初画集となる「画侠伝」の発売(山田参助編集)。寺田克也との合同展「バッテラ」の開催など貸本時代から現在まで精力的に活躍するバロン吉元。ご本人といえば、自身の作品でも度々登場する自画像に近づいて来た感じがしますが...Twitterでは「ロボたこ踊り」なるものを披露していてお茶目な姿が見れるので要チェックです。
バロン吉元(作品)と僕の出会いは古く、僕が高校生の頃に「柔侠伝」シリーズを読んではまった作家さんで、卒業後すぐに(まったく関係のない)ふくしま政美のアシスタントをする事になるのですが、その当時「好きな漫画家は?」と聞かれた際に「バロン吉元」と「上村一夫」とこたえ、二人ともつけペンではなく、筆で描いている職人だとふくしま氏が言っていたのが印象的でした。更にふくしま氏が高校生の時の(ややこしい)修学旅行で東京の横山まさみちプロ(バロンがアシスタントをしていた)の事務所を見学しに行った時に、吉元正(バロン本名)の描いた原稿が机に置いてあり、初めて目にするプロの漫画原稿を目の当たりにして「美しい」と感じた... というような事を聞いて感動したものです。
今回紹介するのは、そんな初期バロン吉元の魅力が詰まった短編集「十七歳」です。入門編として入りやすく文庫版は価格的にも手に取りやすいのが良いです。
この中から「えろどこ」を抜粋。
‐東北地方のとある山間の村-
物語の舞台は、この村に一軒しかない床屋。店主は村では「ハッちゃん」と呼ばれる17歳の女性。ハッちゃんは17歳とは思えない色っぽさで村の若者を虜にしています。むさ苦しい男たちが毎日集まって来てはあの手この手で、ハッちゃんを触りまくるのです。
まず、17歳で床屋の店主なのと、客が手を出すなど問題がある店ですが、それには 理由があって読み進めるうちに分かります。 それにしてもタイトル通りの「えろどこ」。僕の田舎にこんなエエ床屋があったら 自我が崩壊してロクな大人になってませんよ... (すいません。今現在ロクな大人じゃなかったです...)
そんな若者の中にも純情BOYの勝美という男の子がいます。 ある日、意を決してデートに「岩木山」に行こうと誘うのですが、 なんとハッちゃんは「エペコするんだったらどこでだっていいでねかん、わざわざ シャッコイとごさ行ってすなぐても」と訛りの強い東北弁で返します。 ちなみに、エペコ=SEXとなります。 はたして勝美の童貞は失われるのか!!気になりますね。
左下が勝美。馬乗りになって、おもむろに服を脱ぎだすハッちゃんを前にガクガク狼狽する
1970年~75年まで主に漫画誌ヤングコミックで掲載された全9話からなる短編集で、巻末の解説はふくしま政美の師匠の真崎守が書いています。 全体的に青い方の青春というよりかは、性を中心とした性春といった趣です。
札幌店 田村
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