宇都宮店コミック担当の福田と申します、よろしくお願いします。
今回紹介する本は、小学館クリエイティブから発行された完全復刻版「影・街」になります。
「影」の創刊号は昭和31年4月に発行され、120号まで刊行した貸本短編誌の王者。
対する「街」の創刊号は昭和32年4月に発行、本誌は63号まで刊行され「影」と「街」は永遠のライバルとして作品の質を上げながら競いあっていきます。
「影」創刊号のラインナップは、さいとう・たかを、辰巳ヨシヒロ、松本正彦、高橋真琴など貸本を語るうえで外すことのできないそうそうたるメンバー。
上質な高橋真琴の口絵も相まって、創刊号にしてレベルの高い短編誌に仕上がっています。
なかでも松本正彦の「隣室の男」は別格。
工夫が凝らされた構図に、殺人事件による犯人への疑心暗鬼の心理描写や伏線を張った隣人との微妙な関係も秀逸で、松本正彦の代表作でもあり数々の貸本漫画家が影響を受けた傑作です。
「街」創刊号のラインナップは、辰巳・松本に加えてハードボイルドを得意とした佐藤まさあきや青春漫画の石川フミヤスが参加しています。
創刊号はそこまでの佳作はないものの、「劇画」という呼称が最初に使われた作品(「街」12号/辰巳ヨシヒロ「幽霊タクシー」)や、多数の新人漫画家を輩出(荒木伸吾・出崎統・つげ忠男・篠原とおる・みやわき心太郎など)しており、「影」と並ぶ人気短編誌です。
復刻版には、さいとう・たかをのインタビューや松本正彦・辰巳ヨシヒロの対談が書かれた冊子も付いており満足のセット内容。
貸本時代を経験した事が無い(私もですが)人にとって一見ハードルが高そうに見えますが、状態問わずでしたら1,000円以下でお求めやすいタイトルも多々ありますし、ジャケットだけはかっこいい太平洋文庫や狂った作品が多い兎月書房など、まだ見ぬ作品も多く魅力的な世界です。
まんだらけでは多数の貸本を取り扱っております
宇都宮店 福田
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