゃアバウトな地図が掲示してあるんですが、超迷って1時間くらいはさ迷い歩いたと思います。
...とりあえず写真はここまで。時間がなく行けなかった聖地がまだたくさんあるので、リベンジはするつもりです。その際はまたコラムにてお知らせできればと考えてます。
まんがは好きだけど、どちらかと言えばインドア派の私をここまで駆り立てた...という点でピンポンという作品の恐ろしさの片鱗はお分かり頂けたでしょうか。
頭に書いた通り、スポーツや卓球に興味がなくとも、更に年齢性別関係なく必ず楽しめる作品としてオススメします。
初めて読んだ時にはわからなかったペコやドラゴンの葛藤が大人になってからの再読で見えたり、偏屈に見えたスマイルの純粋な欲望が見えたり、チャイナの高校生らしいセンチメンタルに切なくなったり、アクマの慟哭に同調してしまったり...。いろんな読み方、見方の出来る作品です。
あわよくば私の二の舞を踏み江ノ島観光して頂きたい。ピンポンも江ノ島もすばらしい作品であり観光地なので!
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担当 札幌店 いわき
札幌店 いわき