つい先ごろ、北公次が亡くなりましたね。
僕ら昭和末期っ子にしてみれば、北公次といえばフォーリーブスの、ではなく「光GENJIへ」シリーズの著者として、の存在のほうがおっきいでしょう。
それまでもジャニーさんに関してはホモゲナイズド濃厚牛乳な噂話は漏れ聞くところでしたが、あくまでも事情を知るは一部のみ。ボクはジャニーさんにホモ行為をされたんだ!と激白するこの本はジャニーさんはホモ→ジャニーズの少年たちはお稚児さん状態→光GENJIもじゃあホモなの!?という疑惑を呼び、ほんの一時期ですがたしかに光GENJIの人気が落ちた・・・と記憶しています。僕もあれ読んだんですが、なぜかマッチのハダカ写真とか、こりゃマジ、って思うような写真が入っててオオッとなりましたな。
ただジャニーズの全員がホモ、とは書いてなかったし、北さんの持ってるジャニーズ情報もあまり新しくなかったので、独白としては意味があったけれども全体としては微妙な読み物だったと思います。
本の半分くらいは過去のそういった忌まわしい出来事、としてですが、半分は自分のプロモーションで、日本のジミヘンと言われた中野重夫とボクが組んで音楽やってるから来てね!だの、俺の音楽の思いはホンモノ、だの、ボクがこんなになったのはすべてジャニーとメリーのせいだ! って感じで、自分が堕ちてった(覚醒剤はじめ、フォーリーブス解散後の氏はけっこうな堕ちっぷりでした)のをすべてホモ行為に帰結してるのが、ちょっと違うなと思いましたね。その後何作もこの続編を出しましたが、あまり新しい情報がさらけ出されることもなく、あいかわらず自分が求めるホンモノの音楽の話ばっかになってったと記憶してます。
しかし事務所公認ホモ情報なんて、今だったら二次創作を生む大いなる船出となったのでしょうが、当時は「諸星クンがホモ?ありえない!」とファンが号泣したりで、この本、かなり憎まれたんですよ。覚えてるけれど、事実をありがとう!って感じじゃなく、余計なこと教えやがって!って女性の方が圧倒的に多かったな。そもそも自分がされたホモ行為はともかく、光GENJIがホモだという確証はどこにも書いてなかったんじゃなかったっけ。そういった意味では「北公次人生を語る」というタイトルでもよかったわけで、便乗暴露本といわれても仕方がないのかも知れませんが。
さて、光GENJIの人気は当時確かにものすごかったんですが、人気があった証明ともいえるこんな本が出てる人はあまりいないかもです。
そう、当時はね、こういう公認のコミックが出たもんなんですよ。80年から90年代の流れ。アイドルコミックの最後あたりじゃないかな? だってSMAPあたりはこういうの出てないんじゃない?
で、このテのシリーズの何が好きかっていうと、やっぱりこういうのですね。
「キャハハ」「ペチャクチャ」・・・しゃべってるって、もうちょっとほかに表現できなくないのかい!
こういう楽しげな「公認だから潤沢に使える素材を、妙にムダな使い方するあたり」。これはマンガで容易に表現できることを、なぜ実物を使ってまで壊すんだ! プロ野球モノから始まって、この手の「本人実写コマ取り込み」って罪深いですよ。こんなにマヌケなものはない!
手のところ見てください、ここだけペン画です。なんかね、こういうスキのあるあたりというか、そういうマヌケさがね。地方局の静止画CMを思い出すようですよ。特にこれ!
バク宙してる、というシーンですが、なにこの「止まってる」感! 躍動感ゼロですよ。これだったら、動きの線が使えるだけ、よっぽどマンガ描写の方がいい!なのになまじ実物が使えるからこういう手抜きをする。実物はね、動画だけでいいんですよ! こっちがマンガで描かれている方の光GENJI。
ちゃんと誰が誰ってわかるでしょ? デフォルメでありつつ分かりやすい似顔絵。そこに混ざる実物の違和感たるやもう・・・。実写使うのがサービスだと思ってるからこうなるんですが、実写はカラーのグラビアであればよくて、作中にはあんまり必要ないんですよ!
しかしこういうアイドル本のせいか、こういう仕事してるとのりピーのときに「実写コミック版出てなかったっけ」などと探してしまうのが職業病ですね。のりピーなんて当時の存在感考えると、この手のコミック出ててもおかしくないんだけれどなあ。
中野店 岩井