むさ苦しい男たちが登場するマンガを過去に数タイトル紹介しましたが、僕の好みの
傾向として少し古いマンガに偏っていたかなと思いまして、今回は現行作品を紹介します。
個人的に今一番続きが気になる、漫画雑誌スペリオールで不定期連載中の「ムシヌユン」です。
現在3巻まで刊行されており、年2回のスローペースで単行本が出ています。
作者の都留泰作は京都精華大学マンガ学部准教授にして文化人類学者、どこかお堅いイメージがありますが、「ムシヌユン」は馬鹿馬鹿しいまでに突き抜けた表現が魅力です。
まず見ていただきたいのが表紙です。
まるで名盤のレコードジャケットを見ているような素晴らしい装丁です。
まんまレコードで売られていたらジャケ買い必須です。
特に1巻は、このマンガのキーワードとなるモノが散りばめられており、全てが集約されているといってもいいでしょう。
内容を少しご紹介しときます。
まずは、主人公の上原秋人。昆虫博士を目指す万年浪人生(27歳)
物語冒頭、夢破れ故郷の沖縄県与那瀬島に帰郷する事になります。
与那瀬島では、231個の星の爆発による世紀の天体ショー「タンゴ星団」が
日本最南端でここでしか見られない事もあり、観光客でごった返しています。
星の爆発と共に虫に似た謎の生物が島に飛来。好奇心で近づいた主人公が
噛みつかれ寄生されてしまいます。結果、体と精神を半分近く乗っ取られる事に。
もともと主人公は史上最弱の精神力でして、謎の生物が寄生した事により精力と食欲(空腹感)が異常に高まり、飢餓状態に陥ります。
このマンガの見所は何といっても主人公の意思や妄想がブレにブレまくり、欲望剥き出し状態がフルスロットルで展開する、まさしく予測不能な超展開にあります。
例えるならば、同じような題材で謎の生物が人間に寄生するマンガ「寄生獣」の真逆版と
言ったらわかりやすいでしょうか。読んだ事がない方は併せて読む事をオススメします。
寄生獣の通販はこちら
さて、この主人公(上原)のむさ苦しいシーンをご紹介します。
謎の生物に寄生された事により、着用していた衣類は破れ、何故かブリーフ一丁のパン一状態になり、精力がMAXまで上昇し歯止めがきかなくなります。
そして海辺で下半身丸出しで寝ている女を発見し、欲望剥き出しで近づきますが、直前で
「触れたら、犯罪になる!!」と気の弱みが露呈。女が眠っているのを確認したら「相手が
眠っていて気付かなければ、合法」とワケの分からない持論をかまし、股間を尾てい骨あたりにピタピタします。結果、女は目覚め不発に終ってしまいます。
その後、この女性の頼みで、服を着るため下半身を人に見られないよう葉っぱでガードしながらホテルまで向かいます。主人公もパン一だとマズイと思い、部屋にあった、女性物のTシャツとジーパンを履く事にします。結果、余計変質者感がアップしています。
パッツンパッツンの服を着ての一言。コマが小さいので見逃しそうですが、個人的にここ最近見たマンガの中で群を抜いて心に突き刺さった名シーンです。
おそらく物語のヒロイン(1巻と3巻の表紙の美女)で同級生で初恋の人、
新城かなこに勝手に翻弄され「死にたい」と思ったり「生きたい」と
心変わりしたと思えば今度は「犯す」と逆恨みしてみたり。
そしてまた「死にたい」に逆戻りと、とにかく精神が不安定な主人公。
2巻の工事現場で働く、いわゆる工事現場編の展開も最高に面白いですが
語り出したら長くなりそうなので、割愛します。
最後に各巻の収録話のタイトルなんかも絶妙で「現場の中心でアイを叫んだけもの」
「博士の愛した数式の私」「ネヴァネヴァエンディングストーリー」など映画が
元ネタなものもあって楽しめます。一番のお気に入りは、
3巻24話「シコシコ・ザ・ワールド」
爽やかな風を感じられる素敵な扉絵とは裏腹に何やら不穏な空気が漂う「シコシコ」の文字。故・愛川欽也が見たら卒倒しそうな破壊力があります。
「ムシヌユン」の通販はこちら
(札幌店/田村)
札幌店 田村
1週間のアクセスランキング
カテゴリ
- お知らせ
- 中野店 (54)
- コンプレックス (8)
- 渋谷店 (12)
- サーラ (6)
- 池袋店
- 宇都宮店 (1)
- 札幌店 (9)
- 名古屋店 (12)
- うめだ店 (6)
- グランドカオス (8)
- 福岡店
- 小倉店
月別アーカイブ
- 2018年12月 (6)
- 2018年11月 (8)
- 2018年10月 (6)
- 2018年5月 (21)
- 2018年4月 (25)
- 2018年3月 (23)
- 2018年2月 (23)
- 2018年1月 (29)
- 2017年12月 (29)
- 2017年11月 (27)
- 2017年10月 (27)
- 2017年9月 (28)
- 2017年8月 (29)
- 2017年7月 (28)
- 2017年6月 (25)
- 2017年5月 (31)
- 2017年4月 (29)
- 2017年3月 (14)
- 2017年2月 (12)
- 2017年1月 (30)
- 2016年12月 (30)
- 2016年11月 (27)
- 2016年10月 (25)
- 2016年9月 (30)
- 2016年8月 (30)
- 2016年7月 (29)
- 2016年6月 (28)
- 2016年5月 (29)
- 2016年4月 (27)
- 2016年3月 (28)
- 2016年2月 (25)
- 2016年1月 (29)
- 2015年12月 (27)