当コラムでは何度か泉昌之さんの作品について触れていますが、振り返る意味で改めて著作を読んでいくと、ちょっと気になることがありました。
泉作品にはこれまでも紹介したように、食事ネタが多いのが特徴。同様に飲み・飲食店ネタもよく登場しますが、おおきくくくって食べ物ネタがけっこうな割合を占めています。
で近作「天食」を呼んだところ、確かに前半は食べ物ネタオンパレードでしたが、後半になんか違和感のある便所ネタマンガが併載。食べ物ネタ中心の本なのに、何故正反対の便所ギャグが? とそのときはそんなに気にもとめてませんでしたが、よくよく考えてみたら泉昌之名義の本にはしょっちゅう便所やウンコネタが登場することに気がつきます。
たとえばデビュー作「夜行」が収録されてる「かっこいいスキヤキ」は駅弁とスキヤキのネタと同時に「ロボット」という、おなじみトレンチコート男がニンニクラーメンを食べ過ぎて腹壊し、急に襲ってくる便意と戦いながら家路を急ぐがモラしてしまう・・・というエピソードが。タイトルの「ロボット」は、ウンコもらしたときの歩き方がオモチャのロボットみたいな歩き方になるところからの命名でしょう。
つづいて前述した「新さん」でも新さんが居酒屋のトイレでクソしてる時にいきなり女性に便所をあけられてアセるエピソーがあったし、
「イイ大人」にも校門が緩んできて死茶いけないときにばっかオナラこく中年男の話「狂った肛門」があったし
「ダンドリくん」でも便所についての段取りが出てきたし、いや出てくるわでてくるわ。便所に限らずとにかくクソ、ゲロ、下痢とスカトロな方向のギャグがやたらと多いのです。このスカトロネタの多さは相原コージに匹敵します。
たしかに日常の下世話な部分にギャグを発見するのがこのユニットの持ち味だとしても、あまりに多くないか? あとこのスカトロ方向は久住氏と泉氏どっちの持ち味なんだ? と思ってたところ、先日こんな本が入荷して疑問が一気に氷解しました。
泉昌之の作品はだいたい把握してた僕もこんな本があるとはつゆも知らず。新書サイズでKKロングセラーズの本です。途中マンガも多少は入ってますが、9割は文字の本で便所ネタだけで一冊を作り上げたという恐ろしい読み物。昭和63年発行。
野グソ、不意の便意、下痢、公衆便所、ラーメンにウジが、紙がない・・・といったどこを読んでもウンコと便所の話しか出てきません。
ここで分かったのは「どちらかというと泉晴紀のほうがこっちネタに強いんだな」ということ。両人とも食べ物ネタには強いようですが、主に食べ物ネタのウンチクを語るのは久住氏、と考えるのがしっくり来ます。で、出す方向のネタは泉氏担当と。便所ネタが好きでなければ、便所ネタだけで一冊作ろうとは思わないはずです。この本が入荷したときにモヤモヤしてた謎がパっと晴れたように感じましたね。とはいえ内容は深夜ラジオ的なノリでこういった下ネタを豆本とか新書で出してた80年代文化をふと思い出すような作りですが、そんなには売れなかったんじゃないでしょうか。
泉昌之さんの本は増刷しつづけるタイトルが一部しかないので、いざ集めようと思ってもすぐには揃わない状況です。泉昌之名義(久住・泉晴紀名義をのぞく)で文庫などを含めて全部で26種類発行されていますが、現在リアル書店に並んでそうな現行のは5・6種類しかありません。中野店でもだいたい棚に並んでいるのは10~15タイトル。比較的最近出た「芸能グルメストーカー」ですら新刊在庫が切れてるとは・・・。「孤独のグルメ」文庫判が25刷以上いってるのと比べると、もう少し潜在的読者は多いはずだと思うんですが。
泉作品にはこれまでも紹介したように、食事ネタが多いのが特徴。同様に飲み・飲食店ネタもよく登場しますが、おおきくくくって食べ物ネタがけっこうな割合を占めています。
で近作「天食」を呼んだところ、確かに前半は食べ物ネタオンパレードでしたが、後半になんか違和感のある便所ネタマンガが併載。食べ物ネタ中心の本なのに、何故正反対の便所ギャグが? とそのときはそんなに気にもとめてませんでしたが、よくよく考えてみたら泉昌之名義の本にはしょっちゅう便所やウンコネタが登場することに気がつきます。
たとえばデビュー作「夜行」が収録されてる「かっこいいスキヤキ」は駅弁とスキヤキのネタと同時に「ロボット」という、おなじみトレンチコート男がニンニクラーメンを食べ過ぎて腹壊し、急に襲ってくる便意と戦いながら家路を急ぐがモラしてしまう・・・というエピソードが。タイトルの「ロボット」は、ウンコもらしたときの歩き方がオモチャのロボットみたいな歩き方になるところからの命名でしょう。
つづいて前述した「新さん」でも新さんが居酒屋のトイレでクソしてる時にいきなり女性に便所をあけられてアセるエピソーがあったし、


「ダンドリくん」でも便所についての段取りが出てきたし、いや出てくるわでてくるわ。便所に限らずとにかくクソ、ゲロ、下痢とスカトロな方向のギャグがやたらと多いのです。このスカトロネタの多さは相原コージに匹敵します。
たしかに日常の下世話な部分にギャグを発見するのがこのユニットの持ち味だとしても、あまりに多くないか? あとこのスカトロ方向は久住氏と泉氏どっちの持ち味なんだ? と思ってたところ、先日こんな本が入荷して疑問が一気に氷解しました。

泉昌之の作品はだいたい把握してた僕もこんな本があるとはつゆも知らず。新書サイズでKKロングセラーズの本です。途中マンガも多少は入ってますが、9割は文字の本で便所ネタだけで一冊を作り上げたという恐ろしい読み物。昭和63年発行。
野グソ、不意の便意、下痢、公衆便所、ラーメンにウジが、紙がない・・・といったどこを読んでもウンコと便所の話しか出てきません。
ここで分かったのは「どちらかというと泉晴紀のほうがこっちネタに強いんだな」ということ。両人とも食べ物ネタには強いようですが、主に食べ物ネタのウンチクを語るのは久住氏、と考えるのがしっくり来ます。で、出す方向のネタは泉氏担当と。便所ネタが好きでなければ、便所ネタだけで一冊作ろうとは思わないはずです。この本が入荷したときにモヤモヤしてた謎がパっと晴れたように感じましたね。とはいえ内容は深夜ラジオ的なノリでこういった下ネタを豆本とか新書で出してた80年代文化をふと思い出すような作りですが、そんなには売れなかったんじゃないでしょうか。
泉昌之さんの本は増刷しつづけるタイトルが一部しかないので、いざ集めようと思ってもすぐには揃わない状況です。泉昌之名義(久住・泉晴紀名義をのぞく)で文庫などを含めて全部で26種類発行されていますが、現在リアル書店に並んでそうな現行のは5・6種類しかありません。中野店でもだいたい棚に並んでいるのは10~15タイトル。比較的最近出た「芸能グルメストーカー」ですら新刊在庫が切れてるとは・・・。「孤独のグルメ」文庫判が25刷以上いってるのと比べると、もう少し潜在的読者は多いはずだと思うんですが。
中野店 岩井