小樽市総合博物館で9月25日まで開催中の「ゴールデンカムイ」の中の小樽を見てきました。
まずは、こちらですね。
作者の野田サトルさんは北海道北広島出身です。ゴールデンカムイの
連載2年前より取材を行っていて、小樽市総合博物館にも足を運んでいます。
その時の博物館側の全面協力もあり、今回「ゴールデンカムイ」初の企画展の実現となったそうです。
マンガ大賞2016受賞作品でありますが、読んだ事がない方のために...
「ゴールデンカムイ」
日露戦争(1904-05)直後の北海道で、帰還兵の杉本とアイヌ民族のアシリパを主人公にした物語。
どこかに隠された莫大な砂金と、そのありかを示すといわれる、脱獄囚24人に彫られた刺青をめぐり、政府転覆を狙う集団、土方歳三を名乗る人物などが、明治後期の北海道各地で、さまざまな事件をおこしていきます。
この作品では、アイヌ文化を軸に、北海道の動植物や地域文化の特色も紹介しています。(企画展のパネルより抜粋)
この企画展では約40枚ちかくの原画が展示されています。
最近、自分はNHKの番組「漫勉」を見てその手法を詳しく知ったのですがこの作品は「フルデジタル原稿」なんですね。原画のほかには、博物館が所蔵する資料も並びます。
館内写真撮影OKだったので写真で見てみましょう。
「第七師団絵葉書」昭和初期発行。入隊した兵士の家族向け、土産用の絵葉書。
第七師団は軍都旭川の象徴であった。(企画展のパネルより抜粋)
タイトルにも使用されている物語の重要キーワード「ゴールド=金」
北海道で砂金がよく取れたんですね。今からおおよそ100年前の話なので、この地図を片手に最新機器を持って行けば残りカスでも拾えないですかね!行こうかな...?
この再現度は凄まじいですね。デジタル処理だからこそ成し得る技術なんでしょうか。
アイヌ文化独特の紋様があしらわれた服飾も丁寧に描かれています。
時代を超越して輝き続けるデザインとはこういうものなんでしょう。
アイヌ衣装に身を包むアシリパは神々しい愛らしさがあります。
バトル・ハンティング・グルメとテンポ良く進む物語で重要な狩猟アイテムもバッチリ資料があります。
極め付けはこれ!!ヒグマ!!でかい!!
右に小さく「やさしくさわってね」とあり ますが、撮影に夢中で触るの忘れてました。こんなヤツに襲われたらひとたまりもありません。
そういえば最近熊に襲われた空手の有段者の男性が目つぶしで撃退したというニュースがありましたけど、大山倍達ばりの凄さですね。
その人何者なんでしょうか。自伝本書いたら読みたいです!
博物館に到着したのがちょうど閉館1時間前で、抱っこヒモで寝ている娘を胸に抱き、起こさないよう慌てて見学しはじめたら、20名くらいの団体さんが入ってきました。
そこへ博物館の館長(後で調べたらわかりました)が展示物を前に色々と紹介をしていたのでこっそり中に入り込み話を聞いていました。どうやら(たぶん)何処かの教員達が勉強がてら見学されていたようです 。僕があまりにも普通に聞いていたのですが数名の方が「誰だコイツ」的な目でチラチラ視線を感じました。今思うとちょっとシュールな絵面だったと思います。館長さんのお話は全部は聞き取れませんでしたが、娘の耳を手で押さえつつある意味必死で自分は耳を傾けました。
「ゴールデンカムイ」はアイヌ語の研究者が監修を務めている事や大量の資料や取材を基に、 時代背景や風景・小物や言語など忠実に描かれており、現代のアイヌ文化を伝える良質な素材でもあります。
しかも画力や描きこみも凄まじいですが、これだけの資料を基に週刊連載で話をまとめ上げてそれでいてエンターテイメントに昇華されている技術は誰も真似できません。
しかしながら館長さんの話を聞いていて忠実に描かれていない部分があるとの事で、そこも紹介しているのが面白いと感じました。
第七師団が雪山をスキーで滑走するシーンですが、野田サトルさんは道内出身でスキー経験者(北海道の学校は授業でスキーやスケートが組み込まれている所が多い)
経験者ゆえにスキーのシーンは大丈夫と言っていたそうですが、思い込みがそのまま描かれてしまったそうです。
まずはスキー板の仕様が違うので、膝の曲げ方が絵のようにならない事とストックは当時1本だけだったそうです。
鶴見中尉の後ろの建物(元ネタ:名取商店)ですがデ ジタル加工で反転して描かれていますがよく見ると「上」の文字が反転されたまま描かれています。
最後に単行本1~3巻までに描かれている森が小樽の森ではないとの事。しかしながら4巻以降はしっかり小樽の森になっていると説明していました。
そういった点も併せて見てみると面白いですね。
僕の実家が道東の田舎町なんですが、アイヌ部落や文化が残る阿寒湖が近くにあるので作品に対する親近感に似たようなものが少なからずあります。
あとはグルメですね。9月22日に作中で登場する料理を再現する「ゴールデンカムイ軒」が1日限定で渋谷にOPENするそうですね。食べてみたい!
もちろん道民ならではの馴染みの食材があります。( 地域によって違ってくる)
まずは鹿肉。じいちゃんが生きてた頃、たぶん...ハントした鹿をガレージで解体していたんですが、小学生の頃にその光景を見てグロくてしばらく食べませんでした。
今でも苦手意識はあります。味は脂身が少なく、獣匂がして食感固めで肉感が非常に強いです。
血抜きの仕方によって味が大分変わるみたいですが、何回か食べていますが特段イメージ
は変わらずTHE獣肉です。
ちなみに道東でエゾジカが自然繁殖しており、車に乗っていたら道路に急に飛び出してきたり、立ち止まったりで人身事故ならぬ鹿身事故はよく起こります。
自分も昔、急ブレーキを踏んで鼻先数十センチのところであわやと言う場面がありました。
あと、僕の出身校が山に面しており、グラウンドに鹿が乱入してくる事 は日常茶飯事でよく正露丸を大きくした様な糞が落ちていました。
残念ですが僕の見解はどちらかというと害獣に近いです。
行者ニンニク。僕の田舎ではアイヌネギと呼んでいます。春先になると山に群生しており 、子供の頃によく採りにいきました。自分たちでは食いきれない量を採ってきてはご近所に配ったり冷凍保存したりします。
料理方法は、卵とじが定番で味付けは和風ダシと醤油のみで十分です。後はシンプルに醤油漬けですね。瓶に入れておけば保存食として長く食べれます。
味の特長は匂いが強く、ニンニク臭を数倍濃くしたような香りです。食感は柔らかくネギ自体の味がしっかりしているので、数本つまんで楽にご飯一膳はいけます。
しかしながら食べ過ぎに注意です。滋養強壮で体に良いですが、食べた翌日の体から発するニオイが存在を隠しきれません。子供の頃は残酷でアイヌネギを食べた友達が、やっぱり臭くて、その日からあだ名は「ネギ」になりました。
ホント味は美味いのですが、ニオイが強く食べたらそれなりの覚悟が必要な魔性の食材でもあります。
食べた事が無い方は一度ご賞味いただきたいです。
「ゴールデンカムイ」の中の小樽。偶然にも館長さんの説明が聞けて面白かったです。
このブログで3分の1くらい写真公開しちゃってますが行く価値は大いにあります。
現在の小樽の街並みやグルメなんかも素晴らしいので観光にもおススメです。
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札幌店田村
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