遅ればせながらやっとヱヴァ「破」見にいってきました。
感想についてはもう先に見た方があらかた述べていますのでおいておきますが、今回おやと思ったのは、シンジ愛用のウォークマン、テープレコーダに新たな付加価値がつけられたこと。ゲンドウが使わなくなったものをシンジが譲り受けて使っている・・・という、レイにとっての割れたメガネのような存在になっていたのです。
作中では「S-DAT」とロゴが入っているこのプレイヤーには(TV版エヴァ放映時からさんざ言われていますが)、実際にモデルがあります。
これがそれで、93年に発売された、携帯DATプレイヤーのWMD-DT1がそれ。家から引っ張り出してきましたが、リモコンが見つからずじまいでした。
この93年以前にDATが少ないながらも愛好者を得てきており、CD以上のサンプリング周波数でデジタル録音でき、カセットテープと比べて雲泥の差があるDATを野外録音にも使いたい・・・という声を反映して、ソニーから携帯用の録再機が発売されていました。
ところがこれがポータブルとはいえけっこうなデカさ重たさで、充電池もそんなに持ちがよくない上乾電池がつかえないという代物。次のモデルで単3乾電池が使える様になったとはいえ、録音機能がなくて再生オンリーでいいからもっと可搬性の良い機種が出ないものか・・・はDATユーザーにとって悲願でした。その期待を背負って発売されたのがこのWMD-DT1だったのですが、とにかく驚いたのはその小ささです。

これが開けたところですが、DATはカセットデッキのようなヘッド固定式ではなく、ヘッドを回転させて信号を読み取るので、ある程度の電力が必要。テープも複雑な機構の為メカ部分には複雑な動きが必要とされました。それがクリアできてしかも単3が2本(録再機はアルカリ単3が4本でたった4時間!しか再生できないという類を見ない燃費の悪さでした)で駆動、しかもカセットウォークマンよりも小さい・・・というのはすごいことだったのです。
もっとも音質はというと正直DATとしてはかなり物足りないというか、アンプが貧弱だったかな・・・という印象でしたが、これで実売4万くらいでしたし、当時は十分でしたね。
エヴァ作中に出てくるマシンにはマシン左の電池ボックスのところにデジタルカウンタがついてますし、S-DATという架空の規格の名称がつけられてます。あと作中でカチンといって逆回転再生(オートリバース)するシーンがありますが、実際のDATは片面走行だけです。つまりこのマシンはエヴァスタッフにとってこうあるべく正統進化系のWMD-DT1だということですね。
これが背面。

音量ボタンが磨り減ってるのが分かります。

ここが電池入れの部分です。このマシンは携帯性は優れてましたが、機械としての耐久度はイマイチというソニーらしい一面を持ってまして、ぼくも1台使いつぶした後おなじのをもう一台買いましたし、修理に2回出しました。もっともそれでいて愛好家が多いのも事実で、生産がストップしたときには複数買いおさえたファンもいると聞きます。
壊れやすいのはまずヘッド。公式マニュアルには「使用10時間ごとに一回のヘッドクリーニングが必要」とありましたが、これは相当な頻度です。僕の1代目も再生できなくなりました。
次に電池ボックスのふた。ここがけっこうな圧力が掛かるのですが軸がプラスチックで出来ていたため折れてしまい、僕もここで修理に出しました。オークションで見かけるジャンク固体はたいていここが壊れているか、リペア済みですね。
つぎに駆動系。ヘッドが動かなかったり反応しなかったりすることがたびたびあります。さらに幸運にもこれらの修理に縁がなかったとしても、1枚目の画像を見ると分かるように左ゴム地がベトベトになったりといった経年の問題にも泣かされました。この機種、オークションでやたらとジャンクで出品されていますが、そういった理由があります。もっともそれ以外では意外にタフで、落っことしても平気だったりしましたが。
しかしこれだけ聞くとじゃあダメな機種なんじゃないかと思うのですが、カセットを入れてにぎるようにローディングメカ部をけっこうな力で押し込む時に「カキン」というメカメカしいあたりと、これだけの寄稿をよくもこの小ささに収めてくれたというありがたみから、DATユーザーの多くがこの機種をダメだけどかわいい子扱いしてたと思います。しかしより小さくなって省電力化されたCDウォークマン、MD、さらにMP3の時代が来て、使命を終え、DAT再生専用機はこの一代だけで終わってしまいました。
しかしおそらく庵野監督にとっても、未だにこの機種を忘れることができないんでしょうね。作中この機種についての思い入れをシンジが語り、ゲンドウに反抗するやゴミ箱に捨てられる。それに気付いたレイが拾う・・・なんてやりとりをあえてここまで描写するほどですから。このマシン登場から16年たってるのに最新作でもフューチャーするなんてよほどの思い入れです。
実際ぼくもDATはもう据え置きと携帯用であわせて6台使い、DT1は2台とも故障してダメになったのですが捨てられません。
エヴァ携帯がヒットしたんだから、このフタの部分を空けると液晶モニタが出てくるメディアプレイヤーになるとか、そんな現在の技術とギミックを搭載してエヴァウォークマンを発売してくれたらなーと思うんですが、どうでしょうソニーさん?
感想についてはもう先に見た方があらかた述べていますのでおいておきますが、今回おやと思ったのは、シンジ愛用のウォークマン、テープレコーダに新たな付加価値がつけられたこと。ゲンドウが使わなくなったものをシンジが譲り受けて使っている・・・という、レイにとっての割れたメガネのような存在になっていたのです。
作中では「S-DAT」とロゴが入っているこのプレイヤーには(TV版エヴァ放映時からさんざ言われていますが)、実際にモデルがあります。

これがそれで、93年に発売された、携帯DATプレイヤーのWMD-DT1がそれ。家から引っ張り出してきましたが、リモコンが見つからずじまいでした。
この93年以前にDATが少ないながらも愛好者を得てきており、CD以上のサンプリング周波数でデジタル録音でき、カセットテープと比べて雲泥の差があるDATを野外録音にも使いたい・・・という声を反映して、ソニーから携帯用の録再機が発売されていました。
ところがこれがポータブルとはいえけっこうなデカさ重たさで、充電池もそんなに持ちがよくない上乾電池がつかえないという代物。次のモデルで単3乾電池が使える様になったとはいえ、録音機能がなくて再生オンリーでいいからもっと可搬性の良い機種が出ないものか・・・はDATユーザーにとって悲願でした。その期待を背負って発売されたのがこのWMD-DT1だったのですが、とにかく驚いたのはその小ささです。

これが開けたところですが、DATはカセットデッキのようなヘッド固定式ではなく、ヘッドを回転させて信号を読み取るので、ある程度の電力が必要。テープも複雑な機構の為メカ部分には複雑な動きが必要とされました。それがクリアできてしかも単3が2本(録再機はアルカリ単3が4本でたった4時間!しか再生できないという類を見ない燃費の悪さでした)で駆動、しかもカセットウォークマンよりも小さい・・・というのはすごいことだったのです。
もっとも音質はというと正直DATとしてはかなり物足りないというか、アンプが貧弱だったかな・・・という印象でしたが、これで実売4万くらいでしたし、当時は十分でしたね。
エヴァ作中に出てくるマシンにはマシン左の電池ボックスのところにデジタルカウンタがついてますし、S-DATという架空の規格の名称がつけられてます。あと作中でカチンといって逆回転再生(オートリバース)するシーンがありますが、実際のDATは片面走行だけです。つまりこのマシンはエヴァスタッフにとってこうあるべく正統進化系のWMD-DT1だということですね。
これが背面。

音量ボタンが磨り減ってるのが分かります。

ここが電池入れの部分です。このマシンは携帯性は優れてましたが、機械としての耐久度はイマイチというソニーらしい一面を持ってまして、ぼくも1台使いつぶした後おなじのをもう一台買いましたし、修理に2回出しました。もっともそれでいて愛好家が多いのも事実で、生産がストップしたときには複数買いおさえたファンもいると聞きます。
壊れやすいのはまずヘッド。公式マニュアルには「使用10時間ごとに一回のヘッドクリーニングが必要」とありましたが、これは相当な頻度です。僕の1代目も再生できなくなりました。
次に電池ボックスのふた。ここがけっこうな圧力が掛かるのですが軸がプラスチックで出来ていたため折れてしまい、僕もここで修理に出しました。オークションで見かけるジャンク固体はたいていここが壊れているか、リペア済みですね。
つぎに駆動系。ヘッドが動かなかったり反応しなかったりすることがたびたびあります。さらに幸運にもこれらの修理に縁がなかったとしても、1枚目の画像を見ると分かるように左ゴム地がベトベトになったりといった経年の問題にも泣かされました。この機種、オークションでやたらとジャンクで出品されていますが、そういった理由があります。もっともそれ以外では意外にタフで、落っことしても平気だったりしましたが。
しかしこれだけ聞くとじゃあダメな機種なんじゃないかと思うのですが、カセットを入れてにぎるようにローディングメカ部をけっこうな力で押し込む時に「カキン」というメカメカしいあたりと、これだけの寄稿をよくもこの小ささに収めてくれたというありがたみから、DATユーザーの多くがこの機種をダメだけどかわいい子扱いしてたと思います。しかしより小さくなって省電力化されたCDウォークマン、MD、さらにMP3の時代が来て、使命を終え、DAT再生専用機はこの一代だけで終わってしまいました。
しかしおそらく庵野監督にとっても、未だにこの機種を忘れることができないんでしょうね。作中この機種についての思い入れをシンジが語り、ゲンドウに反抗するやゴミ箱に捨てられる。それに気付いたレイが拾う・・・なんてやりとりをあえてここまで描写するほどですから。このマシン登場から16年たってるのに最新作でもフューチャーするなんてよほどの思い入れです。
実際ぼくもDATはもう据え置きと携帯用であわせて6台使い、DT1は2台とも故障してダメになったのですが捨てられません。
エヴァ携帯がヒットしたんだから、このフタの部分を空けると液晶モニタが出てくるメディアプレイヤーになるとか、そんな現在の技術とギミックを搭載してエヴァウォークマンを発売してくれたらなーと思うんですが、どうでしょうソニーさん?
中野店 岩井