2012年発行の雑誌BRUTUSの「大友克洋、再起動。」から
はや、4年。週刊少年サンデーで明治時代の京都を舞台とした新連載の
アナウンスがなされましたが、未だ始まらず。
悲しいですが首を長くして待つことにしましょう。
そんな時は過去作を読むのが一番ですね。
79年初単行本作品の「ショート・ピース」を紹介します。
奇想天外社からB6サイズで刊行されましたが出版社倒産により絶版。
84年に双葉社よりA5サイズで再刊されました。
大きな違いは表紙のデザインを作者自らリメイクしたのと、収録作「夢の蒼穹」が追加された事それと、巻末の作品リストがグレードアップし、73年のデビューから83年の執筆作品が時系列で網羅されており「AKIRA」以前の活動がわかります。
短編全9話を収録した、いわゆる初期短編集で後の「童夢」「AKIRA」
とは違った世界観が楽しめます。なお、奇想天外社版でしか作者の初々しいあとがきが
読めないので、どちらとも揃えるのをお勧めします。個人的にはB6版の表紙が好きです。
過去に数度、このブログで紹介している「むさ苦しい男たち」この漫画にも実はあるんですね。
大友克洋=むさ苦しい
は、結びつきにくい印象ですが、収録作の「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」では
男4人が麻雀をただただ打つ話だったり「任侠シネマクラブ」における、高校生が
ブルーフィルムを録る話や「WHISKY-GO-GO」で受験戦争に嫌気がさして乞食に
弟子入りする話など青春群像劇を主にむさ苦しい男たちの、まさに短く楽しかった日々が
まとめられています。
なかでも特におススメするのが「大麻境」です。
作品リストによると78年増刊ヤングコミックに9/20号掲載で2色刷りがそのまま
載っている(双葉社版のみ)のが嬉しいところ。
やっぱり出てくるボロアパート。四畳半の隅に大学生3人が寄り添い、ただ何もせずに
真夏の西日を防ごうとしているのが何とも悲しいですね。
ここに先輩が登場。大麻(マリファナ)の原材料となる、葉っぱを持って来て
根白岳なる場所にカブト虫を捕りに行ったら、偶然川から流れてくる大麻を発見
したとの事。その上流には相当数の大麻が自然発生していると推測を披露。
場所を記した地図を2千円で売り、先輩はそそくさと退散。
2人がホラ話だと疑っている中、過去の新聞に根白岳の麓の白子山に大麻が自然発生
して焼き払った記事があり真実味のある話だと考察する彼。
70年代の頃の細野晴臣に似てますね。モデルに使われたのでしょうか。
3人で根白岳に行く旅費が無いので、夜中にアパートの畳を質に入れて金を作り、
連携プレイで駅弁を盗んで電車に乗ったりと悪さをして目的地に向かいます。
先輩の描いた小学生の宝探しレベルの地図を元に途中の桟橋に到着すると
河原で遊ぶ女子2名が「やっほーっ」と声をかけてきます。
男どものリアクションは「ホッホッオッオッオンナオンナ」
「オオーン オオーン オンナーッ」と股間を膨らませ犬の様に吠えてるのと
「さあっ夜這いに行こうぜ」と昼間っから夜這いに行こうとしているのと
その2人に唖然とする細野さん似の対比が面白くむさ苦しい場面の一つですね。
この後、無事目的地に到着する!?3人を待ち受けているものは何か!!
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担当・田村
札幌店 田村
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