さて、8/14日に出す予定のものの続きです。
この画像だけではなんのことやら分からないと思いますが、アダルトゲーム「スマガ」のキャラクターのねんどろいど化が企画され、そのときに組まれた主要ヒロインキャラ「スピカ」「ミラ」「ガーネット」3名の設定画です。企画は結局ボツになったとのこと。キャラ3名分合計7枚、すべて出力で直筆部分はありません。
しかし、いまの人気を考えると数多考えられ練られたであろう「ねんどろいどにならなかったキャラ案」がこうして世に出ることは稀だと思います。最終的にどの程度まで企画が通っていたのかは分かりませんが、幻のねんどろいど企画として資料を見てみたい人は多いのでは。
ちなみにスピカの近似値としてはらきすたのこなた。ミラは「きょん妹の頭部+こなた」でハメコミ合成でモデリングされています。
以前も紹介した泉晴紀の新書読み物「便所はどこだ!」。一冊丸ごとウンコ、下痢、公衆便所、立ちション、便座です。マンガも収録されていますし、なかなかの読み応えありです。泉昌之コンプリートを目指すとなるとたぶん難関になる1冊でしょう。
拙著「マンガけもの道」でも取り上げた爽快なバカサッカーマンガ「スターダスト11」。チビ男をバットの代わりに振り回して顔面でボールを蹴る、シュートにあおられて上空100メートルまで飛ばされる、11人中半分以上が大怪我してるのに試合続行など、なんも考えてないのを勢いで全て「アリ」にしてしまうこの腕力。昨今の少年マンガに失われた種類の筋力でしょう。破天荒なのも当然、作者こうのこうじはあの「マウンドの稲妻」のゴッセージ」ですから。
カラスヤサトシが「カラスヤサトシ」中で、前売れない漫画家だったときにはその編集部で散々センスやら言動を嘲笑されバカにされ屈辱を味わった旨を記していましたが、ではその前の掲載誌はというとコミックアレ!、親会社はマガジンハウスなのです。
そりゃオサレなマガジンハウスのスタッフからしてみればジーンズをボロボロまではき、ベルトのかわりに荒縄を使い、金を惜しんで自転車で田無から総武線沿線まで走ってしまうようなカラスヤサトシとあうわけもない。コミックアレ!が廃刊になったため両者の縁は切れたのですが、それがなくとも縁が続いたのかどうかは微妙ですね。
そのコミックアレ!の連載をまとめたカラスヤサトシの初単行本は片岡聡名義での「石喰う男」。当時ほとんど売れなかったようですが、ギャグセンスはというと「カラスヤサトシ」1巻と2巻のころの「なんといっていいか分からない間」「もやもや」を提示していくようなギャグセンスにあふれていて、面白いです。爆笑するというものではありませんが、気になって何回か読み直してしまうような種類の本ですね。
この「もやもや」が「カラスヤサトシ」をこなし売れ知名度があがっていくうちに薄くなってしまったのが残念です。
あれだけ売れても、一向にもやもやが消えてなくならない福満氏のすごさはカラスヤサトシと比べてみると分かるかもしれません。いまのカラスヤサトシよりも「おのぼり物語」以前のカラスヤサトシが好きという人にはお奨めです。
最後はというと、マンガではありません。遊佐未森のツアーパンフ「空耳読本」の1~5までです。
遊佐未森はエピックソニー時代、シュワルツネッガーがヤカンもってポージングするカップヌードルのCMのタイアップ曲で注目を浴び、独特の歌唱法で90年代のネオアコ層とアニソン層に人気を博していました。
その遊佐さんのツアーパンフは布張り金箔押しという豪華な作りで、3000部限定で販売されていたのですが、毎回必ずツアーで購入していた方も少なかったのかもしれません。ツアーパンフコレクションをしていた友人もハルモニオデオンツアーの1部目は持っていなかったですし、人気にかげりの出てきた「モモイズム」あたりも同様です。
今回は1~5号までまとめての販売ですが、空耳読本という冠のツアーパンフでは6の「水色」ツアーまでだったかなという記憶です。「水色」はケルトミュージックのナイト・ノイズとのセッションをしており、まだケルトが流行していなかった日本ではけっこう異色だったのですが、水色発売からしばらくしてから両者でまわったツアーではナイト・ノイズの演奏がとにかくすごかったという印象があります。
それなりに古いため、内部に若干シミがありますが、痛みやすい金箔はほぼ、無傷です。
いやあ集まったものを挙げていってみたら、ガロ系の私家本からねんどろいどのボツ設定まで。もう次にはどんなラインナップになるのか想像もつきません。
いずれも8/14日に本店2のショーケースに出します。マンガを読み続けていった細い細い先の道にあるニッチ過ぎる要求にこたえるのは最終的にネットなのかもしれませんが、僕はそれに少しでも抗いたいですね。今回のラインナップを見て、自分もこんなものを探しているんだけどという方は、是非教えていただければと思います。
中野店 岩井